85.合流
久しぶりの霧の谷の街、ココ、モコ、リンちゃんはどうしてるかね~。
街中をのんびり歩き回るも様子はそんなに変わるもんでもない。
どうするかな~ダンジョンとか歩き回ったおかげで、そこそこ懐も暖かいし、装備を新調するのもいいな~。
って言っても防具はココに作ってもらってるからな。武器は万力鎖まで待った方がいいだろうしな~。
「ほら!君達!ボクに付いてくればあっという間に上級ゾーンで、上級素材を扱えるよ?どうだい?」
「いや、レベル帯に合わせた製品作らないとスキルレベル上がらないので結構です」
「そんな事言うもんじゃないよ!君達には一流の素材を扱う権利がある!」
「素材は必要に応じて使うもので、いいもの使ったから良い物が出来るわけではないのでお断りします」
「いいからほら!」
「あっ!触りましたね!僕達は未成年ですよ。ハラスメントに抵触します」
「いや、そういう事じゃなくて。もっといい境遇でプレイするつもりは無いかい?」
なんだか、ココ、モコがイケメンのお兄さんと話してるけど、ちょっと待った方がいいかな?
「あっS.S.さんだ!私達保護者が待ってるので行きますね!」
「お~そうか~気が変わったらいつでも訪ねておくれ」
イケメンのお兄さんがそそくさと立ち去り、ココ、モコと再会。
「やぁ、ひさし……」
「あんた達大丈夫かい!」
今度はバザーのお姉さんが凄い剣幕で走って来た。
「大丈夫ですよ。ちょっとしつこかったですけど、ハラスメントって言ったら怯んでました」
「そうかい……あいつは自分勝手な上にしつこいからね~」
「ああ、もしかして前に言ってた、なんか強いからって何でも言う事聞くと思ってるとか言う」
「それだね。全くこんな子供にまで手を出して……」
「遠目に見る限りイケメンの優男風だったけどね。まあバルムンク君のほうが格好いいか」
「あれ?ところであんた、いつの間に帰ってたんだい?」
「さっきだけど?」
「丁度いいんだか悪いんだか。まあこの子達の代わりに、あんたが絡まれたんじゃ誰も救われないからね。さっさと移動した方がいいかもね」
「あっそうなの?じゃあ何処行く?」
「いや、相変わらずなんか拘りとかないですねS.S.さんて」
「こんな短い期間に人なんて変わらないんじゃない?」
「今日はリンちゃんがログインしてないので、明日一緒に出かけましょう。今日はどこに行くかだけ相談という事で!希望のある人!」
「はい!サングラスが欲しい!」
「へ?」
「閃光玉使えるようになったんだけど、自分が目潰しされちゃって使い物にならないの」
「え~、目の状態異常を防ぐような装備って事ですね……悪くないですね。僕も欲しいです。なんなら皆で買ってもいいかもしれないですね」
「そうなの?」
「皆眼鏡って、なんとなく生産プレイヤーって感じしませんか?S.S.さんも珍しい探索プレイヤーだし、インテリジェンス増しますよ!眼鏡!」
「眼鏡か~白衣には似合いそうかもな~。眼鏡の街ってあるの?」
「ガラス系の街ともう1個色んな物品が集まるオークションの街があります。実はオークションの街に行ってみたくて」
「じゃあ、そこ行こうか」
「いや、理由も聞かずにそんな……」
「だってなんか嫌な感じの人がいるんでしょ?一旦その人から距離とって落ち着いてから今後の事考えようよ」
「まあ、それはそうですね優先事項を間違えるわけにはいきません。でも移動は明日ですから今の内に説明しておくと、僕も結構資金が集まったので、ここで一発自分でデザインしてコンセプトも考えた一品をオークションに出してみたいんです!」
「へー!」
「そりゃ上級者の作るものには及ばないと思いますけど、それでもどれくらいの値が付く物なのか試したくて!」
「ああ、じゃあ変わった素材が必要だよね。色々集めてきたから使ってよ」
「う、え?相変わらず、どこをどう歩いたら蜘蛛の糸なんて見つけてくるのか……攻略情報だけはチラッとありましたが、初心者殺しの到底クリア不能のダンジョンって聞いたんですけど」
「それはこっちの木のほうじゃない?プチクリムゾン」
「?ああ……そっちもクリアしたんですか!蜘蛛の方はまだ序盤のゾーンにも関わらず難易度が高すぎるし、木の方もそのプチクリムゾンが厄介すぎるって聞いてます」
「へー、まあ後は虫素材とかばっかりになっちゃうんだけど、とりあえず出しておくね」
「相変わらず勝手になんかどんどん話進めていくけどさ。あんた達、その虫素材使わないならアタシが捌こうか?」
「え?いいんですか?」
「そりゃアタシもあの男からは距離置きたいし、オークションの街に先に行って捌いといてやるよ。任せておきな」
久しぶりに霧の谷に戻ったのも束の間、移動の相談。
まあ、散り散りにならなかっただけ良かったかね。




