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第5話 異世界の君、家を点検する(2)

 再び自宅に戻り、家の中を個人居室以外の部分をあらかた見て歩き、問題がないことを確認する。この家には私の部屋以外に両親それぞれの部屋、兄の部屋、お手伝いをしてくれる方の部屋がある。


 とりあえず、私としては生き物を飼育していることから環境の変化がないようにしなければいけないという点では本当に問題が山積という認識となった。

 

 ひと段落ついたので、リビングのソファーに座り、アオくんがこの世界で覚えておいた方がいいことのレクチャーを開始してくれる。若いのにものすごく話し方といい、しっかりしている印象を受ける。


「この世界のことですが、まず、基本的に魔力が巡回していて、その魔力を行使することで、様々なことができます。その魔力を行使は個人の適性が一番にきます。その適正内で使えるものを伸ばし、生活を営んでいます。そして適性外でもスキルを取得することにより、本来の適性外のことや、得意なことを増やしたり、当初の適性を補助してより強固にしてみたりとか、まあ、色々使い道があるわけです」

「なるほど。で、武器はあるの?素手?」

「基本剣だったり杖だったり、弓だったりそういうものに魔力を乗せての戦いとなりますが、素手で戦う方もいます。モンスター等と戦い戦闘実績を重ねていきますが、基本、魔力が乗っていないとダメージが通りません。そしてステータスの確認とスキルの取得ですが、【ステータスボード】上で行います。続けて見方をお伝えしますね。ちょっとまねしてやってみてください」


 そう言うとアオくんは右手の親指と人差し指を重ね合わせ、弾いたように離す。見様見真似で真似すると、眼前に半透明なVR表記が現れた。

 [NAME:チーズ]とあるから、間違いなく私のことだ。


「開けましたか?では、ステータス確認のやり方を教えますね。触って次の画面があるときは丸いひずみのような部分があらわれます。そこを触ると次の画面がみれたり、詳細が見れたりします。これがこの世界の【ステータスボード】です。たまに大幅にアップデートされたり、機能が増えたりしますが、その都度問答無用に慣れるしかありません。そして先ほどお伝えした起動コマンドですが、経験を積めば考えるだけで開けるようになりますよ。チーズさんには息を吸うようなレベルでステータスの確認を行える素養が備わっているのですが、これができるのはこの世界でもほんの一握りであることを覚えておいていてください」


 そう言うと、再びジェスチャーで普通に親指と人差し指があわせるような感じで教えてくれたのでこれ、芸能人がよくやるハートじゃないのと思いつつゲーム世界に迷い込んだような楽しさをかみしめた。

 ついでに、自分のステータスをもう一度確認してみる。


 [NAME:チーズ]

 LV.1

 HP:50

 MP:20


 その数値を見て、ちょっと真っ青な気分になった。

 まさかのれべるいち。

 

「クッソ貧弱じゃん!レベル1ってなに!!」


 私の人生の今までの積み重ねは一体どこへ行った。そう思ってがっかりしていると、アオくんが補足してくれる。


「今まで元の世界で積み重ねてきた経験は別に経験として残っていますから、強くてニューゲームとか転職とかそういう感じで捉えてもらって大丈夫です」

「なに、私のもといた世界のことにあなた詳しすぎない?なに?あなたも私の世界からきたの?」

「そこは、今はお答えできません」


 ガード堅。


 そして、詳細ステータスは親指と人差し指を2回重ねても見れるというので、実際試してみる。

 

 スキル:合成

     時間干渉

     ????

     ????

     ????

     ????

 

 魔法属性:雷、土、召喚、????、????、????、????


 ????はレベルがあがらないとわからないっぽいそうだ。


「珍しいスキルと魔法属性ですよ。レベルが上がればいろいろできることが増えてくるとは思いますよ。そしてステータスの展開は、経験をあげれば視線誘導でも可能となりますので、練習してみてください」

「じゃあ早速レベル上げか。外いってモンスター倒したりするの?私職業的に武器の装備は農具だったりするのかな。農機とか。」

「どうして思考が農機に飛ぶんですか」

「やっぱりメジャーどころでいくと鎌だったりするの?狩猟免許も役にたったりするのかな。この世界に鉄砲ってあるの?」

「後でお伝えします。何が使えるか試してみてください」


 なんか少年に、あきれたような声で微妙な顔をされたようなきがしたけれど、気にしないことにした。


「じゃあ、まず最優先にやらなければならないことをやりにいきましょうか」

 そうだね、と言いアオと()()と連れ立ち、点検ではなくお世話のために、改めて牛舎の方へ向かった。

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