39.流派?
ダンジョンを周回する日々、モコの作ってくれたエナジードリンクのおかげで、快適狩り生活だ。
どうやら、飲み物はある程度渇水度が下がって無いと飲めないようだが、そういう時は思い切って<字術>の『イサ』を使い、回復に専念する。
与えるダメージ量は減るものの、拘束系のテクニックの効きは変わらない。
とにかく動きを止めて時間稼ぎ、術の効果時間が終われば、再び攻撃すればいい。
他の術と違い『イサ』の効果時間は短く、しかし再使用までの時間も短いので、非常に使いやすい。
順調にお金が貯まる。しかしまだ、必要な金額にはもう一息という所で、<戦闘鞭>のレベルがMAXになる。
クイックアクションを手にいれた事で、抜き打ちですばやく叩けるようになったり、
『パラライズヒット』で、一定時間動けなくしたり、どんどん便利になっていくのだが、
次はなんていうスキルになるのか。楽しみにスキル屋さんに行く。
「こんにちは!<戦闘鞭>MAXになりました!次は何がありますか?」
「ないわよ?」
「え?ここが自分の限界点・・・?」
「違うわよ~。ここまで来たら、もう入門も卒業ね~。これからは自分なりの道を探すのよ!」
「自分なりの・・・道?」
「そうよ、自分がどうなりたいかをよく考えて、自分が学ぶべき師を見つけるの」
「師・・・ですか」
「そう!師よ!世界にはあらゆる技を極めた達人たちがいるわ!それを探して生きる術を学ぶの!あなたに志があり、上に行く意思があるならきっと会える筈よ!」
「なんと・・・じゃあ古代遺跡を探検する師匠もいる筈・・・」
「今は無理でしょうね、でも一歩づつ進めば必ず辿り着ける筈よ」
「分りました!探します!自分の師匠!」
「そうね、自分が<戦闘鞭>で何をしたいのか、それを自問自答する事よ。己に問いなさい」
「ありがとうございました!」
と、言う事で<戦闘鞭>は一旦保留だ。自分の進むべき道を見定めればきっと自然と出会う事になるのだろう、自分の師と。
再び、ダンジョンに篭る。
<剣鉈>も『足きり』と言うテクニックを手に入れ、足を斬り付ける事で、移動を出来なくできる。
移動できなくなるだけで、術とかは使ってくる。
突進で攻撃してくる羊なんかには有効だ。
その他は<採集>の効率を上げたり、罠解除の効率を上げたり、といった物が多い。
そして<剣鉈>のレベルがMAXになった。
となれば、行く所は一つだろう!
「こんにちは!<剣鉈>のレベルがMAXになりました!」
「そう!がんばってるわね!」
「次は・・・」
「師を探しなさい!あなたが何をしたいのか、それを忘れなければきっと出会えるわ!」
「そうすると<戦闘鞭>も<剣鉈>も師匠が必要なのですが」
「師匠は何人いても大丈夫よ!さらに流派に属するとステータスが一部上がりやすくなったりするわ!」
「流派???」
「そうよ!あなたが使う武器に合わせて、色んな道場が存在するわ。道場に属するとあなたの戦い方にかなり影響を与えるわ」
「道場ですか~。自分は格闘技とかやった事無いんですけど。上下関係とか厳しいんですかね?」
「そうね~そういう所もあるわね。でも基本は先に行く者は後から来る者に背中を見せるものだから、そんな一方的に酷い事をされる事は無いでしょうね」
「そうですか、自分も道場と言うものに通うときが来るとは」
「大丈夫、安心して励みなさい!真面目に上を見ている者を害する人なんていないわ!」
「分りました!道場探します!」
そして、街中探したが、一軒も道場が無かった。
とぼとぼと街中を歩いていると、ココ、モコに会った。
二人ともほんとにいつも一緒にいて仲がいいな~。
「どうしたんですか?元気が無いようですけど?」
「道場が・・・無いんだ」
「そりゃ、ここは入門の街ですから、次の街からですね」
「え?あっそうなんだ?てっきり、自分がこの先の自分をイメージできてないから、見つからないのかと思った」
「なんで、そう思ったかは分らないですけど、遂に武器スキルがMAXまで上がったんですね。そろそろ次の事考え始めないといけないですね」
「次か~どうしようかな~。結局の所古代遺跡を探索するのが目標だし、それ以外は分らないな~」
「S.S.さんに損にはならない選択をするつもりですので、これからもよろしくお願いします」
「こちらこそ、いつもお世話になってます。よろしくお願いします」




