60.罠実技
罠の使い方は簡単。
魔物がいる所に毒餌を置くだけ。
魔物の好物だと寄ってきて、勝手に食べて、苦しむので鞭で叩く。
毒餌を作っても毒餌を食べさせてもサクサクスキルが上がる。
流石100ゴールドの初期スキル、久しぶりの感覚が楽しい。
いくつかレベルが上がり、次に出てきたのが罠種。
なんぞこれ?と思ったので、こういう時はすぐに相談。冒険者事務所に向かう。
「こんにちは!罠種って何ですか?」
「はい、こんにちは。罠種は罠の一種ですが、植物を育てるスキルが無いと製作できませんよ?」
「じゃあ、自分は農家じゃないので使えないですね」
「そうなりますね。ただ使用するだけなら<罠>のスキルがあれば出来ますので、一番基本的な物だけならここでも売ってますよ」
「じゃあ、それ下さい」
「はい、畏まりました。〔蔓草の罠種〕一個50ゴールドです」
「一先ず10個買います!」
そして、取り合えず種を十個買い、出かけようとすると、
「素材の買取は大丈夫ですか?いらない魔物の素材の買取及びクエスト素材を納めていただければ、罠を買う資金になりますよ?」
そうかそうか、忘れてた。罠で狩った魔物の素材を売ってお金に変えてまた罠を作ればいいのか。
いらない素材をお金に変えて、いざ出発。
罠種をセットして、魔物を毒餌でおびき寄せると、魔物が近寄ってきた瞬間、罠種がつる草の様に足に巻きつき、魔物が転ぶ。
放っておくと、毒餌を食べて苦しみ出すので、鞭で叩く。
森で、猿ばかり取っていても仕方ないので、秘密のダンジョンで試したら、
罠種は意味なかった。土のあるところじゃなきゃ意味が無いらしい。
毒餌に関しては、蜥蜴は肉類なら何でも食べるみたいなので、
肉毒団子を作って設置、いつもなら隠れている筈の蜥蜴が出てきて、食いつき苦しんでる所を鞭で叩く。
うん、戦闘が凄く単調になってきたぞ?
しかし、レベルは上がり、毒団子の他にも麻痺団子や眠り団子、混乱団子なんかも作れる。
要は混ぜる毒草の種類を変えるだけなので、お手軽簡単に隠れている魔物をおびき寄せて、いきなり苦しんでる所を一方的に叩く、安全狩り。
魔物の素材を冒険者事務所に持って行くだけでもお金が貯まり、とても助かる。
次に出てきたのが、くくり罠。
そんな複雑な構造の物が作れるのかと思ったので、相談だ。
「こんにちは、くくり罠欲しいんですけど」
「はい、こんにちは、くくり罠は自作できますよ」
「自分はちょっと、そう言う難しい物を作る自信が無くて」
「こちらの〔罠道具〕に紐をセットするだけです。紐の種類によって効果が替わりますので色々試してみて下さい」
「それは簡単だ!紐って言うのはどういう奴ですかね?やっぱり<裁縫>やってる人に編んでもらった方がいいですかね?」
「そうですね、そう言うことも出来ますし<鍛冶>を取ってる方に有刺鉄線を作ってもらってもいいですが、植物の蔓のような物でも作れますよ」
「〔苔花の蔓〕しか持ってないんですけど」
「作成可能です。魔物次第では引きちぎられてしまうかもしれませんが、小型の魔物なら十分でしょう。〔罠道具〕一個1000ゴールドです」
「高い!けど、10個ください」
最近はサクサクとひたすら魔物狩りに勤しんでいるのでお金もまあまあ、あるし何とかなるでしょう。
くくり罠はダンジョンでも森でも普通に設置できた。
魔物はあからさまな罠を普通に踏んで、移動できなくなるので、
離れて鞭で叩くだけ。なんとも<罠>って言うのは自分に本当に合っているみたい。
〔罠道具〕が少し値が張るので、そこいらで<採集>できる物だけで作れる毒餌を多用しつつ、狩を続ける。
そして<罠>も、もうすぐカンストしようかという所で出てきたのが、落とし穴。
罠といえば、定番じゃん!
穴を掘ればいいのかと思って、適当に剣鉈で掘ってみるが、ただ掘り返されるばかりで、一向に穴にならない。
寧ろ〔芋〕をいくつか手に入れた。
なんの芋かも分からない。ただの芋だ。料理とか出来れば分かったのかな?
これも毒餌に使うとして、落とし穴だよな。どうするか・・・聞くか!
「こんにちは、落とし穴作りたいんですけど」
「はい、こんにちは、落とし穴でしたら〔罠道具〕に網状の物をセットすれば出来ますよ」
「網状の物って、どうやって手に入れたらいいですか?」
「<裁縫>や<鍛冶>でも作れますが、〔蜘蛛の巣〕など魔物から手に入る物もあれば、<道具作成>で蔓を編んでも作れますから、色々試してみて下さい」
ふむ、確かに〔苔花の蔓〕をいくつか使って網を作る事が出来た。
しかし、〔苔花の蔓〕の消費が早いので、一旦苔花狩りに勤しむ。
無心で、花を刈り続ける。一度本で読んだ限りでは木の多い地域で、日の照る場所を探して動く花らしい。
〔苔花の苔〕は何か薬に使えるらしいが現状判明してない。
十分な数の落とし穴が作れたところで、試すと、
結構なサイズの大穴に猿が落っこちる。
これならあの大猪も行けると確信した。慣れるまで何回か試したが、落とし穴の上に毒餌を撒いても使える。
ふう、準備は整った。
しかし、<罠>がカンストしてしまったので、再びのスキル屋さん。
「すみません<罠>がカンストしました」
「そう!早かったわね。それでどうするの?」
「それが、どうしたもんだか迷ってまして・・・」
「そうね、本当はそろそろ自分で決めた方がいいんだけど、おススメだけはしてあげる。対人向きのもっとアクティブでえげつない罠を求めてるかしら?」
「いや、そう言うのは別に他人と戦う機会も無いですし」
「アナタは探索者だものね。そしたら<解除>もそろそろカンストしてたわね。<解除>から<開錠>を新規取得しつつ、<解除>と<罠>の合成で<罠操作>って所かしら」
「<開錠>で鍵開けは可能な上、<罠操作>って言うのは・・・もしかしてダンジョンの罠を自分で使える?」
「そうよ。勿論自由自在とは行かないし、MPが必要、一回にコントロールできる数もスキルレベルに依存するけど、探索者のあなたにはこの上ないでしょ。ちなみに他人の仕掛けた罠も乗っ取る事が出来るわ」
うおぉ!それは凄い!
「それにします!」
「ただし、設置できる罠はこれまで覚えた物だけよ?ちなみに宝箱にセットされてる罠は全部で一個に換算されるけど、その分使用するMPも多いから、MPコントロールをこれまで以上に気をつけてね」
ふむ、これまで以上にMPがカツカツになるのか。術は補助ばかりと思ってたけど、鍵開けるのにも結構使うし、補強できる方法は無いものかね。




