28.鹿皮装備からのダンジョン攻略開始
「はい!出来ました!これでワイルドになること間違い無しですよ!」
「あれ?前までインテリジェンスって言っていたのに」
「男性なんですから、ワイルドとインテリジェンスを兼ね備えてこその色気ですよ!」
「確かに、それはそうかも!」
そして手渡されたのは、皮製のシャツ。
白衣に皮シャツって・・・確かにワイルドでインテリジェンスだ!コレは格好いい!!
「これは、完全にゲットワイルドだな~あとは自分がタフになるだけだな~」
「へ?なんです?それ」
「ん?こっちの話。ふう、なんか熱い衝動が込み上げてきた。自分ダンジョンに挑戦してみるわ」
「え?本当にどうしたんですか?いきなり。さっきまで初めは地味な所から少しづつ成長を感じるとか言ってたのに」
「人は、時として衝動に身を任せ動かなきゃいけない時もあるんだ」
「そうですか、まあ、無理そうだったらまた装備を整えればいいですもんね。がんばって下さい」
「行ってきます!」
そして、意気揚々とダンジョンに向かう。
新たなダンジョンの入り口は綺麗に切られた石を組み合わせて作られている。そして地下へと続く階段だ。
また、衛兵さんが入り口の横に立っていた。
「こんにちは御疲れ様です」
「こんにちは、ダンジョン挑戦者の方ですね。ここのダンジョンは獣類が多く出ますよ」
「え?じゃあ、逆に獣があまり出ないダンジョンもある?」
「ええ、ありますよ。入門者が集まるような街のダンジョンは、まだ獣類が多いですが」
「なんで、獣類が多くなるんでしょうね?」
「あまりピーキーな特徴が無く、攻略しやすい相手だからですね。しかし、強い獣は全てのステータスが高くなり、逆に攻略しづらい相手になりますが」
「へー、今はまだそこまで強い相手がいないわけですね。じゃあ、がんばります」
階段を下りていき、ダンジョンの領域内に入ると、やや薄暗い様子だ。あまり広くない通路をゆっくり進む。
久しぶりのダンジョンはやはりちょっと閉塞感があって、圧迫感を感じる。
人が余裕を持ってすれ違えるくらいには幅のある道だが、ずっと真っ直ぐ壁が続いているのを見ると息苦しい。
しかし、ダンジョンてなんでこんな狭いんだろう。もっと広くてもいいと思うんだけど。
あれか、迷宮って意味だもんな。きっともっとレベルの高いダンジョンになると迷路みたいになってるのかな?
そんな事を考えているうちに、最初の魔物が現れる。
山羊だ。ダンジョンの外は羊なのに、ダンジョンの中は山羊だ。妙に赤く光る目。足で地面を掻く。
突進してくる前兆かなと思い、まずは牽制の『ハードヒット』を当てる。
動きが一瞬止まったということは、外の羊と違って鞭でもダメージが入るってことだろう。
角も生えてるし、鹿に近い対応でいいのかな?
鞭で連続攻撃を当てて、様子を見ると嫌がるように後ろに飛ぶ山羊。
そして、前足を伸ばし頭を低く構えると頭上の角の間に火の玉が現れる。
目が光ると同時に火の玉が飛んできて、体に当たる。
「あっつい!!」
なにこれ、ちょっとパニックになる。延焼はしていないが、結構熱かった。
そうこうしている内に、山羊が突進してくるので『ネックハング』で動きを止める。
そして、横から<剣鉈>で『ダブルスタブ』そこからさらに追撃を食らわせる。
『ネックハング』が外れた所で、鞭の攻撃。
しかし、相手は今度はタメもなしにいきなり頭突きを入れてきた。
ちょっと飛ばされ、尻餅をついたところで、また角の間に火の玉を形成する。
すぐに立ち、走り寄り、思い切り剣鉈を振り顔に当てれば、火の玉が消え、頭を振りまわし始める山羊。
何でそんな動きをしているのかな?と<診察>すれば、ステータスのバーの所に目の上に×が書かれたマークがある。
多分、目が見えないってことじゃなかろうか?
相手が、壁にぶつかった所で、鞭を当てまくれば、何とか倒せた。
そしてダンジョン内の魔物は勝手に消える。多分鞄に魔物の素材が入っているのだろうが、一旦街に帰りたい。
あの火の玉とか、目のマークとかちゃんと調べないとちょっと怖いぞ。ダンジョン。
やっぱり、ちゃんと情報を集めて準備するのって大事だな。
一応、表に出て手に入れた素材を確認したら〔カシミヤ〕〔山羊の毛皮〕を手に入れた。




