第37話 ネルド『嵐の日』(1)
結局嵐のさなか冒険者の宿へ走って逃げ帰り、今日一日天気が悪そうなこと、なにより主戦力である武器が消失している状況ではどうにもこうにも戦えないので、午後からは休憩する一日とすることにした。
間違ってもこんな最中、緊急事態なんておきてくれないでくれたまえ。
アオくんに私の部屋に来てもらい、今後についてミーティングを開始する。
結構さすがに壁が薄いのでナット王国のこと、異世界転写のことなど、この世界で今は一般的ではないことは言っちゃだめという制限を最初につけた。
が、途中で「面倒くさい」と言いアオくんが防音壁を部屋張った。この15歳児、一体どこまで何ができるんだい?
「昨日のプテラ戦の後、ステータス確認しました?」
「いや、まったくしてない」
「……ちゃんと確認してください」
昨日はバトルとファーストダンジョンの疲労が克ち過ぎて顔洗って歯を磨いて軽くスキンケアをしたらそのままスヤっと…
今日やるべきことは、今のステータスの確認と、これから行う冒険者ギルドミッションの確認。
私がステータスを展開すると、アオくんが「フォローパスをつなぎますね~」といい、ステータス画面の右上に[フォロー:アオ]とかいてあるようになった。
フォローとは、パーティを組むとレベルにより経験値が貢献度由来で配分される仕組みがあるせいで、高レベル者が吸い取る上に、どちらもレベルがあがらなくなる現象がおこるため、それを解消する世界のシステムとなっている、ってシステム作った人、オンラインゲームに精通してるのかな。いや、違うか。
高レベル者からフォローすることにより低ランク者のステータスを共有で見れるようになりレクチャーが可能となり、また、補助魔法についても野良パーティと違ってかけやすくなること、経験値の最大9割が低レベル者に流入する、といった新規冒険者応援キャンペーンみたいな仕組となっているもので、レベル差が解消されてくると分配割合が平均化されていき、レベル差が10を切った時点で、通常のパーティー編成に自動変更となるらしい。
また、その「フォロー」についても、低レベルでもレアスキルやレア魔法等をもっていると食い物にされる可能性があるため、この世界の住人全体の約1%未満しか保持されていないスキルは許可を行わない限り秘匿される。例えば、私でいうと召喚とか時間干渉などが該当する。
因みに私のステータスは魔女さんには当初より筒抜け。
そもそもあの人が他人のスキルを見るにあたって制限などはないとのこと。そして、魔女の弟子であるアオくんイオくんには魔女さんからの連携で筒抜けなのもあるけれど、特段制限もかけていないので、見てもらって方針を立ててもらうことができる。
因みにノーマルで制限がかかっている状態なので、特段今も解除はしていないから、魔女さんと双子以外には基本スキルしか見えていないと思う。
ということで、今現在はフォローという形でアオくんが私のステータスを見放題になっているけれど、レベル差がありすぎて、私がアオくんのステータスを見ることはできない。
そして、昨日なぜフォローを使わなかったか聞いたところ、「必要性を感じなかった」と言われた。どんだけ鬼教官か。




