表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
L.L.~迷宮人生~  作者: 雨薫うろち
73/200

65.病魔退治

 「「「「お邪魔します」」」」


 最近すっかりお馴染みの4人、自分、ココ、モコ、リンちゃんで、女の子の家に上がる。


 お母さんはいつも通りニコニコで、台所で何かやっている。


 遠目に見ると、包丁を研いでるようだ。料理でもするのだろうか?


 「やぁ、体を直す薬を持って来たよ」


 「本当に?お医者さんでも治せないのに?」


 「自分は<治療>スキルを持ってるから治せると思うよ。薬もお医者さんに作ってもらったし」


 「そうなの?私も皆と遊べるようになる?」


 「多分ね。病気が治って元気になったら遊べるんじゃないかな?」


 「じゃあ、お願い」


 「うん、じゃあ『キュア』」


 〔抗生物質〕を手に持ち掲げ、液が徐々に減るのを見つめる。


 「えっと・・・、S.S.さん?どういう状態ですか?」


 「この液が全部なくなると薬が使用されるからちょっと待ってね」


 そして、全部液がなくなると手元の空き瓶も消えて、女の子の周りに泡のようなエフェクトが広がる。


 全身から黒い煙のような物が抜け女の子の上に集まり、


 大き目のぬいぐるみにレインコートを着せたようなシルエットになったところで、


 「キッキッキ・・・」


 『ハードヒット』からの連続攻撃。


 「え?S.S.さん何やってるんですか?」


 「いや、魔物が出たから殴ったんだけど」


 病魔と思われる魔物が寝室の床に落っこちた。


 「えっと・・・私治ったの?」


 「多分ね、こいつが原因だと思うよ」


 そこにかなり焦ったような足音が、ばたばたと階段を上がってきて、乱暴に扉を開ける。


 「あんた達!何したの!」


 「落ち着いて!病気治しただけだから」とモコ


 「なんで、そんな勝手な事!」


 「ケッケッケ!甘いぞ・・・ギャー!!!」


 「きゃーーー!!!」


 モコがお母さんを相手してるうちに病魔を<採集>しちゃおうと思ったら、


 生き返ってしゃべった所に、剣鉈を刺してしまった。


 「ちょっとS.S.さん、少しは話を聞きましょうよ」


 剣鉈を刺しっぱなしにしていたら手元に杖とローブと指輪が残った。


 「無理みたい。杖とローブと指輪になっちゃった」


 「ママ!」


 娘さんが叫び声を上げて倒れた母親に駆け寄る。


 そこに先程より重量感のある足音が二階に上がってくる音がして、部屋に入って来たのは小太りだが優しげな白衣の男。


 「くっ、やはりこうなってしまったか」


 「あんた、全て知っていたな?」


 自分の追及に目をそらす白衣の男をさらに畳み掛ける。


 「病魔はこの母親の仕業だな」


 「・・・そうだ。旦那を失い、女手一つで子供を育てるプレッシャーに弱った所を病魔に漬け込まれたのだ。病魔に本当に憑かれていたのは彼女の方さ。だから彼女の心が健康になれば、勝手に病魔も去るものと思ったのだが」


 「それで、娘さんの方は我慢させてたのか?」


 「そう言うわけじゃない。霧の中の町にいる妖医の協力さえ仰げればいつでも直せるとは、思っていたのだが、霧を歩ける冒険者が現れなかったんだ」


 「ふむ、じゃあ〔抗生物質〕が手に入り次第、病魔を倒すつもりだったと」


 「そうだな、そう言う意味では感謝している。強引に倒した事で、彼女もショックを受けたようだが、命に別状も無いようだしな」


 「それで、これからどうするの?」


 「どうするもこうするも、病魔は倒されたんだ。医者はお役ごめんじゃないか?」


 「本当か?このままにして本当にいいのか?」


 「そこまで、お見通しか・・・弱っている相手に漬け込むようで、一歩を踏み出せなかったが、これからは私が彼女を支えるとしよう」


 「それが、いい。支える人がいれば、再び病魔に憑かれる事も無くなるだろう」


 医者が母親とすがりつく娘の横に膝を着き話しかけたところで、自分達は家を後にする。


 「何かうまくいってよかったね~」とモコ


 「何がなんだか分かりませんでした」とりんちゃん


 「カオス過ぎて、意味が分からなかったですけど、一つだけ分かりました。このゲームの運営はS.S.さんと頭の中が似てるんですよきっと」


 ふむ、最近定時退社して、珍しくテレビドラマとか見た甲斐があった。


 何か全然流行ってない昔のドラマの再放送だけど。


 今回のクエストで手に入ったのは〔病魔の杖〕〔病魔のローブ〕〔命の指輪〕だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] クエストが、お昼のメロドラマに(笑) まぁ、幸せになるならいいのでは で、クエストの達成報酬は?? 『私を助けて』の達成報酬は?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