第13話 チュートリアル『レベル上げ』
あれから2日間、魔法訓練と射撃訓練を繰り返し、レベルが10になった。
家に帰ってしまうと敷地内の時間が進んでしまうので、城の一室を貸してもらい寝泊りしながら、一時帰宅したときに持ってきた食材を使いながら厨房を使わせてもらい自炊。
そして肉類について、この世界の食材、といっても狩場にいるウサギモンスターと鹿モンスターが肉としてドロップしたものを下処理し食材として使用してみたりした。まあまあの味ではあった。
そして使える魔法についても系統として増えてきた。
≪地属性魔法≫
・石礫
・砂嵐
・土ぼこり
・土壁
≪雷属性魔法≫
・微干渉電流
・小雷撃
【雷】属性魔法については危ぶまれた大きな雷撃というどちらかというと技巧系のほうが先に発露したようで、【微干渉電流】というものは銃撃するときに電流を纏った弾を撃てるようになったり、弱い相手であれば体の電流バランスを崩し麻痺効果をうむことがわかったし割と便利かつ機能的には結構こわい。
あと、レベル10になって新しいスキルが手に入ったのだ。
【動物言語レベル1】
これは、いつのまにか愛犬「うい」と私の間に従属契約が結ばれた状態になっていたことから発したものらしい。
今は感情の波動が普段よりも感じやすくなったぐらいで、別に会話ができるわけでもないが、レベルがあがれば普通に話せるようにもなると魔女が教えてくれた。そして「うい」も従属契約があったことによりフリースペースに居ながらにして私と一緒にレベリングできるようになり、レベルも5まで上昇、新たなスキルが発生した。
・吠える(付帯:悪霊払い)
・舐める(付帯:回復)
・散歩(付帯:飼い主とともにMP回復)
要するに、犬の犬らしい行動が【神聖魔法】を伴っているらしいのだ。 ういは、エクソシストお犬様だったのだ。
「ういはおりこうさんだね~!!」
膝の上に乗っているういを撫でながら与えられた部屋でくつろぐ。まあ、いつもどおり顔をべろっろに舐められる。今体力は満タンなので、特段回復はしたりはしない。
住まわせてもらっている部屋にあるのは王城とは思えないほど簡素な木のベッド。国のために私財を売り、それでも足りないため国がなくなる前に『凍結の魔女』に依頼し国を凍結、復興のために私を家ごとこの世界へのコピーを依頼したモヤ王。
魔女さん自身の状態についてごはんを食べているときに聞いたのだけれど、凍結魔法の維持に魔力リソースを使い続けているがために、ナットの国外に出ることができるのは1日1時間。しかも、頻繁に出ることは避けた方が良いらしい。この凍結状態が維持できなくなると、モヤ状態の王も民もどうなるか、保障はないとのこと。ついでに記憶障害が出ている私にも影響がでる可能性があるらしい。
この先私のレベルがある程度あがり、世界への順応と知見があがってからにはなるけれど、魔女さんの諸外国でもつ20の拠点を自由に使い、世界を見、レベルをあげ、外貨を稼ぎ、復興の足掛かりを掴んで欲しいらしい。
魔女さん自身は政治力がからっきしだということで、凍結から先のことは誰かに任せることしかできなかったので複写に至ったということだった。
そして今日でチュートリアルは終了。
私は明日からいよいよ、ナットの西にある隣国に拠点と狩場を移し、更なるレベルアップを狙うこととなった。




