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魔術陣を解くために

ここは草原

フードの人物は自由気ままな仮面の子供、ブハを肩に乗せて街に向かっていた

さながらブレーメンの音楽隊だ


「それでさお姉さん」

「そのお姉さんって言うのやめなさい」

「じゃあなんて言えばいいのさ」

「...エニ」

「エニ?変な名前」

「ブハの方が変ですよ

スペルどうなってるんです?」

「そんなことはどうでもいいんだけどさ

僕ね、この状態で街に行ったらまずいと思うんだよね

ほら、僕って可愛いし有名人だから」

「一切可愛くはなさそうだけど、確かにまずいですね」

「この可愛い容姿だからすぐにばれると思うんだ

ということでお願いがあるんだけど」


肩から猫のように降りてちょいちょいと手招きされる


「性格も見た目も断じて可愛くはないけど何です?」


皮肉たっぷりに子供の背丈に合わせて屈んでやる

すると突然ブハはエニのマントの紐をほどき、そのマントを身に包む


「は!?」

「うん、ブカブカだけど仮面もスッポリ覆い隠されるからちょうどいいね」

「ちょっと!返しなさい!」

「えー捕まったら僕からの情報提供がなくなるんだよ~?」

「うっ」

「そうなったら自分でミーアさんの場所を探すことになるね~」

「っ...好きになさいな」

「やった~エニ好き~」

「さんくらいつけなさい!」

「そんなことよりも肩に乗せて」


地面を指さし屈めと命令してくる

大した坊主だ


「っ...覚えてなさい...!」

「マント取られたときに強引に取り返そうとしない辺り優しいんだね」

「無駄な労力を使いたくないだけです」


誰かさんの所為で体力を浪費しているのだ

肩に乗り込む元凶をにらむことしかできない状況が憎々しい

いっそこいつの性格を【編集】で変えてやろうか


「フードで隠れてたけど髪長いんだ

麻で括るって随分と豪快だね

今だったらゴム製の髪留めとかあるのに」

「括れればなんでもいいですからね」

「うわ~女っ気ないな~

だからこんなにくせっ毛なの?」

「誰も見やしませんし私の自由ですよ」

「僕が手入れしてあげるよ」

「私の髪を手入れするぐらいならあなたの性格を先に手入れしてください

鬱陶しくて仕方がない」

「子供だから仕方がないよ」

「それ、自分で言いますか」

「僕は子供であることも武器だもん」

「こんな糞ガキ、そんな可愛い言葉で片付けてはいけませんよ」


なんだかんだと口論しているうちに東門へたどり着く


「僕ちょっと買い物してくるね~」


ひょいと身軽に肩から降り立つ


「あ、お待ちなさい!」


止めようと手を伸ばす

長いコートで走るのに慣れていないからか簡単に捕まる


「単独行動は許しませんよ」


肩に乗せてジタバタする足を手で固定する


「お母さん、そんな厳しい教育ばっかしてると子供がぐれちゃうよ」

「はぐれようとするのが悪いんです」

「そうやって子供の所為にする~いけないんだ~」


髪をぐいっと引っ張られる

ミーアを殺した後はこいつを殺してやろう


「それで、僕を引き留めたということは魔術陣を破るのに僕の協力が必要なの?」


見込んだとおりこの子供は馬鹿ではなさそうだ


「えぇ、調べてきて欲しいんです

魔術陣の源がどこにあるのか」


魔術というものは魔力の方程式のようなものだ

この世界というものに所有された魔力を自分のものにするため解き、自分の物になった時に世界のものにさせないため自分の方程式をかける

陣というものは文字列という媒体物で魔力を自分の物につなぎ止めるやり方だ

魔術陣を解くにはこの文字列を解く必要がある


「魔術陣の源の場所はおそらく彼らのパーティーの集会所あるいは王家に守られているかのどちらかだと思うんですよ

それでどちらを探索するかなのですが...」

「うーん...僕がパーティーの所に行ったらまずそうだね

マント取られたらバレて捕まっちゃうし」

「...いっそマントを取って行ってみたらどうです?

