84.男三人パーティ一旦解散
ぐぅ……ギリギリの状態を越えてるじゃないか!一体どんな強行軍で仕事させたんだ!
従業員は奴隷じゃないんだぞ?お金払ってるからいいってもんじゃないんだ……。
そりゃ仕事は楽じゃないかもしれない。楽しいだけじゃないかもしれない。でも他人の尊厳を傷つけるような事を言っちゃいけないよ……。
コレはやっぱり、状況見て乗り込むしかないか?
しかし、今まで取引先にこんな事で乗り込んだ事はない。誰に相談すべきか?
お嬢さんは巻き込むべきではないだろう。今まで世話になった上司達はきっと快く相談に乗ってくれるだろうが、もう何年かで平穏に定年という人を巻き込んでもいいのだろうか?
否!
ここは自分が責任を持って、体を張るしかなかろう。
心臓の鼓動が聞こえるほどに緊張し、同時に頭が冷えていく。
「うん?どうした?顔がこわばってるぞ?」
「ええ、大丈夫ですか?なんかさっきから様子がおかしいですけど?」
「ああ、いや自分の事だからさ。大丈夫」
「そうか?じゃあ戻ろうぜ」
青い六芒星に乗って入り口に戻り、そのままダンジョンから出て街に戻る。
使わない装備類をバザーでさくっと捌いてお金を割り勘。
「さて、そろそろ俺はパーティに戻るぜ。初めは装備の性能試験だけだったしな」
「自分も戻ろうかな。蜘蛛の糸で色々作れるだろうし、よく考えたら罠用の紐とかも作れるかもしれないし」
「自分も戻ります。折角迎えてもらえたのに、勝手に逃げるように出てきてしまったしちゃんと謝ります」
「まあそこまで気にしなくてもいいんじゃないか?からかわれたり、弄られたりしたんだろ?素直に相談すればいいんじゃないか?」
「そうそう、似たような境遇でも皆感じ方はそれぞれなんだし、気にしなくていいと思うよ」
「そういえば、S.S.さんのパーティはどういう配分なんですか?」
「友達同士の若い男の子と女の子に色々教えてもらってたんだけど、最近その子達の年代と思われる女の子が入ってきたね」
「じゃあ、2:2かでもS.S.は一人だけ保護者って感じか、なんかほっこり系だな。生産パーティだって聞くし、趣味パーティとしては理想的かもな」
「へ~いいな~そういうの。男の子と女の子は若いカップルなんですか?」
「分かんないけど、ガーリーな男の子だからね~。それと活発な幼馴染の女の子って感じかな~。でも男の子の方がしっかりしてるよ」
「まあ、それはそうとダンジョンで禄にレア物手に入れられなかったみたいだが、良かったのか?」
「その代わり素材になる物御土産にいっぱい貰ったし、別にいいけど」
「なんか、物欲ないんですかね?自分ばっかり冠に胸当てに手袋と貰っちゃって」
「俺も上級者なのに盾なんて貰っちまってな」
「いいじゃんいいじゃん!使えるものそれぞれ貰って、いらないものは使える人に売っちゃえばそれでいいじゃん」
「まあいいか、何かあったらメールでもくれよ!またな」
「はい!お世話になりました!自分もいつでもメールください!」
「え?メールアドレス聞いてないけど?」
「?!」
「そうでした……そういう人でした」
「どういうこと?」
「カード開いて見ろ。パーティ組んだ事あるプレイヤーのリストがあるだろ?」
「はいはい、コレか!あっ!なんかマークとかつけられる!」
「検索機能が付いてるので、パーティ組んだ事ある人にメールを送れます。内容はAIに監視されてますからセンシティブな事は控えてください」
「センシティブ?」
「まあ、なんか色々規制に引っかかりそうなことだ」
「ああ、変な事送る人とかいるのか。自分は大丈夫」
「う、うんまあコレで大丈夫だな。寧ろ分からない事があれば、メールで聞いてくればいい。寧ろ俺の方も今回はじめて見るスキルや今まで知らなかった要素に気が付いたしな」
そうして二人と別れ、霧の谷に向かう馬車に乗り込む。
なんか揺れに任せているとウトウトしてくる。皆と合流したら何しようかな~。
閃光玉を使えるようにする為にサングラスを売ってる街を探すのもいいな~。




