22.まずは基礎羊狩りから
馬車を降りて二人とは別れる。
ココは<縫製>の工房に行って、情報を集めてからクエストをはじめるとか。クエストのトリガーが何とか。
モコは食べ物屋を回って、自分が何を作るか考えるらしい。ココが<調薬>を使えるので、料理に付加効果を乗せて売れる物を作るとか、がんばって欲しい。
ちなみに<調理>は飲み物も作れて、ランクアップで醸造が出来るらしい。醤油はもちろんの事、酒や何かが作れるって・・・。モコは未成年だからやらないらしい。偉い。
自分が子供の頃は親がおいしそうに飲んでるお酒を飲みたくてしょうがなかったもんだ。
自分は冒険者事務所、クエストを受け、この街のダンジョンの攻略をしていきたい。
初心者カウンターは存在しない。初心者の街じゃないからだろう。
そう言えば入門者になってからも初心者カウンターに行ってたわ・・・申し訳ない。
普通に列に並び、自分の番が来る。
「こんにちは・・・あれ?栄転ですか?」
「いえ、栄転ではないですよ」
「あ・・・なんかすみません・・・」
「左遷でもないです」
初心者の街にいたお姉さんがまた受付していたので、てっきり初心者の街から栄転したのかと思ったが?
「じゃあ、転勤」
「いえ、私は冒険者事務所の受付を預かるAIのGです。同時に複数の事務所を管理しています」
「ああ、量子力学的な・・・何か難しいやつ」
「いえ、ゲームシステム的な物です」
「あ~理解しました。遠くからいくつものカウンターを監視して管理してると。それは凄い。同時にいくつも仕事を捌くなんて、流石AIだ」
「ご理解いただけたようなので、早速クエストを受けられますか?あっダンジョンはまだ早いですよ。十分にスキルを鍛えましょう」
「じゃあ、どうしましょう。なんか集められる素材とかありますか?」
「そうですね。ここは殆どが草原なので、取れる素材は初心者の街とあまり代わりませんが、やはり羊毛が一番の売りですね。野性の羊から毛皮を集めてくだされば助かります」
「定番の毛皮ですね!行ってきます」
「少々お待ちください。初心者の街の方の羊たちは飼われている羊なので、手を出さないで下さい」
「えっと、じゃあ、何処の羊を狩れば?」
「この街も中心は噴水です。十字路になっていますが、初心者の街を背中に右がダンジョン、左が野生の羊のいる丘、正面が次の街へつながる平原です」
「つまり左に行けばいいわけですか」
「そのとおりです。お気をつけて」
「行ってきます!」
何気に噴水のすぐ近くにある事務所。街の構造は初心者の街に似ていて分りやすい。とても親切だ。
しかし、何となく家の意匠などはちょっと違うか、何がと言われると難しいが、レンガ造りの家が多い。
どうにも肌寒いし、暖炉とか薪ストーブが似合いそうな街並みと言ったところか。
そして、丘に出ると確かに羊がそこいらをうろうろして、草を食んでいる。
いかにも羊と言った具合のくるっと巻いた角、もこもこの毛。黄色い虹彩。
一匹自分に気がつきこちらを、見ながら馬鹿にしたようにあくびをする。
鞭を取り出し、構える。
こちらの攻撃意思に呼応するように、頭を下げ、足を踏み鳴らし、更に軽く地面を蹴り始める羊。
そして、そのまま突進してくる。
『ハードヒット』
しかし、モコモコの毛に受け止められ、殆どダメージになっていなさそうだ。
そのまま、ぶつかられ。転がされる。
自分はそれなりにダメージをくらう。
相手が突進後こちらに向きなおったところで『バインドウイップ』足に鞭を絡め動きを止める。
『ポイズンスタブ』『ダブルスタブ』
剣鉈での攻撃はダメージになるようだ。
どうやら鞭は動きを止めるのに使って、剣鉈でダメージを与えるしかない。
再び動き始めた羊は、少し動きが遅くなっている。
『ネックハング』
首に鞭を巻きつければ、コレは流石に効くらしく、苦しがっている所に更に剣鉈でダメージを与えて、何とか倒しきる。
〔野羊の毛皮〕×2〔マトン〕×2
<採集>と<剣鉈>のおかげでコレだけのアイテムが一回で手に入る様になった。本当に助かるな。
しかし、やはりSPの消費が激しい。ちゃんと回復しながら地味にやっていくとするか。
〔体力溢れる兎汁〕を啜りながら次はどうするか考える。




