79.赤蜘蛛青蜘蛛ダンジョン
ログイン時間を合わせて馬車で移動、目指すは羊の街。
いつぞやお世話になった初心者の街の次の難易度の街、つまりは今の自分達からすれば大した事無い筈なんだけど、
その街の近くに妙に難易度の高いダンジョンが存在するって言うので、三人で攻略する事になった。
久しぶりに馬車に揺られると眠くなってくる・・・。
気がついた時には羊の街だった。
「ゲームの中で寝るなんて器用なことするやつだな」
「確かに初めて見ましたよ。下手に寝るとゲームの方から強制ログアウトくらうって聞いたんですけど」
「え?そうなの?まだ強制ログアウトにはなったこと無いな~」
「じゃあ、どうやって寝てるんだ?それ?」
「分かんないけど、うつらうつらしてるだけ」
「疲れてるんじゃないですか?ちゃんと睡眠とった方がいいですよ」
そんな話をしつつ羊の街の抜け、野性羊ゾーンから鹿ゾーン、そして丘にある大穴。
「この奥だぞ」
そう言いながら大穴を下っていく徐晃さん。急坂に見えるがゆっくり降りれば、なんとかなる微妙な斜度。
ああ、ここからダンジョンだなって、何となく空気が変わる場所で一旦立ち尽くし、ダンジョン奥を眺めるが何も見えない。
一歩入り込み、周囲が一瞬暗くなったと感じたが、すぐに目が慣れ何となく圧迫感を感じる土壁。
「今のところ、HPもMPも変動が無いですね」
「そうだな、次の部屋からだ」
「なんか、蜘蛛の巣がいっぱい張ってるね」
「え?そうですか?」
「よく分かったな。このダンジョンは蜘蛛の巣になってるんだ。HPドレインの赤蜘蛛、MPドレインの青蜘蛛って感じだな」
「へ~。蜘蛛が棲んでるのか~」
一先ずかけられるだけのバフを自分にかけ、ダンジョンを進む。
最初に出てきたのは黒と灰色の蜘蛛。
「こいつはプレーンな蜘蛛だが、糸に巻きつかれると動きが遅くなるから気をつけろよ」
そう言うが早いか、襲い掛かる徐晃さん。
火のエフェクトをかけて攻撃を始めるバルムンク君。
ゾーン的にそこまで強い敵が出てこないこの場所では二人で一瞬で倒してしまって出番が無い。
この大穴風ダンジョンはあまり分岐が無い。小部屋で宝物を漁ったりとか、そういうタイプのダンジョンじゃないらしい。
出てくるプレーン蜘蛛を倒して手に入るのは、〔蜘蛛の甲殻〕〔蜘蛛の牙〕〔蜘蛛の糸〕とまあこんな所。
そして、部屋の外からも分かる赤い糸の張り巡らされた部屋に到着。
「ここからですか」
「ここからなんだよな。取り合えず次の赤蜘蛛はHPがどんどん回復するから一気呵成にやるぞ」
「アレですか?術攻撃しかダメージが入らない魔物」
「それはもう少し先だ。行くぞ」
三人で一気に部屋に入り、出てきた赤蜘蛛をボコボコにする。何もさせずに倒すとはこの事だろう。
そのまま部屋を突っ切り次の部屋へ、そこは青い部屋。
「青蜘蛛は術を使ってくるから、攻撃の手を止めずに術の発動を失敗させるぞ!」
うん、やっぱりボコボコにする。
そして次の部屋へ・・・、
赤蜘蛛と妙に金属っぽい体の蜘蛛・・・。
「何か機械っぽいな、何かメタリックな感じが・・・」
「おい!いいから行くぞ!あいつが術しか効かない相手だ!」
回復する赤蜘蛛は一旦無視して、金属蜘蛛から倒す。バルムンク君の補助と飛ぶ斬撃、自分は相手が避けないように拘束。
徐晃さんは攻撃しながら何気に赤蜘蛛を防いでくれてる。さすが上級者!視野が広い!
赤蜘蛛を倒して次の部屋に行く頃にはHPが半分になっていた。
HPがかなり高い筈の徐晃さんまで半分てどういう事なんだろう?
そんな事を思っている内に青蜘蛛と左右不揃いでなんかグロテスクな蜘蛛。
「何か妖虫みたい、グロイ感じが・・・」
「いいからやるぞ!次は物理しか効かんぞ!」
言うが早いか攻撃を仕掛ける徐晃さんに続き、
自分は青蜘蛛が術使いのはずなので、青蜘蛛担当を任される。
拘束優先でとにかく相手の攻撃を邪魔しつつ、ちょっとづつ攻撃してダメージを蓄積させる。
『ネックハング』『バインドウイップ』『ハードヒット』もうちょい妨害系のテクニックが欲しいな~。
そして、飛んでくる青蜘蛛の術は何か水っぽい。
ダメージは大した事が無いが、自分のHPバーの横に何か新たにマークがくっついた。
「おい!それは毒だぞ!早く直せ!」
早くって言っても自分は<治療>で回復なので、何するにしても一定時間かかってしまう。
どうしようか迷い、一瞬動きが止まった所にもう一発くらってしまった。
しかし、グロイ方の蜘蛛を倒し終わった徐晃さんとバルムンク君が青蜘蛛の相手をしてくれるので、
<手当て>の頃に作っておいた〔解毒薬〕で毒状態を治す。
そして、ついでなので〔中和剤〕も使用し、毒をくらわないようにしておく。
強制MPダメージは続いているが、一旦休憩。
MPが空になっても仕方ないと思い切って、全員のHPを『キュア』で回復していく。
「MP0になってここからが正念場ですね」
「そうだな。俺達上級プレイヤーパーティもここで座って、一旦HPを全回復してから進むんだが、問題はこの先だな」
「う~ん、座って回復できるなら問題無さそうだけど?」
「次からは無限湧きってやつだ。突っ切るしかない」
無限湧き???




