31.格好いい手袋
「あっお姉さん。こちらが<裁縫>出来る知り合いです」
「知り合いっていうか、もう仲間じゃないですか!どちら様です?」
「何か、寒そうな格好してるお姉さん」
「いや、あれじゃないですか?おしゃれは我慢からってやつ」
「ふーん、夏には夏の冬には冬のおしゃれが有ると自分は思うけど」
「どうなんです?お姉さん」
「うん、何で急にお姉さんて呼ばれるようになったのか分らないけど、好きでこの格好してるから、気にしないで」
「「そうですか」」
「ところで、S.S.さん手袋作って来ましたよ。どうです?指抜き手袋格好よくないですか?」
「これは・・・凄く格好いい!!」
「え?中2?」
「いえ、中年です」
「学生ですが、中学生ではありません」
「ところで、そのリストバンドまだ着けていたんですね?もう剣鉈は腰に差してるのに」
「うん、他に装備するものもないし、格好いいから」
「いや、ナイフ差して無かったら、ただの箱を腕につけた変な人ですよ」
「そんな、こんなに格好いいのに」
格好悪いと言われたので、已む無く〔天に焦がれる白き獣は角を隠す〕を外し鞄に仕舞う。
「ところで、今回の手袋の名前何にしましょう?」
「そうだね。術を使う山羊だから、悪魔って単語は入れたいね」
「背信者とかはどうです?直接的に悪魔と言うよりは邪神崇拝っぽいじゃないですか」
「なるほど、確かに悪魔そのものではないかもしれない」
「やっぱり、中2じゃん!」
「残念ながら14歳は最早自分の子供並の年齢です」
「そうじゃなくて、発想が!中二病でしょ?」
何を言っているのだろうか?このお姉さんは。ちょっとよく分からない。
「ちなみにお姉さんはどんな名前がいいと思いますか?」
「え~めっちゃ、ぐいぐい来るなこの二人。ヘカトンケイルの拳とかでいいんじゃない?」
「巨人と何の関連性があるか分からないです」
「アタシも分らないけど、そういうのがいいんじゃないの?」
「でも、拳とかはいいかもしれない。手につける物だってのが分る」
「確かに、そうなると・・・」
『Solve et Coagula』に決定した。満場一致である。
まさか、バフォメットの両腕に書かれている単語を冠する手袋とは・・・。まあこれだけ格好よければ、そうなるか。
「なんで、そんな偏った知識持ってるのよ・・・」
なぜかお姉さんは頭を抱えているが、寒い格好してるから、風邪でもひいたのだろうか?
そして、解散し、自分は羊を倒しに行く。
とりあえず丘で羊を倒し〔茨の鞭〕の性能を試したい。
あえて<字術>は使用せずに、攻撃すると。
ちゃんとダメージが入る!しかも拘束系の技でもダメージになる。
トゲトゲ鞭はダメージがよく出るな。コレなら、複数体でもやれるかもしれない。
2体同時羊、3体同時羊。は行けた。
うっかり鹿ゾーンに入って気がついたが、『ハードヒット』のダメージはちょっと今一かもしれない。
うーん、武器の形状で、ダメージが乗りやすい乗りにくいあるのかもしれない。
よく考えたら〔縞蛇の鞭〕の方が値段が高いし、本当は性能がいい筈だ。
鞄に入れよくよく確認すると、今までよく分からないので放置してきた数値やアルファベットの意味が少し分かってきた気がする。
SLASH、PIERCING、BLUNTでそれぞれ数値が割り振られている。多分、これがダメージ量に影響しているのでは無いだろうか?更に鞭にはBINDという数値も割り振られていた。
全体の数値だけだったら〔縞蛇の鞭〕の方が明らかに高い。
しかし、thornと言うのが〔茨の鞭〕にはくっついているので、これが追加でダメージを与える要素になっているのだろうと、およそ見当をつけた。
山羊相手だとどうなるのだろうか?まあ、でも先に羊を倒せれば、山羊は何とかなるか。
火の玉を連続でボコボコ打ち込まれない限りは、行けそうな気がする。
とりあえず、今日のうちは羊と鹿を狩って、お金に変えて、
翌日のダンジョンチャレンジの準備をしておく。




