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第11話 チュートリアル『魔法』(2)

 魔法の訓練用に、30センチくらいの木の枝が渡された。ほんとうに変哲もない、木の枝だ。


 魔法属性【雷】は、静電気程度の出力であれば問題ないが、使い方を失敗すると周囲全体に被害を及ぼす可能性があり、そもそも素養として与えられている魔法ランクを踏まえると初心者としては危険を感じずにはいられないため、【地】属性魔法から試してみることになる。


 木の枝は魔法の方向性を示すためには使えるが、魔力を増幅したりはしないため、とりあえず暴発の可能性が少ないとのこと。ただし、魔法を増幅する『杖』は存在する。

 あと、この世界ではよく漫画やアニメでみた魔法の詠唱は特にあるものではなく、言葉により集中し魔法を使いたい人。その使いたい人が師匠筋であったがためにそう教わったため、弟子に継承され、使い続けた人。要するに、言いたきゃ言ってもいい程度で、凍結の魔女は特に使用してないと教わる。


 要するに自分のテンションあげたり、誤射を防いだり、ためる時間のタイミングはかりに使ったり、かっこいいと思って使用してる人がいる、ということだ。

 そして、私には推奨されなかった。


 木の枝の先に集中し、エネルギーが集まっていくようなイマジネーションを展開する。


「【地】属性魔法~【地】属性魔法~ううーーん」


 土、岩、石、鉱物、粘土、地層、化石、琥珀、マグマ…と連想する。

 そうするとほどなく、私の足から腕に向けて体の中で熱いものというかエネルギーがわいてくる。大地からのエネルギーを吸い上げるかのような熱量。

 チカっと魔法が発露する感覚があったと同時に


 手に持つ枝の先からぼどぼどととめどなく

 

 土がこぼれ出てきた。


「ぎゃああーーー!これ!どうしたらいいの!どんどん土が出てくる!!」

 

 あふれ出る土も、私の冷や汗も止まらない。マジで止まらない。土がどんどん積みあがっていく。埋まる、どうしよう、困った!


「はははは。止める方法としては、体の中を流れ、杖から発しているエネルギーを押し戻し、絞るような感覚をもってみよ。水道の蛇口を閉めるみたいな感じじゃ」


 ええと


 ええーっと…


 えいっ


 なんとか蛇口をゆっくり閉めるようなイメージをもつことに成功し、土の発生を止めることが出来た。

 ただ、土が止まるまでに2メートルぐらいの大きな山が出来上がっていた。

 止まらなかったら本当に埋まるところだった。


 そして、おそるおそる積みあがった魔法産の土を触ってみると、ふわふわした良い土。これは、畑づくりにも使えそうなレベルだと思う。たい肥もいっぱいあるし、良い栄養を足してあげれば即戦力になりそうな気がする。


 先ほどの冷や汗からうってかわり、うれしい顔で振り返ると、魔女が不思議そうな顔で「しかしまあ、初めての魔法で土出した【地】属性使いはじめてでちょっとびっくりしたわ…」と言われた。

 聞いてみると、大体【地】属性の初めては石つぶてとかが多いらしく、こうなった原因は【地】魔法としてのイメージが、土に直結していたせいらしい。

 

 とりあえず魔力を放出できることがわかったので、【地】属性絵の初歩魔法を教わることになった。

 【地】属性魔法は便宜上【土魔法】とも言われ、【地】属性は、岩石、砂、貴金属等地に属するものすべてその範囲として包括するとのこと。


 初心者が使う魔法で一般的なのは石つぶて、砂嵐、土ぼこりとか。どちらかというと逃走用をメインとした用途となり、レベルがあがってくるとその範囲は拡大し、防御魔法としても使用できるようになっていくらしい。

 

 結論、使用する人の初心者ぶりは果てしないが、大きな力が与えられているのは本当であるみたいなので、トラブルをうまないように、調子に乗らず、やっていこうと心に誓った。

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