82.スパイダーシルク?
ボス部屋で回復が済んだので、そのまま奥に進む。
今まではほぼ一本道だったのが、狭い通路がいくつも分岐するダンジョンらしい構造に変化した。
その代わり今までの強制ダメージみたいなのは無くなったので、自分としてはホームのような感覚すら覚える。
ふと廊下に罠が一つ、そして罠の向こうにはあからさまに敵と分るちょっと大きめの蜘蛛。色的に赤でも青でも無いので、大きなプレーン蜘蛛なのかな?
手近の罠を操作すると、地面から棘が生えてくる物らしいので、投石で蜘蛛を呼び寄せ、罠の上を通った所で串刺し。
ダメージを負って一瞬動けなくなったところで三人で殴りつけ、あっさりと倒す。
「お前・・・結構やる事がえげつないよな」
「え?何の事?」
「いやダンジョンの罠利用して寧ろ魔物にダメージ与えるとか、考える人はいるかもしれないですけど、実際使い手となると少ないんじゃないですか?」
「そうだな、ダンジョンのような狭い通路でもないと罠の上を通らせるなんて難しいし、よっぽどのダンジョン好きじゃないとそんなスキルは取らないだろうな」
「自分は遺跡を探索したいから別にいいじゃん」
そんな事より、今蜘蛛を倒して手に入ったドロップ品の方が問題だ〔蜘蛛の糸〕なんだが、説明を読む限り<服飾>の素材らしい。
てっきり罠かなんかに使う粘着糸なのかと思ったら、蜘蛛の糸で服を作れるとは驚いた!
「凄いよ!この蜘蛛の糸は服作れるって!」
「はぁ・・・そういうのってRPGだと定番ですよね?」
「まあでもこのゲームでは、シルクと言えば街で手に入る絹の事だが、これはスパイダーシルクって感じだろ?ローブとかに使えば売れるんじゃないか?」
「自分の仲間が服作ってる子いるから、狩って行ってもいいかな?」
「お土産って事ですね。手伝いますよ!」
「別にそこまで強い魔物でも無いし、別に構わないぞ」
と言う事で、まったり三人で蜘蛛を狩りつくす。時々青蜘蛛赤蜘蛛も出てくるが、強制ダメージも無く単体で出てきたところで今更って感じ。
普通のダンジョンフィールドなので、小部屋に時折宝箱もある。
『ジェラ』を積極的に使い、宝箱の中身を少しだけいい物にして回収。と言っても売る以外用途の無い装備ばかりだけどさ。
その後も天井を移動する蜘蛛に見えないように隠れている蜘蛛と出てくるが、特に困ることも無く狩りつくし突破。
多少魔物のサイズが大きくなり強くなったのかな~位の状態なので拍子抜け。
あまりにもあっさりと次のボス部屋に到着。難易度的にそろそろこのダンジョンの最奥ボスかな・・・。
隠し部屋みたいなのは無かったし、今回は<字術>関連のダンジョンではなかったのだろう。
「もうボス部屋みたい」
「もうとは言いますけど、普通にダンジョン潜って攻略して外に帰るまでを考えればこんなものじゃないですか?」
「そうだな。寧ろここまであっさり一回で攻略できるとは思ってなかったからな。一気に終わらせちまおう」
「別に構わないけど、今まで未踏破ダンジョンだったんでしょ?いいの?こんなあっさり」
「結局のところ前半の強制ダメージがしんどいってだけでしたね。それ以外は普通だしさっさと終わらせるのに賛成です」
「だから、その強制ダメージが普通はしんどいってのにな。まあ攻略はちゃんとできるし〔蜘蛛の糸〕って言う素材に関しても情報があった訳だし、そこは収穫ありってことでいいんじゃ無いか?」
と言う事なので、各々回復からの補助術を使用、そしてボス部屋に突入。観音開きの大扉を開ければ、蜘蛛ダンジョンのラストに相応しいデカイ蜘蛛。
紫と黒の模様が如何にも毒々しい、部屋中に紫の糸が張り巡らされHPMPに強制ダメージが発生。
前衛を徐晃さん、後列にバルムンク君と自分が控え、紫の大蜘蛛に対峙する。
MPダメージはともかくHPダメージに関しては自分がマメに回復せねばならない。拘束と回復が自分の仕事。
それだけを意識するようにすれば不思議とクリアに相手の動きが分り、そこまで緊張せずにやれそうだ。




