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国境越え

「姉さん、どうやって国境を超えるの?」


よいしょとリブはリュックを背負いなおす


「戦場外では国境の境界線上には侵入者察知の魔術と部外者排除の魔術がかけられてるんじゃなかったっけ」

近づくだけで私たちは細切れか煙にされるわよ?」

「でーじょーぶでーじょーぶ、俺に任せろ」

「…まぁ、姉さんが言うなら」

「国境…魔術…」


少し納得のいっていなさそうなリブをよそにボルマーからもらった紙の束を手元に持ってくる

一番初めにティヲの知識日記と書かれている紙の束

紙をめくった次にはいくつかの単語が書かれている

その中に


「ドルーワ国とシュウドン国の国境についてはこれだぞ」


会話についていけていないティヲが日記を開いたことに気づき、文字が読めないティヲの代わりに文字を読み上げる


「ドルーワ国民がシュウドン国へ亡命することが相次いだことに気づいたシュウドン国国王が火竜と氷竜に命じ、戦場地帯外の国境沿いに魔法陣がはられた

火竜と氷竜が姿を消した後、シュウドン国民がドルーワ国へ亡命することを阻止するためにドルーワ国王が衛兵の中でも優秀な魔術師を集め同じように魔術陣を張るよう命じた。

それから国境は戦場地帯あるいは限られた人のみが行き来できる裏ルート以外は誰も通れない」

「ん~…ミーアはどうやって通る気なの?」

「ん~…ちょっと時を止める」

「時を止める?」

「…姉さん、別れの辛さで頭いかれたの?」

「まぁまぁ後で見てなって」


もうと言いながらリブはまたリュックを背負いなおす


「…姉ちゃん手ぶらで手持無沙汰だな~」

「もう十分持ってるでしょ

これぐらい私にさせて」

「…ねーねーティヲ~」


反抗の意思証明としてリュックの持ち手をギュッと握って見せる





これは数刻前のこと

「り、リブ~

いい子だからお姉ちゃんに荷物渡して~?」

「やだ、私も荷物持つから!」

「ティヲもそんなことしなくていいから、ね~?」


フルフル頭を振る様子に困った顔を見せる


「どうしたんだ、二人とも」

「どうしたも何もないわ

ただいたって普通のことをしてるだけよ

自分の荷物を自分で持つ、当然のことじゃない」

「いやいや、俺が一番力あるから遠慮しないで」

「遠慮しないから渡さないのよ

姉さんは一度くらい子供の成長を知ったほうがいいわ」

「そ、そんな~…。」


困った顔のままこちらを見てくるが譲るわけにはいかない

頑として首を縦に振ることはしなかった





「ほら、そろそろ国境よ」


目の前には数週間前に見た風景が。

自分の国を実際に見たのは徴兵に出され、馬車にゆすられている時だけだった


「うん、そんじゃあ二人とも俺に近づいて

範囲とかは詳しく分かんないから…

とにかくひんやりする所にいて」

「…?」


意味を訪ねようとしたが「侵入者を発見してから排除魔術が起動されるのなら」など「前の時を冷凍状態で周りに張り巡らせれば」などと何か考えを巡らせているようだった


「そんじゃいくぞ」


意を決したのかギュッと手を繋がれる




「何も起こらないじゃ…ん?」


先ほどよりもひんやりとした空気が周囲を包み、ふわふわとした羽が降ってくる


「!?なにこれ!?」

「これは…なんなの?ミーア」


ミーアの方を見るがこちらに返事を返す余裕がないようだ

ただ彼女に手を引かれるままついていくしかなかった

チョロインちゃんイきり回です

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