80.無限湧き
「でも、強制HPダメージゾーンて術しかダメージ与えられない魔物出るけど、どうするの?」
「無限湧きは全部倒せる訳じゃないから走り抜けることが可能だ。だがそれだけでは足りないだろう」
「MPポーションで最低限回復して、補助術をかけて行きますか?」
「それがいいだろうな。HPの回復は手段があるんだからポーションのクールタイムをMP回復のみに使えば、継戦可能な筈だ」
そして、三人でMPポーションを手に持ち次の部屋に入るなり、ぐいっと!
徐晃さんが盾で敵を防ぎ、自分が拘束で時間を稼ぐ。
無限湧きと聞いたが、わらわら密集してるわけじゃないらしい、数は5体。一匹倒すと壁にある卵?から一匹飛び出してくる。
部屋って割りにどちらかと言うと回廊っぽい縦長の直線部屋。
バルムンク君の<与術>を三人にかけた所で、一気に突っ切る。
強引に殴り、道をあけ、隙間を抜け、次の部屋へ。
次の部屋は青蜘蛛ゾーン。
目に付いた青蜘蛛を速攻拘束、その間に二人が他の蜘蛛を相手してくれるので、
「キュア!」
〔濃縮治療液〕をかかげて、液が消えるのを待つ。
通常の〔治療液〕より量が多く、消えるのにちょっと時間がかかるが・・・、
液が全部消えた瞬間に3人同時に回復!よし進もう!
「おいおい、なんだそれ!今同時に回復しただろう?」
「したけど?」
「したけど?じゃないんですよ!範囲回復ですか?パーティ回復ですか?なんにせよそんなの初めて見ましたよ!」
「俺も初めてだ。なんじゃそりゃ!」
「〔濃縮治療液〕だけど?」
「だ~か~ら~!だけど?じゃないんだよ!」
「なんにせよ早くこの部屋抜けようよ」
「ちっ!行くぞ!」
三人で強引にその部屋も抜ける。青蜘蛛赤蜘蛛は部屋は交互だ。リズムが出来ればそう難しくも無い。
出てくる魔物は増えるし種類もまちまちだが、全部倒す必要は無いのでどんどん進んでいけば、何にも無い部屋。
「あれ?終わっちゃった?」
「みたいだな。普通はここまで来る前に消耗しちまうんで、俺も初めての部屋だ」
「あの同時回復のおかげでかなり一部屋の滞在時間を減らせましたもんね」
「回復さえ出来れば、そんなに難しいダンジョンでも無いみたいだね」
「だから、その回復が難しいんだっての・・・普通は」
「まあ、MPが無ければ<法術>の回復が出来ないですもんね。ポーションのクールタイムあけるまで時間稼いで、それでもポーション一本分のMPで回復できる量は限られてる・・・」
「そう言うことだな。いくら防御力を高めた所で、強制HPダメージがあるからな。どう足掻いても削られる。しかも強制HPダメージは総HPから強制的に1%づつだから、HPがいくら多くても無理」
「回復できれば問題ないじゃん」
「うん、話が堂々巡りだから一回ここまでにしよう」
「ご飯食べる?」
「・・・そうだな空腹度と渇水度がなくなると困るし、こまめな食事は大事だな」
本当に何も無い部屋で食事タイム。自分は焼きおにぎりにモコのスープ。
徐晃さんは弁当!って感じの幕の内弁当と味噌汁。
バルムンク君はサンドイッチと水かな?
「味噌汁とかあるんですね~」
「ああ、味噌、醤油はあるぞ。街によって色々手に入る物が違うから色んな街を巡るだけでも結構楽しめるよな」
「へ~」
三人でもそもそ食事を済ませ、次どうするか相談。って言っても進む気満々なんだけどさ。
「まあ、お茶でも飲んでMP回復しながら話し合おうよ」
「ああ、そうだな。思った以上に余裕を持って三人揃って抜けられたからな」
「というか、次の扉が両開きで少し大きめなのが気になるんですよ」
「ボス部屋じゃない?」
「あっさり言うけど、そうだろうな。どんな蜘蛛が出てくるのか、なんなら赤と青同時だろうな」
「HPとMPを同時に削られながらボス戦かぞっとしないね」
「そうなるとそれこそ回復出来なくなるから、一気に行かないと無理そうですね」
「強制HPダメージでやっぱり『キュア』ってのは阻害されるのか?」
「え?ダメージで<手当て>は失敗するって聞いてるけど?」
「毒は直してたじゃないか?<手当て>は使い辛過ぎて情報が少ないんだが、まさかとは思うが継続ダメージは別に妨害されないとか無いよな?」
「そういえば、確かに毒は直せたね。攻撃さえくらわなければ<手当て>って使えるんだ!あれ?でも皆はどうやって毒直してるの?」
「<法術>だなそりゃ。毒消しポーションもあるにはあるが、HPMPSP回復に使いたいもんな」
「<法術>に頼りすぎだよね・・・そう言えば軟膏も解除されないや」
「つまりダメージで解除されるのって、包帯だけってことですか?」
「そうだね。攻撃とかで妨害されない限りは発動までは出来るから、皆ごっちゃになってるのかもね」
「確かに説明ではダメージで解除だが、攻撃妨害は術も同じだからな。その上で包帯はダメージの無い状態でしか使えないと」
「まあ、安いから仕方ないよね」
「正直な所座った方が早いってのもありますよね」
「そうだな、状態異常使う魔物自体序盤は少ないし<手当て>の出番が少なすぎるのが問題か」
「まあ、それなら次の部屋で強制ダメージ下でも『キュア』使えるか試してみよう」




