25.占いの館
占いの館と言えば、若い女の子達がきゃっきゃと恋愛相談をしているイメージが強いのは自分だけだろうか?
お金持ちとかはタワーマンションの一室とかで、占っていそうなイメージだ。
勝手なイメージだけどね。自分も占いは好きだけど、何となく入りづらい。誰かおじさんを占いに連れてって!
周囲を窺いつつコソコソと占い師さんのいる店に入る。
中には先客はいない。大きな水晶の玉の向こう側に小柄なお年をめしたご婦人がいる。
「緊張せずにお座りなさい。100ゴールドだよ」
と言うことなので、対面の椅子にかけて、100ゴールドを渡す。
「ふむふむ、今日の運勢は吉だよ。運は上向きだからがんばりな」
「ありがとうございます。ところで術が欲しいんですけど」
「なんだい、用件はそっちかい。杖は使ってないようだけど、何の術を御所望だね?」
「なんか<字術>って言うのが自分にあってるんじゃないかって、教えてもらったので来たんですけど」
「そうかい<字術>だと字を書く必要があるんだが、どっちの手で書くんだね?」
「利き手は右なんですけど鞭使ってるので、左手かな?」
「ふ~ん、ちょっと構えてみな」
そう言われたので、右手に鞭、左手に剣鉈を逆手に構える。
「こんな感じですけど<字術>使えますかね?」
「そのまま左手の人差し指と中指立ててみな、指に墨つけて文字を書くイメージで」
いわれるままに中指と人差し指を真っ直ぐくっつけて立てる。
「こんな感じですか?」
「悪くないね。その指でちょっと水晶に触りな」
水晶に触れると水晶が青白く光り、その光りが指に吸い込まれる。
「2000ゴールドだよ」
言われるままにお金を渡す。
「術は一個おまけするから、水晶に浮いた文字を空中に描いてみな」
水晶には上向きの矢印が写っている。それをまねて空中に書いてみれば、青白い光が空中に残り、矢印型の光が自分に吸い込まれる。
「それで、一定時間与えるダメージ量が増えるよ。悪くはないだろ?」
「そうですね、ちょうどダメージ量が足りなくてSP不足してたので助かります」
「他の文字が欲しければ、いくつか基本的な物は売ってやれるが、あとは古代の遺跡で見つけるしかないね!」
「古代の遺跡!それだ!!」
「なにが、それなのかは知らないけど、あんたのその文字は古代語だからね<解読>のスキルレベルを上げて、遺跡に挑みな。運がよければ新たな文字が手にはいるよ」
おお!それは凄い。古代の遺跡を探索したいと思っていたところに、術も手に入るとなれば、行くしかないな。
「まあ、まだあんたには早そうだから、基本術を使いこなしてスキルもちゃんとレベル上げてからにしな」
なるほどな。流石今日の運勢が吉なだけあって、いい情報が手に入ったぞ。
「ありがとうございました」
お礼を言って街へ出る。
お次はロング丈の外套が必要だ。そして<ローブ>を上げなければ!そうすれば術もいっぱい使える様になるし、SPの消費が抑えられてもっと戦いやすくなるだろう。
<裁縫>の工房に再び向かえば、ココはまだいた。
休憩中なのかお茶を飲み、服装も大きめサイズの可愛らしいデザインの羊毛のセーターを着ていた、中々ガーリーな少年だ。
「さっき上着作ってもらったばかりで悪いんだけど、何かロング丈の外套ってあるかな?」
「何かあったんですか?急に」
「いや<ローブ>を取ったんでスキル育てるのにロング丈の外套がいるみたいで」
「へ~術も使う事にしたって訳ですね?インテリジェンス感じさせる探検家の雰囲気が増して僕はいいと思います!」
「そうかな?とった甲斐があったな~」
「ちなみに何の術とったんですか?」
「ん?<字術>だけど?」
「ああ~使い手が少なくてちょっと情報が少ないですけど、でも遺跡探索したいって言ってましたもんね」
「そう!遺跡に行く理由が増えたからもっと育てなきゃね」
「なるほど!さて外套はどうしようか、ムートンのロングコートじゃ厚そうだし・・・そうだ!!」
「何かいい案がある?」
「ええ!初心者の街でいっぱい綿を集めてもらったおかげでいい方法がありますよ」
「じゃあ、お任せしちゃおうかな!」
お茶を一気に飲み干し、工房の奥に向かうココ。
ちょっと待っていれば、あっという間に出てくる。
「どうです?白衣ですよ!インテリジェンスと言えばコレですよ!」
なるほどな~。綿100%の白衣は燃えにくいって言うし、コレはいい物だ!
「ありがとう!なんか色々捗りそうだし、狩がんばってくるわ!」
「毛皮よろしくお願いしますね」
「任された~!」
何かテンション上がってきたので、羊狩りとしゃれ込むとしよう。




