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L.L.~迷宮人生~  作者: 雨薫うろち
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92.裏街妖医の依頼

 「ごめんくださーい」


 霧の中の建物に入ると、


 「あらいらっしゃーい」


 と、スレンダー美人なお姉さんが迎えてくれる。妖魔は皆人形のような整った顔なので、所謂コスプレイヤー?のようにも見えなくない。


 ちなみに自分はコスプレイヤーさんとの面識はないが、社員の一人がカメラで撮ってSNSに上げるのを趣味にしている。


 勿論彼女はそのコスプレイヤーさんに許可を取り、最もいいものを世の中に拡散する事で、普及活動もしているという人なので自分は全く咎めるような事はして無い。ただ動向をひっそりと確認しているだけだ。


 看護師さんの妖魔だが、何でそんな雰囲気のある迎え方をしているのだろうか?


 「あの、霧の様子がおかしいとの事で、お話を伺いたいのですけど」


 「あら、貴方は街のヒトではないようね。ちゃんと私の姿を認識できるなんて……」


 「はぁ、ちょっと気になってきただけなので」


 「そう……知ってるかもしれないけど、ここは妖魔の医院。つまり妖医のいる病院よ。街のヒト達がどうにもならない時に相談に来るだけの寂れた病院」


 「へ~この街にも妖魔の病院ってあるんですね~」


 「そりゃ、所々に病院がなかったら困るじゃない?」


 そうれはそうか、もし国に一つしか病院がなかったら大変な事になるに違いない。そりゃ街ごとにあってもおかしくないか。


 「自分も一応医を目指す者なんですけど、今回は霧の件ですね~」


 「じゃあ、奥に行って先生に話を聞いてみて?私は正直心の弱い外のヒトには興味ないわ」


 何だかんだクールな看護師さんに促され、奥の部屋に行くと、総髪の格好いい妖魔がボンヤリと物思いに耽っていた。


 「あの~考え事中すみません」


 「ふむ、考え事の邪魔をされるのは好きではないが、謝って入ってきた所は好印象だ話を聞こう」


 「なんか霧が広がって街のヒトが困っているようなんですけど」


 「ふむ、つまりお前は街のヒトではないわけだ。利害関係のない者に厄介ごとを押し付ける連中は気に入らないが、面倒ごとを引き受けるお前には恨みはない。相談には乗ろう」


 「いや、まあ別に様子を見てきて欲しいと頼まれただけなので別にいいんですが、霧が広がった事に何か心当たりってありますか?」


 「あるな。偶に起きる現象でな。この先の地下道は遺跡と繋がっていてな、そこの魔物が増殖すると偶にこういう現象が起きるんだ。もしその気が有るなら、魔物を狩ってきてくれないか?」


 「自分の力の及ぶ範囲なら構わないですけど、戦闘職じゃないから余り力になれるか分からないですね」


 「ふむ……私の見立てではいけるだろう。報酬は物で払う事は出来ないが、その白衣中々いい物のようだな?」


 「術で作ったものなので、いいとか悪いとか分からないですけど?」


 「だからいいのだろう?妖魔の白衣と言えば、物理的に医を目指すものの象徴。それを術で作り出すお前に俺はいい印象を抱かずにいられない。もし霧の件解決してくれたら、その白衣に少しだけ能力を付加してやろう」


 「ああ、引き受けたいのは山々なんですけど、実は自分今テクニックが使えなくなってしまってて、もしかしたら霧の影響なのかなって……」


 「ここの霧にそんな効果は無い。テクニックが急に使えなくなるなんて事はないぞ」


 「でもさっき、ハードヒットがいきなり使えなくなったんです」


 「ふむ……カードからテクニックの名前は確認したか?ランクアップスキルなんかを取ると、テクニック名が変わってたりするものだが……」


 すぐさまカードを取り出し、今自分の使えるテクニックを確認すると、


 二段突き

 毒殺

 目潰し

 足斬り

 短剣防御

 短剣受流

 浮打

 斬抜

 暗殺


 強打

 足縛

 抜打

 首吊

 首狩

 痺打


 と軒並み漢字に変わっていた。暗殺って何よと思ったら、相手に認識されてない状態で攻撃するとダメージ量が上昇するんだってさ。


 ちなみにスイングは特に名前が無かったが、今までどおり頭上で一振りすれば範囲攻撃及びダメージ量上昇になるらしい。


 コレでテクニック不安も無くなったし、遺跡の魔物狩りとしゃれこむ。


 順路を聞くと、一旦暗い裏街の湖畔に出て、そこから水路を戻っていくと、道なりに地下に進む階段があるらしい。


 そこには古代の遺跡があって、ちょっと危険だから頑張れってさ。


 霧と夜の暗さが支配する外に一旦出て、水路に向かう。


 途中さっきの鼠がまた出たが、今度は拘束可能なので、なんてことなく倒す。


 <採集>しても、妖鼠の牙と皮ってところ。


 地下水路沿いの道を歩いていくと、妙に雰囲気の違う石造りの通路。


 ここが遺跡の入り口かと、意気揚々と内部に入っていく。

 

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