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第302話 ボレイリョウ(21)

 そうだった。

 モニターを見て思い出した。今ミルクスタンドホッカイドウにはあにさんと救国の魔法使い以外にシラタマ王が居たんだった。ことの話をしたところ、王がものすごく楽しそうすぎた。これあと5日ぐらいは続くんだよね?

 

 映像で確認することができるシラタマ王はものすごくラフな格好をしているうえに、結い上げられた髪もおろしていたので、強そうで凛々しく、美しい女性に見える。オーラは隠し通せていないと思うけどこれで外出とかしてるのかな?


「わぁ…元男役みたい……!」


 横でチーズさんが謎の感嘆を覚えている。なんなんだ元男役って。


『天は吉祥の白竜の後継者だろう?あ、テミスがそこにいるね。居ても遠慮はいらない、問題ないことしか話していないからね。私が現状で分析した内容を言うと、そのオイスターという国のいびつさをおそらく天とテミスは肌で感じているんだろうね。そしてライムドラゴンが遺したその宝珠、竜の一族にしか使用ができないスーパーレアアイテムだと思う。存在の噂は前々からあったんだけど、実際ドロップしたのを私が知ったのも初めてだし、あわせて竜の一族の者もいるというこの状態がレアすぎるから、それも初。私も興味津々だよ?今すぐまたそっちに行きたい気分だよ』


 ノリさんですら、初。レアケース。

 例の宝珠、ドロップした時点で天は何も言わなかった。でも、虹竜への返答を見る限り識っていた。


「しかしこの噴火、ほっといて大丈夫なのかな。ここも火山灰だけはものすごく積もってきてるけど。噴石は距離があるせいか、ここまで飛んでくることはなさそうだけど」

『そこはね、天の宝珠が原因で噴火したといっても、天が悪いわけではないんだよ。これにどう国が対処するか、という試練を与えている、ということが私の理解するところだね』

 

『ほう、面白いな。抜き打ちの試験というわけか?我が国だとどのような試練が行われるのだろうな?』

「王、滅多なことを言わないでください」

『はははは、そうだな。それもそうだ』


 モニターに強いオーラを持つ女性が大写しになる。王マジで迫力がすごい。


「例えばこの国の人間が何もしなかった場合、どうしたらいいんだ?オレたち何かしたほうがいいのかな」

「大丈夫、そんなに長くは続かないからこの噴火、ってこの球が言っているよ?テストが終わったら収束するんだって。ただ、この噴火でここ一帯の温泉の温度が上がっちゃうかもだって」

 

 虹竜の工事を考えると多少地熱が上がろうが温泉の温度が上がろうが、ちょうどよく調整するんだろうなってことはわかる。絶対そうなってる。確実に心配がない。

 で、ノリさんに話を聞いたところで何も解決していないし、シラタマ王は嬉しそうに介入してくるし、あにさんはモニター越しに見当たらないし、これ、どっちに進んだらいいんだ?


 ◇

 

「なあ、チーズ」

「何、テミス」

「もしかしてこの国のありように介入するように進んでるきがしないか?」

「状況的にはそれっぽいけど、面倒ごとは避けたいなあ」

「私の【ライブラリ】に聞いてみたらな、すでに30パーセントは介入している状態らしい」

「さんじゅう」


 そこまで介入しているともいえるし、まだ5割以下だからがちがちに巻き込まれる前に撤退するなら今だ、ともいえる。しかもこれ、王家がらみでしょ?昔から読んでた漫画や本を思い返しても巻き込まれるならまだしも、介入するとかはないない絶対ない。テミスの【ライブラリ】はなにをもって介入としているのか、マジで問いただしたい。


「話していた内容を整理すると、この噴火は時間が解決するオイスター国への試練、地熱はあがるかもしれない、ただ国を訪れていただけなのに王家のいざこざに巻き込まれそうな気配がある、っていうかんじ?」

「正直巻き込まれる道理はまったくないよな」


 イオくん、それだよそれ、そう思う。


『それはそうなんだけどね、巻き込まれるときは一瞬だからね。そうならないことを祈るよ』

『個人的にはオイスターの現状を知りたくはあるがな。我が国に政治的な利益が今後あるかどうか、という興味だけどな』

「そういえば王、葬儀はどんな感じだったのですか?」

『ああ、それな。言ってなかったが、今回王が若くして薨去したがために幼子である息子を跡取りに据えたいという政治的な面がよく見えたな。しかもだな、新王の後継人となり政治をとりあつかうのが前王妃、今回亡くなった王の妻というわけだよ』

「えっ…?前王妃、ってありえるんですかか?前王入り婿なんです?」

 

 後見人が元王の妻ってそんなことあるのかな?王妃、政治とかやってきたのだろうか。まあ知らないけど、もし実権をもっていたとしたら……いや、考えるな、マジで巻き込まれてしまう。


『王族じゃないし、ただの人だよ。散歩中偶然出会って意気投合したと伝承にあるけど、実際どうだったかについては、どうにもわかならないな』

「それ、滅多なこととして言えないこといってませんか」

 

『そこの結界、弟クンが張っているのだろう?そんな強固な結界。世界をみても5人もいないと思うし、何を言っていてもだいたいにおいて外に漏れることもないのだろう、信じておるぞ。まあつまるところ、オイスターはここ数年様子がおかしい、だが内政干渉となるためどこの国も見守っているというか、放置をしているだけとも言う』


 この王、むちゃくちゃしゃべるぞ?

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