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第166話 瞬きの窟(5)

 ステルス魔法を魔女さんにかけてもらい、ある程度の距離を保てる場所に、3人で移動する。足音もしっかり消して宙を走る。先ほど教えてもらった【低空中歩行】ではなく、魔女さんは私たちに【中空中歩行】をかけてくれた。

 【低空中歩行】は大体地上から5センチぐらい上を浮いて歩けるけれど、今回かけてくれた【中空中歩行】は地上から2メートルぐらいの位置を歩ける。平原の草の長さに当たらず、気配も消して各々の得意なポジション取りができるという算段だ。


 流石”凍結の魔女”の魔法、 レインボードラゴンに気づかれることなく、私たちはポジション取りに成功。今回はアオくんもイオくんも初のドラゴン討伐となることから通常パーティーで組んでいる。

 パーティーを組んだことによりパーティーチャットがステータスボード上で可能となり、文字打ちも脳波か何かと繋がっているのか、書き込みたい文字を「ステータスボードに記載したい」「記載する内容」この二つを思考するだけで書き込まれる。要するに、ただなんとなくしている思考がかきこまれることはないようで、それは本当に助かった。

 例えば今日も顔がいいとかかわいいとか考えたことが全部二人のステータスボードに陳列されたら、私はもうこの世界にいられない。


 チャット内に「到着」「いける」「いつでもいける」と返事連絡が入り、呼吸を整える。そして「10秒後に戦闘開始」と書き込み、テンカウントをタイマー画面で取り、共有する。本当にこの”ステータスボード”誰が作ってるんだろう。私がこっちにきて数か月、何気に細かいアップデートがなされている。しかもアップデート時に新旧対照画面もある。FAQもある。

 

 そんなことを考えているうちに目の前のタイマーのカウントが進み、3秒、2秒、1秒。作戦開始。


 目標2体、目測500メートル。


 魔女さんに強化された銃は2丁。視力強化を最大限とし、目標を見据える。私の仕事は2発の銃弾をレインボードラゴンに撃ちこむこと。


 1発目、命中。翼を狙ったため少しバランスを崩したが、問題がないようにこちらへ向かって飛んでくる。もう一体も同時にこちらに向かって飛び出した。今度の目的は2体目。

 それにしても強化しているとはいえこの距離をよく撃てるもんだって思う。ギリギリ1本目の砲身はもった。

 が、念のため別の銃に持ち替え、向かってくる2体のうちのもう一体、再び翼を狙う。


 2発目、命中。

 距離が近いせいか、前よりは威力がありバランスを崩して半分落ちかける。そこで1体目のレインボードラゴンが私の頭上に迫る。完全に口にドラゴンブレスをたたえている。

 

 ははは。無茶苦茶やばいぞ。


 そしてそのままドラゴンブレスが私をめがけて発射され、もろ直撃。

 さすがにこの世界よさよなら、という気持ちになったところで、驚くことに全然熱くない、痛くもない。ただ、眩しくて目がちかちかするのみ。

「まさか、無事とかそんな、どんな魔法」

 そんなことを思っていたら、チャットボードに心配の声が溢れた。そりゃああれ、浴びたら死を覚するのは当たり前かと思ってしまう。


『チーズ、無敵が効くのは1かいのみじゃ。2回目は当たらないように。またはわたしの魔法の射程範囲に入ったらまたかけてやるぞ』

 突然脳裏に魔女さんの声がする。私たちはチャットトークだというのに。

『あと通常のパーティーではステータスボードでのチャットとなるが、スキル【パーティートーク】を取得すれば、音声トークも可能になるぞ。今回の戦闘が終わったら通常スキルのなかにあるから取ったら良いおとおもうぞ」


 千年ランナーの魔女様、先に教えてくれれば、が多すぎます。

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