49.霧の谷
「次は思い切って『霧の谷』に行ってみようと思います!」
拍手する、自分とモコ
「霧の谷は実際には霧がかかっていません!」
「う~ん?それだとなんで霧の谷なの?」
「霧は精神状態異常を引き起こします。それ故、霧を押し返す風車がいっぱいある為、別名風車の谷とも言われます」
「へ~そこが、次の目的地として相応しい理由は?」
「初級ゾーンに存在して、鉱石と服飾の素材がバランスよく手に入ります」
「服飾の素材って言うのは何が手に入るの?」
「絹ですね、ローブは絹から始まるといわれるくらい重要な素材です。やっと僕も採算の取れる服飾を生産できます」
「アイテムバッグとか高いものいくらでもあったろうに」
「アイテムバッグは競争率高いですし、服着るのは生産職くらいなので皆横のつながりで安く済ますんですよ」
「え~自分は少しでもいい服着たいのに」
「戦闘職で<服>取る人は本当に少ないんですよ。技とSPどっちも大事ですけど、わざわざ補強するほどでもないってのが通説です」
「え~、技とSPとか必須中の必須なのに~」
「多分それは手数タイプだからですよね。普通は攻撃力を少しでも上げていくんですよ。偶にテクニカルタイプもいますけど、パーティで隠れて不意打ちの奇襲&急所攻撃ですよ」
「ああ~確かにテクニカルタイプ勧められたけど難しそうだったんだよな~。だから正面から戦える様に術とか採ったの」
「そうですか、それで話を戻しますけど、当然霧の谷の先には本当に霧があります。かつて中級者や上級者が挑み、遺跡を見つけたそうです。しかし初級ゾーン相応の物しか手に入らず、結局帰ってきたと」
「あれま~。でももし自分が入れれば、丁度いい物が手に入るわけだ」
「そう言うことです。無理なら、また力をつけて出直せばいいかと」
「なるほどね。自分は賛成!」
「私はどこでもいい」
「じゃあ、決まりと言うことで、準備しましょう!」
ということだが、挨拶回りとかやめたし、やること無い。
一応お洒落なお姉さんだけは霧の谷に行くことを伝えておいた。
そう言えば、最近〔縞蛇の鞭〕の威力が格段に上がった。
なんだかよく分からないが、手になじむ。
〔チェーンウイップ〕の拘束時間も魅力だが総合すると圧倒的に〔縞蛇の鞭〕だ。
「なんででしょうね?」
「なんで私に聞くのよ」
「ココ、モコは移動の準備で忙しいから」
「私も仕事中よ?」
「お客さんが来たら、どこか行きますけど」
「はぁ・・・、多分その鞭の装備要求ステータスを満たしたんでしょ?」
「聞いた事あったかな~?」
「一応要求ステータスの6割を超えていれば、装備は出来るの。でもその能力を十全に発揮しようと思ったら、完全に要求ステータスを満たす必要があるのよ」
「つまりステータスが成長したから、能力を発揮できるようになって、強く感じるのか~」
「そう言うこと、分ったらまたね。お客さんが来づらいでしょ?」
「適当にあしらうんじゃなかったの?」
「クランホームを手に入れたらね!それまでは稼がないと」
「そっか、がんばってね!」
「ええ、あんたこそ面白いもの持ってきなよ」
そうして、お姉さんとも別れ、本格的にやることがなくなったところで、
「よう!大分がんばっているようじゃないか、妹の所に行かないか?」
髭もじゃのおじさんに誘われ、山の方に出かける。
髭もじゃのおじさんは流石で相変わらず、猪も猿も一撃で葬る。
自分は偶に拘束するだけの簡単作業だ。
そして、久しぶりの山中の家!そして明るい妹ドワーフ!
「いらっしゃい!中々こないから<心術>飽きたのかと思ったよ!」
「いや、結構使ってるけど?攻防上がるし、使い勝手いいけど」
「そうか!そりゃあ良かった!見たところ本当に使い込んでるようだし、次の術を教えてあげようじゃないか!」
「え?もう教えてくれるんですか?ありがたい!」
「まあ、最初の内は上がり易いのが普通だ!その最初の内に<心術>を選んだあんたは大正解!」
「いや~偶々だったけどいい術手に入れちゃったな~」
「そうだろう、そうだろう!次の術は『サイキックエクスプロージョン』だ!!!」
「爆発するんですか?」
「そうだよ!あんたを中心に爆発が起きて、周りの敵を吹き飛ばす!ダメージはちょっとだけだが、距離を詰められたり、囲まれた時に便利だぞ!」
「それ覚えます!」
「10000ゴールドだ!」
「払えます!」
ということで、サイキックエクスプロージョンを習得した!
「また、十分に使い込んだら来るといいよ!まだまだ使える術はあるからね」
今度こそ、準備は完了しただろう。
さて、次は霧の谷か~。遺跡があるってのは楽しみだな~。




