23.ムートンコート
中々、地道な狩になるが、それは仕方ないだろう。初心者の街とは違うのだ。
それを実感しながら、毛皮を集める。
とは言え、実はまだ冒険者事務所には持って行ってない。もしかするとモコ、ココの二人が使うかもしれ無いからだ。
自分は狩りと<採集>と探索を必要とされている。
しかし、今はまだそこまで強くないのだ。じっくり取り組む他無い。
一応<剣鉈>で『浮打』と言う技を覚えたが、逆手で下から斬り上げると相手が自分の身長くらいまで浮く。
いつから羊を剣鉈で浮かせる力が付いたのか分からないが、多分これがテクニックの力なのだろう。
さらに<戦闘鞭>でも『リーフカット』を手に入れた。コレは鞭先で攻撃を当てると斬れたようなダメージエフェクトが出て、羊相手でもダメージが入る。
『浮打』からの『リーフカット』は本格的にダメージが入るようになって助かっている。
にしても、本当にテクニック頼みだ。何とかSPをもう少し増やせないものだろうか?
そんなこんな、街でモコに会う。何日かぶりに見ると、なんかニットのパーカーを着ていた。ちょっと温かそうだ。
「あっ!いたいた!頼みがあるんだけど〔マトン〕持ってたら売ってほしいんだよね」
「あるよ」
と言って持っている〔マトン〕を全て渡す
「おっ!大量だね!助かる~。この街で手に入るのって基本羊肉みたいだから、アイリッシュシチューにしようと思ってさ」
「へ~そうなんだ。でも皆〔マトン〕だと逆に競合して大変なんじゃないの?」
「まあね、同じくらいの腕の人達だと大変だよね。上級の人達は他所の材料で作って持ってきて稼いで、稼いだお金で羊肉買って、他の街で稼ぐみたいだね」
「そうなんだ?アイリッシュシチューってどんなのか分らないけど、肉だけで大丈夫?」
「野菜類は買うしかないね~。余った野菜でスープストック作って、後はタイムでもあればいいんだけど」
「ハーブ類は結構持ってるよ?確かタイムもあったはず。普段は〔精油〕にしちゃってるけど、余ってるから使う?」
「いいの!買う買う!」
そう言ってタイムも渡し、肉とハーブ代を貰い、いくらか懐が温かくなった。
しかし、気温は寒い。
「そのニットのパーカー良いね。何処で売ってるの?」
「え?ココが作ってくれたけど。そう言えばココも〔野羊の毛皮〕が欲しいって言ってたよ?」
「じゃあ、毛皮を売りつつ自分も上着作ってもらおうかな。この街来てからちょっと寒いよね」
「そうだね。その格好で我慢してたらね」
自分は初心者の街からずっと綿シャツに皮ベストだ。寒いっちゃ寒い。我慢出来ない程ではないが。
そんなこんなモコと連れ立って<裁縫>の工房に行く。
「あっ丁度よかった。そろそろ〔野羊の毛皮〕が欲しかったので」
「そう聞いたから、来たんだけど。自分にも上着作ってくれない?」
「それは全然構いませんよ。羊毛のおかげで結構サクサクスキルが成長したので、上着も作れます」
「折角だから、ムートンジャケットとかがいいかな?と思ってるんだけど」
「いいですね!まだ、作れるようになったばっかりで、失敗するかもしれませんが、スキルの成長にはありがたい申し出です」
相変わらず、人がよくあっさり引き受けてくれたので〔野羊の毛皮〕を持っているだけ渡す。
冒険者事務所のお姉さんには申し訳ないが、自分は上着が無いと寒いので仕方ない。
「じゃあ、ちょっと待ってて下さいね」
そう言って奥に入っていくのでモコと談笑する。なんかハーブティーも作れるらしいので、ハーブティー用のハーブも渡して、交換でミントティーを貰った。
コレはMPの自然回復量を一定時間早めてくれる様だ。ダンジョンの宝箱の鍵あけが捗るな。
「そうそう、SPの減りが激しくなってきて困ってるんだけどいい方法無いかな?」
「え~?スキルで補強するか、ステータスの体を鍛えるか、かな?アクセサリーはまだちょっと高いもんな~」
「アクセサリーって高いんだ?」
「最低でも銅だけど100kはするよ」
「そりゃお高い買い物だな」
「いずれはココも取るらしいけどね。服に付ける用の金具とかワンポイントになるものは<細工>の上のスキルが必要らしいよ」
「なるほどね~、とりあえず自分はスキルから当たってみようかな。体の鍛え方はよく分からないし」
「このゲームは行動によって自然とステータスが上がるから狙ってあげるのは難しいかもね」
そんな話をしている内に茶色いジャケットを持ってココが奥から戻ってきた。
ジャケットを受け取り着てみようとするが、無理らしい・・・太ったか?
「ベスト脱がないと、着れませんよ」
と言うので、再度着てみれば、中々しっくりくる。茶色いムートンジャケットにデニム。ベルトも茶色だし、鞄だけ藍色だが、嫌な感じじゃない。しかし・・・。
「ベストにつけてた薬はどうしよう」
「腰のベルトに結構な量差したり、仕舞ったりしてるし、ベストの分は鞄でもいいんじゃないですか?」
言われてみると、確かにベストにくっつけてるやつ全部は使わないな。包帯とかもポケットに入れてたけど、戦闘中は使わないし。
うん、装備も整っていい感じだ。次はスキル屋に行ってみるか。
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とある攻略サイトの質問板
質問者:迷える入門剣士
魔法剣士を目指してたけどSPの消費量が増えてきたので、SP強化したいと思うのだが中遠距離攻撃向きの武器を教エロ下さい
回答者:匿名法術士
魔法使え
質問者:迷える入門剣士
いや、MPまで強化できるほどスキルに余裕が無くてとりあえず、中遠距離武器使おうかと思って
回答者:匿名法術士
このゲームに限らずレベルが上がれば上がるほど、成長しずらくなるのは常識だよな?魔法を切るか、剣以外の武器を切るか、どっちか選ばないと先がきついぞ
元々中途半端な選択をするんだから、どこかで見切りつけるしかない
質問者:迷える入門剣士
やっぱりそうですか<鞭>とか使えるかと思ったんですけど
回答者:匿名法術士
<剣>と<鞭>なら<片手剣>と<戦闘鞭>で<蛇腹剣>っていうロマン装備もあるけどな
ただ、近距離なら普通に<剣>育ててる方が強いし、攻撃術は取る意味無くなるだろうな
質問者:迷える剣士
<蛇腹剣>は格好いいんですけど<剣>は捨てがたいので<鞭>の他の使い方無いですかね?
回答者:匿名法術士
攻略を見ろといいたいところだが、一応<ダガー>と合成の<軟鞭>、<メイス>と合成の<硬鞭>
後は魔物使い用だ
<戦闘鞭>系に育てるやつも全くいないわけじゃないが、メインウエポンとしては中途半端らしい
一応、打系斬系縛系と揃っていて、中距離攻撃可能な片手武器だが、もう一個メインウエポンを持った方が安定すると言われてる
そうなるとそれこそSPがきつい
質問者:迷える剣士
なるほど、何にせよ楽な道は無さそうですね
ちょっと考えてがんばります
回答者:匿名法術士
自分がなりたい者になればいい
どうしてもっていうなら<投擲>をサブウエポンとしてる剣士もいるしな




