74.法術とか
「しかし、何だ。罠はずしかと思ったら、何やら分解するんじゃなくてコントロールを奪ってるみたいだし、変わってるな」
「え?困った時は勧められるままに取得してるから、変なのかな?」
「ああ、そもそも<解除>なんて使う奴が少ないし<字術>も久しぶりに見たな。鞭もそのまま使ってるのは稀だし、そもそも服装備で生産職じゃない、回復はバンテージ・・・なんか初期の頃の失敗情報収集組みたいだな」
「失敗・・・」
「別にどんなスキルビルドするのも好き好きだし、最悪スキルを消す方法もあるから、気にしなくていいぞ、色々試せばいいんだし」
「え?スキルって消す方法あるんですか?」
「課金アイテムだがな。普通はちゃんと攻略を調べて自分なりの方向性を決めてから、スキル取得するんだけどな。もったいないし」
「そうなんだ。一応必要に応じて取得してるつもりなんだけどな~」
「まあ、なんだ・・・<法術>一つ持っておけば、事足りるからな」
「ああ、何かよく聞く術だ」
「やっぱり取得してなかったか、一応攻略見れば分かる事だが教えておくが<法術>持っておけばこのゲームの難易度が下がるって言われるくらい重要な術だぞ。有名なのは回復だろ、攻撃もあるし、鍵開け、罠はずし、現在地確認、後は攻撃力や防御力補助もある。迷ったらステータスの魔と<法術>があるだけで、かなり楽になるぞ」
「そうだったんですか・・・自分は力と魔と最低限の技に振ってるから<法術>いくらか使えるかもしれないです」
「それなら、寧ろ必須だ。剣に魔の分だけ攻撃力加算できるからな。明らかに攻撃力が変わるぞ。ただし自分の術耐性分は引かれるが」
「自分は魔は振ってないから、意味無いや」
「俺も魔には振ってないが、鍵開けや罠はずしは魔関係無しに使えるから<法術>は持ってるぞ」
「ちょっと待った!何でも強制で外せちゃうの?」
「ああ、一回に一個だが外せる筈だ。そもそも探索系自体が趣味ビルドって言われてる。ダンジョンってのはあまり稼ぎが良くないし、普通のフィールドなら<察知>系のスキルを取って罠を避けて歩けばいいし、<法術>にも代用できる術がやっぱりある」
「ああ、隠れてる敵を事前に発見したりするのは自分も<字術>のパース使ったりしますけど、ダンジョンて稼ぎが良くないんですか?」
「ん~微妙な所なんだが、生産職に売れる素材が出るダンジョンならいくらか需要もあるな。宝箱の装備品やアイテム類はそのレベル帯の無難な物が手に入るから、捌きやすくはある。でもダンジョンなのに一発当てる様なお宝が無いのが、玉に瑕というか、ロマンが無いというか」
「なるほど、折角一つのダンジョンに長時間を裂くのに、大きな報酬が無いから人気が無いと」
「そう言うこと、それなら普通のフィールドでパーティ狩りして、需要のある素材を集めても変わらん」
「アクセサリーとか結構当たりも入ってますけどね」
「まあな、序盤は当たりも多いんだが、後半はプレイヤーメイドの物の方があからさまに性能がいいんだ。生産職保護の為なんだろうが、探索職が戦闘職に移行するのも分かるだろ?」
なるほどな~流石上級者だけあっていろいろ知ってるんだな。
まあ、自分は遺跡を探索したいので、別に稼ぎとかそういう問題じゃ無いので関係ない。
そうしてカマキリもあっさり倒しきり、木のゾーンへ。
木が現れるなり、間合いを詰めて斧で切りかかるタンクさん。
「こいつは生命力は高いが金属武器でガンガンいけば、倒せるから。どんどん行くぞ」
という事なので、三人で囲むようにしてさっさと削りきる。
余計なテクニックを使わず、ひたすらスピードに任せて剣鉈で斬ってただけなので、気楽なもんだ。
「前は中途半端に距離を取ろうとしたのが失敗だったんですかね」
「そうだろうな。金属武器の直接攻撃か、火の術なら結構ダメージはある筈なんだがな」
自分は前回鞭で叩いてたから、いまいちだったんだな~。バルムンク君が突っ込んでから結構ダメージ入った気がするもんな。
その後も木が出る度一気呵成に倒す。バッタが出てきた時は自分が拘束で時間稼ぎ。
「上級者が居るとサクサク進めて助かるね」
「いや、何だかんだ二人共戦力になってるし、木との戦い方を知らなかっただけだろう」
そんな事を話してるうちに、隠し扉?草の壁の向こう側に通路があるのを発見した。
「ここ、隠し扉みたい」
「ああ、そこは何にも無いぞ。でもちょっと休憩していくか、それこそ魔物すらいないからな」
そして、強引に草壁に突っ込むと向こう側に出る。
石積みの壁の跡が残ってる。
少し進めば目の前が開けて中央に池のある空間、そこを囲むように途切れ途切れに石壁。
なんかの遺跡なのかな~?
「本当に何も無いですね」
いや、あるじゃん。池の中央に蔦に巻かれた何かの彫像。
池に渡り石があるので、そこを渡り左手の人差し指と中指をそろえて、その彫像に触れてみると、
右向きの三角と左向きの三角が微妙にずれて並んだ文字が浮き上がる。
触れれば、吸収され、読み方が分かった。ジェラって言うのか。
ふむ・・・<採取>量や宝箱の中身が少し良くなるって!そりゃいいな!
「おい・・・なんだそりゃ」
「え?なんか<字術>の遺跡だったみたい。ジェラだってさ」
「そうなのか、まさかこんな所で<字術>が普通に手に入るのか。誰だ?<字術>を解放するのが面倒とかエグイって言ってたの・・・」
「そんな風に言われてたんだ?解放した分だけ乗算で補正がかかるし、魔が関係ないから使いやすいのに」
「そうなのか、この情報は攻略に載せてもいいのか?」
「別にさっきから色々聞いてるし、自分は何も問題ないけど」
「そっか・・・俺の名前は徐晃、三国志の大斧使いの名前をそのまま使ってる」
「自分はS.S.」
「自分はバルムンクです」
「バルムンクって!お前パーティメンバーが心配してたぞ。力不足を気にしてるのかって」
「いや、なんか女性パーティで周りからいじられたのを気にしてるみたいですよ」
「S.S.さん!!!」
「はは!そうだったのか!安心しろ俺のところも何故か女ばっかりで、小うるさくてな。俺もパーティ内じゃいつも、とっつぁんて呼ばれて絡まれて困ってるわ」
「何だ似た環境の人も普通にいるんじゃん。気にしなくてもいいと思うよ」
「そうなんですかね?」




