嘘か真か偽りか
どうも~ひひらいです。末える化色いかがでしょうか?感想を是非是非受け付けていますのでよろしくお願いします!
「凛花をだって?そんなはずはない。だって昨日巧だってみただろう?話しただろう?今日だって凛花が朝ごはん作って食卓並べて食べたの覚えているだろう?」
「そう。もういない人間なのに存在してしまっているんだよ。水火がもう影響を受けてしまっている。」
「水火が?いったいどんな影響を受けているんだ?」
「化色のもつ記憶の消滅と創造の力の影響をだよ。」
すると、巧は大きな心の内に潜めている何かを吐き出すようにギラリと私を見つめ軽く深呼吸をし、口を開いた。
「お母さんは去年の3月に交通事故にあって死んだんだよ。」
「去年の3月だって?」
「そう。去年の3月。お父さんの目の前でお母さんがひかれたとお父さんから僕に電話がかかってきたんだ。」
「私の目の前で凛花が。まさか。」
巧の発言に私は動揺がおさえきれなかった。
「お父さんはひどく悲しんでいたよ。目の前でお母さんが亡くなった映像が何度もフラッシュバックしていると言って夜も眠れていなかった。」
私はその言葉に違和感を覚えた。
「私は盲目だぞ。凛花が亡くなった光景をみることはない。」
「それじゃあお父さん。どうして自分が盲目になったのか覚えてる?」
私は何をいっているだという気持ちになった。わかるに決まっているじゃないか、忘れるわけない。自分が光を失ったあのときのことを。あのとき。あの時。あの、、、と、き、、?
私は脳ミソをフル回転させて思いだそうとしたが視力を失った時の記憶を思い出すことができなかった。そんな私を見て巧は話を続ける。
「父さんはずっと悲しんでいたよ。毎晩、毎晩酒を飲んで。
でも僕と水火のために、辛くても頑張って仕事に復帰したんだ。
そんなある日だった。お父さんがメガネをかけて家に帰って来たんだ。最初はファッションとして伊達眼鏡をかけていると思った。聞けば自分でREALという会社を立ち上げていて、眼鏡はその試作段階の商品だといっていた。
でも、インターネットで調べてもREALという会社は見つからなかった。
それから数ヵ月後僕が朝起きて、リビングに降りたらお父さんが白杖を持って家をうろちょろしていたんだ。何をしているのかと聞くと、目が見えないからに決まっているだろといってきたんだ。明らかにおかしいと思った。
その次の日は玄関に金魚の水槽があった。父さんが買ったの?といったら凛花が買ってきたといっていた。
もういないはずのお母さんの名前をお父さんは口にしていた。
そして次の日、REALという会社の名前がインターネット上に突如現れた。
そして次の日、リビングに降りるとお母さんがいた。交通事故で死んでしまったはずのお母さんが、朝食を作っていた。そこには手を合わせて朝食を食べる水火と父さんがいた。
そして次の日、お父さんは泣きながら帰ってきた。ついに化色が完成したんだと。俺はもう一度光を得ることができたと言っていた。
そして僕は今日こうしてお父さんに化色を使うのをもうやめることを伝えに来たんだ。」
「そんな話信じられるか!」
私は机をバンッと叩き巧に怒りをぶつける。
「凛花もREALも紛い物だとお前はそう言うのか。私は0からREALを立ち上げた。それまでに多くのものを犠牲にして手に血が滲む思いもしてよゆやく作り上げたのが化色だ!」
そして、巧の胸ぐらをつかむ。
「お前こそ偽物をみているんじゃないか?凛花が死んだ偽物の景色を!目を覚ませ巧!」
「やっかましいわい。小わっぱが。目を覚ますのは主の方じゃ。」
いつの間にか目の前には銀髪の童顔の少女がいた。白いワンピースを着ていて、右手には機何学模様のタトゥーのようなものが刻まれていた。
いつのまにやら巧の姿が見当たらない。
「ようやく黙ったようじゃな。どうしたぁ?そんなとぼけた顔しおって。」
瞬間瞬きをしたらそこには少女の姿はない。
「お前さんがみている景色は幻影じゃ。」
後ろから声が聞こえ反射的に振り向いても少女は見当たらない。
正面に振り替えると机に少女は座っていた。
「それもかなり面倒な幻影じゃ。」
そのつぎの瞬間人差し指で口元を当てられて至近距離で少女はいう。
「わし目的はその眼鏡じゃよ。その眼鏡を破壊すること。そしてこの世界をもとにあった姿に戻すこと。」
続けて少女はいう見下したような口調で
「巧は甘いのう、こんな小わっぱ軽くひと刺しで殺ればいいものを遠回しに演技までしよって。」
演技?巧が?
「お前さんには家族など存在しない。」