77.<心術>の真実
もっさい男三人旅は順調そのもの、これと言って苦戦する事も無くのんびり進む。
気がついた時には山だった。
<投擲>もだいぶレベルが上がり、玉関連も投げられる様になったので試しに作ってみた〔閃光玉〕を投げてみたら、
三人とも目をやられ混乱が起きたが、魔物も目が見えなくなったので結局イーヴンで終わったりと中々波乱万丈。
そして辿り着く山中に一軒の家。
「お久しぶりです!お邪魔します!」
と玄関で声を掛ければ小さい女の子が奥から出てきたが、自分はちゃんと学習してる。
この子はドワーフなので、元々小さい体の成人女性だと!
「久しぶりじゃないのさ!元気にやってる?」
「それはもう、元気ですけどたまには顔出すように言われたので」
「偉い偉い!上がってきな!」
三人でぞろぞろついていきダイニングに椅子をすすめられる。
「それで、そろそろ新しい術教えてもらえますかね」
「いいよ!十分使い込んでるみたいだし、教えてあげちゃう!本当はいくつか選べるんだけど、あんたは『サイキックシフト』ね!」
「え?何で自分は選べないんですか?」
「え?気がついてないの?」
「なにを???」
「アンタほとんど<心術>効果出てないでしょ?」
「???」
外に出るたびに毎回必ず使って戦って、防御力的にも攻撃力的にも必須だと思ってたのに・・・、
だから情弱御用達術って言われてたのか!
「でも、次の術でちゃんと効果が出るから大丈夫だよ」
「最初から効果出ないと言ってくれればいいのに・・・術を売りつける為の詐欺だったんじゃ」
「違うよ!アンタいくつ術耐性つけてるのさ!ステータスの心を高めるだけならそこまで大きく阻害されないの!装備で術耐性まで上げちゃうから効果が減るの!<心術>だって術なんだからね!」
「あっそうなの?でもステータスの心を育てたら、その分術耐性効果の高い装備しちゃうんじゃないの?何かローブとかそういう物だって聞いた気が・・・」
「ドッキーン!そそそそれは~そうだけど~だから軽装の近接職向きの術なんじゃ~ん。でもそれを見越して次の術があるんだから大丈夫!!」
「本当かな~」
「本当だよ!『サイキックシフト』は術防御を物理防御に変化させるの」
「え?意味分かんない」
「だ~か~ら~、術に対する防御力を0にして、その分の防御力を全部物理防御に乗せることが出来るの!」
「つまり、術をくらったら全部通しちゃうと」
「まあ、そうだけど。しょうがないじゃん。寧ろ術を使う相手には術防御のままにしておいて、物理が強い相手の時はシフトすればいいんだから、超便利じゃん」
「確かに超便利だ」
「しかもだよ!効果がほとんど出なくなっちゃった『サイキックアーム』の効果も100%発揮できるから攻撃力もがつんと上がっちゃうよ!」
「ふえ~そりゃあ凄い!」
「なぁ、でも結局普段は効果出てないんじゃないか?」
「こら~!しーーー!」
「あっ・・・」
「いや、あのさ、そこは使い手によって代わるって言うかね。アンタの場合はステータスの心と一緒に術耐性も上げちゃうんだから仕方ないんだよ。普段は効果がほとんど無いけど、シフトした瞬間爆発力が上がるって言う浪漫・・・そう!浪漫なんだよ<心術>は!」
「そっかー浪漫かー。そりゃ皆騙されたと思っちゃうよな~」
「まあ、待って!分かったから、全部洗いざらい教えちゃうから!」
「え?他にも何か隠してたの?」
「そうじゃないけどさ。なんで私がこんな辺鄙な所で術開発なんかしてると思う?」
「術の開発が危険だから?」
「それも無くは無い!でも所詮はヒトの力で出来ることなんて限られてるんだから、そこまで大事故は起きないよ」
「じゃあ、なんで?」
「いや~私もさまだ確信の無い事だから、あまり他人には言わないんだけど、魔って何?」
「なんか、術の出力のステータス?」
「でも、魔物とか妖魔とか言うじゃん!もうさ気になって気になって・・・気がついたらここで<心術>開発してたの」
「え?どういう・・・?」
「何言ってるんだ?」
「なるほどな~。でも妖魔は悪いヒト達じゃ無いし、魔物も要は強い動物だから、悪い物じゃないんだろうけど」
「それは私も分かってるよ!でもさ心は分かるじゃん!自分の内側のエネルギーだよ。だからこっちを使う方が健康的じゃん!」
「でも、心を削っちゃったら不健康じゃん」
「削ってないよ!削られてる?」
「いや、全然平常」
「でしょう?だからさ心を使って<法術>みたいな事が出来ないかな?って思って研究してるの」
「あっ!手本は<法術>なんだ!」
「そうだよ?<法術>は魔法術なんだから、魔を使う方法なの。だから魔でどんな事ができるのかな~って言う研究の結果だから汎用的に色々出来るの」
「ああ、回復の為の術じゃなかったんだ」
「傷の再生も出来るよね。<心術>も自分の肉体だけなら再生できる術はあるけどそれはもうちょっと先ね。今回は『サイキックシフト』30000ゴールドだよ!」
「相変わらず、中々のお値段」
「それについてはアタシの生活もあるからね~」
「了解払います!」




