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第184話 ナット温泉郷(4)

 東の庭園は、系統からいうとイングリッシュガーデンのような庭だった。ただ、庭師が凍結対象となっていたがために完全に荒れ放題。変に整備された後に荒れているせいで小さい虫もいっぱいいる。

 

「ヤバイ。アオくん、虫よけ魔法ってあるの?本当に、刺されたくない」

「あるにはありますが、チーズさんだと雷魔法身にまとうだけで全部虫落ちるんじゃないですか?」

「えええ…焼いちゃうやつか…」

「多分、もうそろそろコツ掴めば使えるんじゃないですか?あと、万が一刺されても回復魔法でどうにでもなるような」


 今まで森に分け入ったりしていた時にも虫はいたにはいたけれど、やっぱりこう、小さい虫がいっぱいいるのはいただけない。

「庭師が外注だったかお抱えだったか、シンさんはわかります?」

「庭師の住処、もう少しでありますよ。壁の蔦の量がすごくて庭に埋もれていますが、2人はいましたよ。凍結魔法の対象となってるとは思いますけど」

「じゃあ、魔女さんに頼んで復活させてもらうかな、その2人。新規ダンジョン踏破の影響でリソースが発生したって言ってたし」


 そんなことを言っていると、閃閃が割って入ってきた。

「今回私が叶える願いの内で、初回だけ整備してもいいぞ、この庭。その後の維持はその庭師にさせたらよいと思うが」

「温泉の採掘と温泉宿の建築だからな、今回のミッションは。温泉宿の内とすることも可能ではあるね」

 閃電的にもいいらしい。それはかなりありがたい。


「温泉楽しみだな~!ねえあおあお!また妖怪来るかな」

「どうでしょうね?あれはシラタマだから来たのかもしれないですよ」

「今度会う事があったら、ともだちになれるといいなあ」

 いい顔でにこにこしている。私はというとどう考えてもあの生後まもないあの女怪のイメージが強すぎて一歩引いた気持ちになる。一緒に温泉に入ったことがある手前、何とも言えないけど、あれ、今なにしてるのかな。あの時点でも結構な強さの人型モンスターだったけど、伸びしろ無限大っぽいポテンシャル秘めてそうだったんだよね。

 

「妖怪と友だちかあ、天くんならなれるかもしれないですね」

「えっあおあおは?!」

「タイミングがあえば、まあ…」

 

 

「ここがポイントだな」

 虹竜の2人は、東の門の扉から約200メートル、庭師の家にほど近い場所に陣取り、オーラを纏う。因みに木材は私の【無限フリースペース】に収納し持参してきているので出すか聞いて見ると、「ちょっと待って」と言われた。

「まずは、この庭を整備してから温泉を掘削する」

「良い泉質であるといいな」

 そう言うとダンジョンで分割していた力の源をどこからか取り出し、手にすると同時に強い風がおきる。その突風が過ぎ去ると同時に荒れ果てた庭が整備された美しい庭に変貌を遂げていた。

「サービスで花も咲かせておいた。さあ、次にいくぞ~」

 

 地響きが鳴り響く。


 力の塊が垂直に地面に向かってドリルのように回転し、地盤を削っていく。何よりスピードがすごい。削り始めから30分経過するかどうかのタイミングで源泉に当たり、温泉が噴き出してくる。

 そこでわっと湧く拍手。


「さあ、温泉設備をつくるぞー」

「あ、その前に泉質鑑定していいですか?」

「いいぞ、どうぞどうぞ」


 泉質:単純温泉(中性低張性高温泉)


 匂いもきつくなく、王城の敷地内にあっても問題がなさそうなのが湧出して本当によかった。硫黄泉も捨てがたいけどそれは王城以外のところで引き当てたい。

「これ、大当たりかも」

「いいですね!」


「では、次を取り進めるぞ」

 閃電は湧出した温泉の周りに湧出を維持する大き目の魔石を設置。この先千年はもつレベルの動きをみせる、らしい。それ千年後忘れちゃってるやつでは?そこまで行った時点で私に木材の取り出しを要求。

 いつでも何にでも使えるように、ワイナリーで使わなかった木材について、【無限フリースペース】で預かることにして、持ち歩いている。確かに雨が降ろうが乾燥した木材に影響はなく、使いたいときに使える。

 正直【無限フリースペース】は私のこの異世界生活の一番の根幹を担っているきがしなくもない。応用の範囲は広いうえに、単純に物を保管することについてもとりあえずものすごく便利。ちょうど保管している場所に対する使用許可を閃閃、閃電に出すと、わたしは何の労力を払うこともなく、直接倉庫から取り出して加工してくれている。

 現在神職の人とかこの国には多分いないから、上棟式!餅まき!というのがなさそうなのは少し残念だ。


「何階建てにする?願いを叶えるのは今だけだから、我らに要求可能なものは今作ってしまった方が良い」

 1回限りのラッキーみたいなものだよね。

「じゃあ5階建て!」

 突然天くんが元気よくお返事をする。

「5階までいくと城にならぶぐらい高くなるからちょっと…」

 もっともなことをシンさんが言う。景観って大事だよね。

 

「では2階建てだけれど、敷地面積を大きくつかって、中に小部屋を多くつくるとかでどうかな。背の高い建物を建てるのは今じゃなくてもいいよね」

 折衷案でもなんでもない、独自意見を述べてみる。これについては、割と反応が悪くなく、採用となった。

 

  

タイプロ面白いですね…前にどこかで書いてたかわかりませんが、セクラバだし、セコンズなんですよ。

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