67.出かけたいんだけども!
「行ってらっしゃい!無理しないで下さいね。フィールドでは焚き火があるところだと魔物が近寄ってこないですから、十分に休憩入れてください」
「O.K.!ありがとう。のんびり頑張ってくるよ」
そう言って、フィールドに踏み出す。
<地図>を使えば、今まで通った道が分かる。
ほとんど埋まってない地図に細い線がグネッてるのが、馬車が通っていた道だろう。
この道の内側なら、まず初級者ゾーン内だろうから、好きに歩いていい筈!
まあ、一応パースを使って隠れてる魔物なんかは見つけて行くけどね。
適宜<診断>も使って、様子を確認。
<治療>に変わっちゃったけど、丸を作って覗けばちゃんと見えるので、問題なし!
西が平原及び丘、中央が森、東が山。大凡の地形はこれ。
今いるのは、山と丘に挟まれた谷。そこに霧がたまるので、もしかしたら、霧の街の先の町の先にも谷が続いてるのかもしれない。
森をのんびり通って、山方面に抜けて、久しぶりに<心術>のドワーフに会いに行くって感じにしようかな。
森方面に抜けると、虫が隠れてる。保護色のようになっているが、自分には明らか。
虫って何食べるのかな?樹液?
試しに芋と野菜屑を混ぜた毒団子を仕掛けると、芋虫が出てきて、食べ始めた。
容赦なく鞭でぶん殴ると、大して抵抗もせずに転がる。
そして<採集>すれば〔芋虫の絹〕〔芋虫の体液〕が手に入った。
これが絹の正体か~と、さらに森の奥に入ろうとしたところで、霧がかかり始める。
まあ、自分的には霧は別に危険でもなんでもない。寧ろ妖獣が何でるかだけ気にして置けばいい。
現れたのは逆さ吊りの忍者。
速攻逃げようとすると、
「待つでござる!前回は急に鎖巻きつけて悪かったでござる」
なんかちゃんと謝ってきたので、一応話を聞くか?
「はぁ、自分に何か用ですか?」
「前回も言ったでござるが、拙者の弟子になって鎖鎌を覚えてみないでござる?」
「前回も言いましたけど、自分は片手武器の方が都合がいいので、あと<剣鉈>は<生存能>にしちゃいましたよ?」
「そうだったでござるか!それでは<鎖鎌>は合わぬな・・・もしその気があるなら<投げる>を覚えてみないでござるか?」
「<投げる>ですか?あまり物を投げるのは好きじゃないんですが」
「使えるスキルでござるよ。はじめは小石のような物しか投げられぬが、ある程度上げれば、<道具作成>で作れる玉が投げられるように、そしてその上の<投擲>なら武器や重量物も投げられるでござる」
「ああ~玉投げられるのか。便利そうで、いいな~とは思ってたけど」
「さらにでござる。拙者の弟子となれば<投擲>と<戦闘鞭>を合成して<万力鎖>を使える様になるでござる」
「<万力鎖>?」
「そうでござる。小型で携帯に優れ、分銅ダメージでBLUNT系ダメージが高く、さらにBINDも高く敵を拘束、武器を使う物が相手なら武器を巻き取る事も可能」
「<戦闘鞭>みたいに斬るのは苦手なんじゃない?」
「なんで、ばれたでござる!でも<剣鉈>がSLASHの値が高い筈でござる。高い拘束力で動けない相手を<剣鉈>で切り刻むスタイルも悪くないでござる」
「ん~<戦闘鞭>を越えるメリットを感じられない」
「仕方ない、取って置きを教えるでござる。万力鎖は短い物を道具として作ることが出来るでござる。つまり投擲拘束具としても使用可能でござる。つまり拘束した相手に玉を投げて追加ダメージを与えるような使い方も出来るでござる」
「分かった!そこまで熱心に説明されたら仕方ない!街に戻って<投げる>取得してくるわ」
「良かったでござる。また<投擲>を習熟した頃に現れるでござる」
そう言うが早いか、霧と共に消えた忍者。
街に戻りスキル屋さんで、<投げる>を買い。セット。
道々そこらに落ちている小石を拾いながら、森に入って行く。
毒餌で呼び寄せた魔物を蔓罠で拘束。小石を投げて地道に<投げる>のスキルを上げながら森をちまちまと探索し始める。
もっと、爽快に冒険を始めるつもりだったが、結局冒険とは地味な物だ。
慎重に不安を消すように着実に一歩づつ進み、見知らぬ魔物は<診断>から効くデバフを確認。
森は虫と植物が多いようだが、虫は鞭で叩いた方がダメージの効率が良さそう。
そして時々罠を見つける。
罠と言っても、草の蔓とかが足に引っかかりそうになってるだけなので、避けて通るだけだ。
<罠操作>しようにもただの結んだ蔓草をどう操れと・・・。
後は玉だな。前に図書館で確認はしておいたけど、今のところストックは無い。
一応胡桃みたいな実の中身を抜いて、そこに詰め物をする事で作れる。
実はどこにでも落ちてるから、後は中身だな。虫とか道々拾って作成していきますかね~。




