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L.L.~迷宮人生~  作者: 雨薫うろち
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68.出会い魔法剣士

 「もう、駄目かもしれない。万力鎖諦めようかな・・・」


 ぼそっと呟くと、周囲に霧が満ちる。


 「なんででござるか!この前納得したばかりでござる!」


 「え?なんで?監視してたの?」


 「そんな事はしないでござるが、都合の悪い事は聞こえる地獄耳でござる!何か不都合があったらなんでも聞くがいいでござる!」


 「どんな地獄耳・・・いや、なんか<投げる>の飛距離が全然伸びないの、ステータスの力が足りないからかと思って」


 「その通りでござる。本当はその辺りも試行錯誤して欲しいでござるが、万力鎖を諦めるくらいなら、大サービスでござる」


 そう言って、渡されるなんか真ん中だけ幅広の紐。


 「何ですかこれ?」


 「知らないでござる?スリングと言って投石に使う道具でござる。その真ん中の幅の広い所に投げたい物を挟んで、紐を二つ折りにして、遠心力で投げるでござる。アンダースローでもオーバースローでも好きなフォームで使ってみるといいでござる」


 物は試しと、小石を挟んで<投げる>と飛ぶわ飛ぶわ森の中の木の間を抜けて、凄い飛ぶ。


 「でもこれ当てるの難しくない?」


 「ステータスの技が高ければ、命中精度が上がるでござる。<道具作成>で作れる玉もこれで投げられるから先制攻撃で相手の視界を奪ったりするのにも役立つって寸法にござる」


 は~、なるほど技だけで、飛距離を保てるなら有りだな。重いものとか飛ばすには力もいるんだろうけど、補助道具っぽい玉とか飛ばすぶんには有りだな。


 「じゃあ、これ買います!」


 「それは拙者のお古なので、サービスでござる。普段は手首に巻いて投げる時は片側だけ開放して、投げたい物を挟むでござる。因みに万力鎖も短く持てば、スリングの代わりに出来るゆえ、万力鎖を使う手で、使い慣れておくといいでござる」


 そう言いながら、霧は晴れ、一緒に忍びも消えていった。


 なんともサービスのいい師匠である。<万力鎖>を覚えるまでは師匠じゃないのかな?まあいいや。


 毒餌でおびき寄せた獣が、毒を食べはじめて止まる瞬間を狙って、投石。


 毒と石で苦しんでる所に<戦闘鞭>で一方的に叩く。


 防御力が低い自分には遠間からの一方的な攻撃が助かる。でもダンジョンとか狭い空間になったらどうするかな?


 まあ、その辺はおいおいでいいか!


 そうして、<投げる>を育てながら森散策。草っぽい敵は剣鉈がよく効く上、毒餌も食べないので、思い切って近づくか、最初から遠回りして戦わない。


 そんな折、たまたま両側に大きな木々の生える一本道、


 まるで神社の山道の様な雰囲気に、定時退社だけじゃなく、もし休みも貰えるようなら旅行でもしてみようかななんて考えていたら、


 目の前を一人の男性が歩いている。


 一本道なのでしょうがないのだが、何か後をつけている様で申し訳ない。


 まあ、男性なので怒られたりはしないだろうが、夜道で女性と同じ道になったり、電車で女性が近くにいる時は行動に注意するのが大人の社会人のマナーだ。


 こちらに何の気が無くとも相手を怖がらせたり、不審に思われるような行動は慎まなくてはならない。


 それが余計なトラブルに巻き込まれないようにする為の自己防衛。


 そんな折、男性がなんか罠に近づいている。


 自分の距離では何の罠かまで分からないのだが、どうやら気がついていないようだ。


 一瞬声をかけるか逡巡したときには、男性の足に草の蔓が巻きつき、身動きが取れなくなっている。


 誰かの仕掛けたくくり罠かと思ったら、木陰から植物の魔物が顔を出して、男性を攻撃し始めた。


 なんか他人が戦ってる魔物に手を出しちゃいけないと、言われた事がある気がするが、男性はパニックになってるし、行っちゃうか。


 謝れば、別にそこまで怒られないだろう。


 そう決めて走って近づき、剣鉈で斬りつけると、御多分に漏れず剣鉈の攻撃で怯む植物魔物。


 男性が罠から脱した所で、二人で斬りまくれば、あっという間に倒せた。


 「何か横から手を出して申し訳ないです」


 「いえ、こちらこそ、ちょっと驚いてしまって、どうしたらいいか分からなかったので助かりました」


 なにか言いたげだが、妙に顔を背けるし、事情のある人なのかな?


 「この辺りは罠もたまに有るみたいだし、なにか見破るようなスキルは持ってらっしゃらないんですか?」


 「え?ええ・・・戦うのに必要なスキルばかりで、そういうの後回しにしてしまって」


 ん~そんな状態で、こんな所を歩くという事はよっぽど深い事情が有ると見た!こういう時は、


 「ああ、なるほど、じゃあお気をつけて」


 そう言って、さっさと立ち去ろう。


 「あ、あの待ってください!もしかして自分の事・・・」


 「???あ!!」


 「え?!やっぱり」


 何か怯んだ男性だが、思い出した。


 「この前バザーでココの服買ってくれた人ですよね。先日はどうも!」


 よく見たら、男性が一番外に着ているロングコート?はココが作っていたものだ。


 「え?あ、そっち?そう言えば、あの時これ勧めてくれた人ですね。これのおかげでパーティに入れまして、助かりました・・・でも・・・」


 ん~やっぱり訳ありか?でもココのお客さんて事だし、少し話を聞くか。


 「まあ、無理にとは言わないですけど、他人に話せることなら聞きますよ。何が言えるわけでも無いですけど」


 「え・・・、じゃぁ相談しても?」


 「じゃあ、どこか焚き火のある所に行きましょう。焚き火のあるところが安全って聞いてるので」


 「それなら、少し先にある筈ですよ」


 二人で大きな木の生える一本道を抜ける。


 男性は魔法剣士、剣に火とかを纏わせて戦う。自分と違って攻撃力が高い!


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― 新着の感想 ―
[一言] おぉ、迷える属性剣士君が現れた(//∇//)
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