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そういえばこいつ、やらかし体質でした...。

「あなたからの情けは無用!

剣をとった傭兵であるならそんな考え失礼だというのはわかっているでしょう!!」

一瞬宙に浮き、反動をつけ力圧ししようとする

自身の痛みなど気にも留めていないみたいだ

「っ...思っているよりも威勢がいいね、そういうの嫌いじゃない...けど」

顔についた血を舐める


その時

「!?」

アミの体がグラリと揺れる

血で剣がすべり、その隙にミーアは計算された拘束から抜け出したのだ


「俺の性格知ってんだろ?

俺はむやみに人を傷つける趣味は持ち合わせてないって」

咄嗟に二人は距離を離す

「もっとも怪我なしで終わらす気だった俺の実力不足が露天したけどな」

俺もまだまだだなと笑いかける


「...どこまで」

アミは剣を構える

「どこまで私をコケにすんだっ!

私は...私は本気なんだ!」

ダッ!と大地を蹴りまっすぐに突進する

「知ってるさ」

すぐさま受けの構えをとる

「嘘だ!!ずっと守ってばっかで!!!」

ギィイン...と鉄と鉄がぶつかる音が鈍く響く

「俺はな、女が戦場に立ってる時点でそれなりの覚悟してるって認めてるよ」

交差する刃越しに守りにはいっているミーアは全く息があがっていない

「魔術師ならなおさらな」

息があがっているのは

「っ!うるさいうるさい!!」

自分だけで

「私は!負けるわけには」

ハァハァとあがる息

「...もう、いいかな」

張り裂けそうになる胸

「なにg」

ドゥッ

お腹にすさまじい痛みが走り、頭に電撃が走る


「ぁ...ぅ...」


目の前が暗転する



負けられない

私は負けてはならない


パーティーメンバーのためにも

ムルトさんのためにも


ムルトさん...



「ムルト、判定を」

「あ、ああ...勝者ミーア!!」

ワァと沸き立つもの、賭け事に負け悔しそうなもの、こちらへチップをよこすもの

反応はさまざまだ

周りから賛辞の声があがるが応対することなく、崩れ落ちた戦闘相手を腕の中へよせる

「ちょ~っと傷口見せてもらうね」

手の平には勇敢に戦った証

「ここからばい菌入ったらまずいしね」

治癒能力を発動させ、指先が少し冷える


「お、おい!アミは...アミは大丈夫なのか?」

「あぁ、気絶しているだけだ

それに俺の指先の血を細胞化させて分け与えたから手の傷もすぐよくなるよ」

「そうか...」

ほっと安堵した様子のムルト...こいつには心配かけさせたな


だが、もう安心してくれ

「それにしても今回のやつは今までの中で強かったなー」

「み、ミーア?」

突然声を張り上げた俺に驚いてみせるムルト

「こうやってスタン魔法でも使わないとムルトとの決闘時間13分を越えられそうだったしなー」

「おいおい!ミーアどういうことだよ!?」

野次がこちらのあおり文句に乗ってくる...かかった!


「いやなに、この決闘は12分82秒経ってたんだ

そろそろ老後人生に入るってのにこれ以上恥ずかしい結果出したくなかったし、しゃーなしで魔法で気絶させたんだ

ルール違反したし、この決闘は無効だよ~」

「はぁ!?」

「てめぇ舐めた事いってんじゃねぇぞ!!」

うんうんいい返事だ

「なんだなんだ~?

俺は国から「疾風」の名を貰い受けた女だぞ

そんなやつがちんたらやってたとか名折れじゃないの」

「ざけんなっ!正々堂々しやがれ!」

「そこのアマは魔術師だが剣で戦っていたじゃねーか!!」

「そーだそーだ!一人の剣士としてちゃんと戦え!!」

反感が増えてきたね...ほとんどが賭け事してたやつからの言葉なのが笑えるよ

「はぁ?

剣士?

正々堂々?

相手が魔術師?だからなに?

