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L.L.~迷宮人生~  作者: 雨薫うろち
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88.忍道-序-

 ぴこーん!


 と音が鳴ったので、カードを確認するとクエスト名は『忍道-序-』となっているのは、今後自分が忍者として、歩んでいくと世界が認識したって事なのかな?


 未だにこの仕事を請けるシステムが今一よく分からない。


 世界からの使命だとしたら、忍者が必要な使命があるのかな?


 でも潜入工作とか山地とかの特殊地形でも戦える技能者とかを忍者って言うはずなんだけど、使命とか言われても困っちゃう。


 まあ、取り敢えずは巻物を鉱山の街まで行って渡してくるか。


 オークションの街をうろうろしていると、今までの街と違って凄く活気がある。


 何しろヒトの数が違う。


 こんな大人数の中からどうやってココ、モコ、リンちゃんの誰かを探そうかと途方に暮れて、


 それでいて立ち止まったら迷惑だろうし、当てもなく歩き続けると、屋台の並ぶ広場。


 そこも同様ヒトがいっぱいだが、所々に空いてるベンチがあるので、かけて一旦落ち着く。


 よく考えたらパーティ組んだ事ある場合メールできるんだったと思い出し、カードからメールを開き、ココに山の街に行く事を連絡入れておく。


 まあ、こんなにヒトのいる場所で例の女の子に声を掛けるプレイヤーに会ったとしても、助けを呼ぶ事は出来るだろう。


 何より、既に三人を見失っているので助けに駆けつけようにも、どこに何があるか分かってない。


 ただ記憶を頼りに馬車乗り場に辿り着き、山行きの馬車を探していると、


 「あっ!あんた!久しぶりだね!<心術>使ってる?」


 と急に後ろ下方から声がかかったので振り返れば、今一番会いたいヒトの顔があった。


 「丁度良かった!巻物預かったんですけど、渡しちゃっていいですかね」


 「え?どういう事?何があったの?」


 「ああ……ここじゃなんなんで、落ち着いて話せる場所無いですかね?」


 「あるある!任せな!」


 何とも頼りがいのある言葉に小さな師匠の後ろをついて行くと、一軒のBARに自然と入っていく。


 師匠はドワーフなのでお酒を飲んでもいいのだが、見た目で怒られないか心配だったけど杞憂だった。


 店の片隅の席に着くと、慣れた事とばかりにお酒を頼む師匠。自分も同じ物を頼んだが、まあ大丈夫だろう。


 「それで、巻物って何?」


 「ああ、妖魔の忍者から巻物預かったんですけど、失敗術の<心術>をちゃんとした術に出来るらしいです」


 「失敗術じゃないよ!何言ってんの!私の努力の結晶を!」

 

 「いや、妖魔が使う術は術耐性で威力下がらないんだってさ」


 「そう……なの?妖魔が生まれつき心が高いのは知ってるけど、それでその巻物に何が書いてあるの?」


 「なんか<忍術>に関わる物みたいで、ヒトの<忍術>を作れって言われまして」


 「へ~まあ、私も女子の端くれ幼い時分にはくのいちに憧れる事もあったけど、まさか本当に<忍術>が存在してたとはね~」


 「自分が若い頃は男子が憧れる物でしたけどね忍者とか、時代は変わる物ですね~」


 「まあいいじゃんいいじゃん!妖魔の心を操る技術をくれるって言うなら、完成させちゃおうじゃんヒトの<忍術>」


 そう言って巻物を受け取る師匠。


 そこにタイミングを見計らったように酒が届いたので、


 「ヒトの<忍術>に!」


 「「乾杯」」


 琥珀色の液体をグイッと飲むと、目前がぐにゃりと曲がり、姿勢を保つ事すら困難に……。


 「あんた!弱かったのか!」


 「うんにゃ~、そんにゃ事にゃいと思ってたんだけど~、齢かにゃ~」


 「いいからこれ噛みな!」


 そう言って手渡された根っこを齧ると、少し頭がすっきりする。


 「これ何ですか?」


 「ただの酔い覚ましだよ」


 よくよく見ると図書館で見たことある根っこなので、調合セットで記憶のままに摩り下ろし、


 黄色い粉を集めて〔補茸〕や〔薬草液〕なんかと混ぜていくと〔酔醒液〕の完成!


 飲めばすっきり全快!


 「何だあんた!いい手際じゃない!薬士にでもなればいいのに。まあいいか私は当分この街に逗留してるからいつでも、おいで」


 「おいでって、逗留先は?」


 「ここの上!」


 本当に上を指差して言い放つが、多分BARの上階が宿になっているのだろう。


 起きたらすぐにお酒って訳か、只者じゃないな~。


 巻物を預けてBARから出るために御代を払おうとすると、自分より頭一つは大きいいかつい男に、お金を出すのを止められる。


 明らかに店員と思われる黒のベストと黒のズボン、白いワイシャツ姿。


 しかし、その身長に見合った筋肉が服を内側から押し上げていて、強そうだ。


 ぴこーん!


 音が鳴り、何事かと思ってカードを取り出し確認していると、


 「失礼ながら薬を作る手並みを拝見しました。〔酔醒根〕はありますので、さっきの薬を作っていただけませんか?勿論他の材料費と手間賃はお支払いします」


 との事なので〔酔醒液〕を作れるだけ作って、渡す。


 何しろカードにもクエストとして書かれていたので仕方ない。


 まあでも、渡りに船とはこのこと。


 何しろバザーのお姉さんと合流出来てないので、まだ虫素材を売ったお金が入ってきてない。


 ちょっとしたバイトのつもりで、頑張った。


 よく考えたら冒険者事務所通して仕事請けてないけど大丈夫かな?と思ったが、ぴこーん!は大丈夫。多分。

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― 新着の感想 ―
[一言] 忍術の代わりに、酔い覚ましを作った←いや、駄目だろう(笑)
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