表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
L.L.~迷宮人生~  作者: 雨薫うろち
71/200

63.怪しい忍者

 霧が広がり、完全に霧に埋没すると鎖は上方に繋がっている。


 鎖の先を追うように視線を動かしていくと、木から逆さまにぶら下がる黒づくめの人物。


 「ふっふっふ、やるでござる。掟を守れぬものは屑でござるが、仲間を見捨てる者はもっと屑でござる。その点お主は仲間を逃がすのを優先していたでござる。見所の塊でござる」


 「語尾が全部ござるなのは何でですか?」


 「それは拙者が忍だからでござる」


 「忍者だからと言って、ござるって言うとは限らないと思うんですけど」


 「いや、忍はござると言うでござる」


 「いや、そうでも無いと思います」


 「いや、言うでござる」


 「いや・・・」


 「分かったでござる。これは拙者の個人的な口癖でござる。それよりもお主、鞭と剣鉈を使ってござるな?ならば拙者の弟子となって、鎖鎌を習うでござる」


 「鎖鎌?」


 「そうでござる。今はばらばらで使っている鞭と剣鉈を一つにして使う事で、攻撃力が増し、さらに武器が一つでいいから、コスパも最高でござる」


 「・・・お断りします」


 「!!!何ででござる?こんなチャンス滅多にないでござる」


 「自分は、薬とかも使うので、両手で使うより、片手づつばらばらで使った方が都合がいいので」


 「いや、薬も使えるでござる。だから鎖鎌を使うでござる」


 「イメージがしっくりしないので、お断りします」


 「イメージって何でござる?鎖鎌の分銅と鎌をうまく使えば攻撃のバリエーションも増えるし、なによりそろそろ師匠に習う時期でござる」


 「それはそうなんですけど、自分は探索者なので、遺跡とか探索するのに鎖鎌は何か違うので」


 「違わないでござる!忍は密偵でござる。実質探索でござる」


 「一文字も合ってないので、自分は特に隠れる事無く堂々と探索するタイプなので」


 「堂々と鎖鎌使ったらいいでござる」


 「お断りします」


 「駄目でござる!逃がさないでござる」


 「じゃあ、逃げます!」


 鎖の拘束が解けると同時に走りだし、木の合間を抜ける。


 「ふっふっふ!無理でござる。この霧に囚われた以上、逃れる事は絶対に無理でござる・・・」


 兎に角走りぬけ、少しづつ霧が薄くなっていき、いつの間にか元の森の中を走っていた。


 方向を確認して、街に向かうと入り口の所で三人が待っていてくれた。


 「大丈夫でしたか?何があったんです?」


 「なんか霧の中に黒づくめの変態がいた。逆さ吊りで『鎖鎌使うでござるー』って」


 「それは紛れも無く変態ですね。まさかゲームの中で変態に会うなんて災難でしたね」


 「いきなり鎖巻きつけてくるし、流石に怖かったけど、逃げれて良かった~」


 「まあ、街に入れば大丈夫ですよ。後は毛皮を届けて薬を作って、病魔を倒すって感じですか」


 「そうだね。どうしようかな。すぐ行くか迷うな」


 「疲れたのなら、今日はここまでにしておいた方がいいんじゃないですか?ゲームは無理しない程度に楽しむ物ですよ」


 「ん~ちょっと物足りないけど、ガッツリやりこむほどじゃない。そんな感じ」


 「なるほど、じゃあ最近僕が作ってる服のコレクションでも見ますか?」


 「あっそれいいな~。見てもいい?」


 「ええ、じゃあ服並べても怒られない場所に行きましょう」


 そう言って、ココとバザーに向かう。


 ちなみにモコとリンちゃんは戦闘に満足したのか、それぞれの生産に戻った。


 「まずですね。前にも言ったとおりこの街では絹が手に入るので、ローブを中心に作ってます」


 「へ~でもデザインが色々だね。上から被るタイプから、前で空くタイプまで」


 「そうなんです。近接戦闘タイプでローブを着る人が稀にいるのでニッチな需要があるんです。なので前開きタイプ。尚且つスタイリッシュな感じで」


 「確かに、風にたなびいてスタイリッシュな雰囲気かも、色も黒系でカッコイイし、くっついてる金具は赤銅?」


 「そうです。力と魔特化の通称魔法剣士って呼ばれる人達が着ますね」


 確かに黒のスタイリッシュロングコートはありだな~指貫手袋と相性が良さそうだし、悪くないな。


 「これ、自分が着たらどうだろう?」

 

 「うーん、悪くは無いですけど、折角のインテリジェンスな感じがちょっとミステリアスよりになっちゃいますね」


 「ミステリアスは格好悪い?」


 「いや、そんな事は無いですけど、遺跡の秘密を探る博士のような雰囲気は無くなりますよ。寧ろ復讐の為に力を求めて遺跡に潜るみたいな・・・ありですね」


 「ん~ちょっと自分はそう言うタイプじゃないかも」


 「ですよね。いずれもっといい素材が見つかったら、白衣も新調しましょう」


 「ねぇ、何でいつも私の店で話しこむのよ」


 「僕の作った服を取り扱ってくれてるので、説明しやすいかと思って」


 「服を広げても邪魔にならない場所と聞いて」


 「まあ、服の解説は宣伝になる筈なんだけど、あんた達の話は性能の部分がすっぽり抜けてて、なにがなんだか・・・」


 「あっお客さんですよ。このローブですか?ココが作ったんですよ。お客さんは黒系で装備を揃えてるから似合うと思いますよ。魔法剣士ですか?ちょうど赤銅でステータスの魔に補正があるから、丁度いいですよ。魔法剣士ってスタイリッシュですね。服もスタイリッシュじゃないと逆にしっくりこないから、デザインは重要ですよ。こっちの手袋とあわせると凄く格好いいですよ。はい、ありがとうございます」


 「なんで、アンタが接客するのよ。売れたからいいけど。まあ、邪魔にならない程度ならいいわ」


 許可を貰ったので、ココの作った服を色々見せてもらってこの日は過ごす。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 性能の話を一切しないのに装備品を売り捌くスーパーサブ(笑) さすが、スーパーサブ(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