知り合いでしたらうっかり口を滑らすかもしれませんし

何かしらそれっぽい理由があると匂わせれば捕まらないかもしれませんし」

「えーリスキーじゃない?」

「むしろマントつけて王家に行く方がリスキーでは?」


大きなマントを着けた子供が王城に行く...衛兵に捕まる未来しか見えない


「虎穴はいらずんば虎児を得ずです

私がアースパーティーの方に行っても怪しまれるだけでしょうし」


なぜかムルトパーティーでは普通に通れたが

侵入者ってもっと怪しまれる気がするのだが...?


「それ多分侵入者と思われていないよ」

「心を読まないでください」

「心だけじゃなくて口からも声が出てたもん」

「独り言を勝手に聞かないでください」

「この至近距離でそんな無茶なこと言わないで」

「それよりも侵入者と思われていないとは?」

「僕のパーティーってザ貧民の集まりって感じなんだよ

だからやせっぽちの子は仲間だと思われがちだよ」


実際僕もやせっぽちだしねと非憎げに言われる


「アースパーティーはそうはいかないだろうね

なんなら貴族が一人いるし...あー、一応僕の所にもいるけど」

「貴族が傭兵になるのは珍しいことじゃないの?」

「ううん、珍しいよ

この二人以外で元貴族なんていないよ」

「ふーん...もしかして傭兵から貴族になった子とかいるの?」

「はっまさか」


肩から下ろしてと言わんばかりに拘束している手をバシバシ叩く

仕方なしに手を離してやる


「傭兵から足を洗う子はいても貴族にはなれないよ

本気でなろうとしてるやつは一応一人いるけど」


ブハは肩から降りてエニの腕を引っ張る


「前言ったアースってやつ

僕を引き抜こうとしたやつ」

「...もしかしてアースは君を引き抜いてムルトパーティーを味方につけようとしたのか?」

「多分ね

パーティー制度を作ったのも彼だよ

僕の考えなんだけど、彼は王の座を狙ってる

市民を味方につけて国家を転覆する気なんだ

貴族に成り上がって次は...」

「...それを知った上でミーアは彼を拒絶したのかな?」

「さぁ?

むしろミーアは協力しそうだけどね

彼女は子供たちが幸せになってほしいって言ってたし、無能な国王には呆れてそうだけど」

「へぇ...ところで何探しているの?」


話を進めながら入ったのは呉服屋

服に合わせる髪飾りやら小物も売っているらしく品定めしていた


「私、お金持ってないですよ」

「誰も当てにしてないから安心しなよ」


相も変わらず鼻につく言い方をする

今でもガリガリと言ったことを気にしているのだろうか


「正装していくのですか」

「君がね」

「...へ?」

「王城に行くんでしょう?

だったら着飾らなきゃ!

ちょっと!この子に合う素敵なドレスを」

「ちょっと!」

「かしこまりました」


いつの間にか脇で控えている女性がメジャーを取り出す


「待ちなさい!

わ、私は」

「ではサイズを測らせていただきます」

「せめて服の上からでお願いしますよ!」

「後、靴とか小物もお願い

お金はあるから」

「かしこまりました」

「ヒールなんて履けませんよ!?」

「フラットシューズがございます」

「じゃあ僕は少しでかけるから頼んだよ」

「はい」

「ちょっと!」


声を荒げたが女性から「動かないでください」と短く言われる

そうしてるうちにカランカランと鳴った鐘の音は鳴り止みドアの閉まる音が響く


「素敵な息子さんですね」

「息子じゃありません!」

「し、失礼いたしました」


全くもって不愉快だ

あんなのが息子だったら神経をいくらすり減らしてもきりがない

にしたってこの鶏がらのような体に合うドレスなんぞあるのだろうか


「...。」

「大丈夫ですよ

このドルーワ国には痩せ型の女性も少なくはありませんから

スリーブのついたドレスでしたら胸元も隠せますよ」


無言から察したのか謎のフォローが入る


「もしよろしければですがヘアーアレンジもサービスいたしますよ」

「...前髪以外お願いします」


もうこうなったらなるようになれ

いじめるの楽しい(恍惚)

ちなみに察しの良い方はおわかりでしょうが転生組は性別が分かりづらくなっています


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