俺はコイツの先輩として指導していただけ

チャンバラごっこで俺の戦績汚すんなら話は別さ」

「てんめぇ...性根が腐ってやがる!」

「そんなやつとは思ってなかった、見損なったぞ!!」

「そんなに過去の栄光が大事なのかよ!!」

ここまで言うと黙っていた連中も食ってかかる


...あ

「...ミーア」

「なんだ?ムルト」

パーティーメンバーを抱きかかえた総長様が声をかけてくる

「今から俺のパーティーの集会場に来てくれないか?」

「用事あるからパ」

「いや、来い」

ぐいっといつもよりも力強く腕を引っ張られる

「今のお前になんの権力があるんだ?」

それをいつものようにそっけなく振り払う

「...権力はないが、」

ことができず腕は繋がれたまま

「友として話したいことがある」

引っ張られる

「っいてぇよ!離しやがれ!」

離せという単語に反応するように手の力を変える

「...。」

強く

今まで味わったことのないほどに強く


周りからは小石が飛んでくる

浴びたことのないブーイングの嵐


「ミーア」

「ねぇさん」

そこに混じる二人の小さな子供の声


ムルトと一緒にいたらしく、ムルトが声をかけた時に酷く驚いた顔をしていた

...こんな所、見て欲しくなかったのにな

「君らはついてくるな、後で会おう」

周りの暴徒にはばれないような声でそっと残していく

「でも...!」

「こっち来んな!ガキが!!」

大声と同時にミーアの蹴りがティヲの頭を掠める

「...汚らしい格好しやがって」


思いっきり顔を歪めてみせる

...すまない、ティヲ

泣きそうになる君を見たかったわけじゃない

リブ、逃げるんだ

俺の血縁者だとばれたら何されるか分からん

ここに集まった連中は特に血の気が多いやつらばっかりだ

...だから!


「はん!隣にいるのは昔からお守りしてやってるリブースじゃねーか

汚い男と仲良くおデートかよ、お盛んだね~

もう夜だし二人きりで宿で泊まった後することすんのか~?」

「こいつっ!」

「なんてこと言いやがる!!」


これで少しばかりは時間が稼げる

...少なくとも二人がこの街の宿で泊まり、明日の朝出発して安全に家につくくらいはな


「...もう、行くぞ」

「へーへー憂さ晴らしでもなんでも付き合いますよ

総長サマ」

男の歩幅が広くなり少し引き摺られる

投げられた石が唇を切り、エールが髪を濡らし、砂は服を汚していく

その拷問が序章に過ぎないことを知っているミーアは目を閉じた




ドンッ!

「うわっはぁ、お優しい総長サマからの足ドンって貴重じゃない?」

「...その喋り方止めろ」

「いや、こういうのって場所にドンつけんだよな?じゃあ壁ドンか?」

「その喋り方を止めろっつってんだろ!」


あの後、アミを医務室らしいところのベッドに寝かせ、ミーアはムルトにされるがままにしていたところムルトの自室らしいところに連れられ壁に押し付けられてそこからは上記のことが行われている

途中で見かけた馴染みがこちらに手を振ってくれた気がするが目を合わせることすら出来なかった


「俺の喋りは昔っからこんなんだぞ」

「...違う」

「違わねーよ」

「違う」

「女のあれこれに夢見るのはいいけどそれを俺にまで押し付けんな」

「ちげぇっつってんだろっ!!」

バンッ!と壁に衝撃が走る

「てめぇの今の喋り方は

...知らねぇヤツに対する言い方だ...お前の遠まわしな拒絶だ」

衝撃と目の前のやつの気迫に耐え切れなかったのか腰が砕け倒れこんでしまう

それに合わせてムルトも馬乗りしてくる

「知らないやつねぇ...」

こういうことを予測していたにも関わらず崩れるわが身を情けなく思う

「案外知らないじゃないのか?本性をさ

俺じゃなくてお前g」

バキッ

右頬にストレートがはいる


「...ここまで来て俺がお前の小手先の嘘で騙されるかよ

もういっぺん馬鹿なこと言ってみろ今度は右っかわにいれてやるからな」

「はっ...それを百も承知でお前についてきたんだ

気が済むまで好きなだけ殴れ、あの子の無念の分もな」

ドゴッ

左頬にもはいる

そうだ、これでいい

「てめぇは...!何も分かっちゃいねぇ!

俺がお前を殴る意味も!

俺が怒っている理由も!

俺が...本当に殴りたいと思っているやつさえも!」

胸倉を掴まれ揺さぶられる

「...。」

「俺はな、その澄ました顔で何もかも隠して勝手に自己犠牲に走るてめぇが昔っから大嫌いなんだよ!」

「...そうか」

「いっつも一人で抱え込んじまって...何でもないようにして

いじめられてた時もパーティーから脱退した時も、そして今回も...!」

「...悪いな」

「っ!本当に悪いと思うなら止めろよ...そうやって口先だけなのも気にくわねぇんだよ」

「...。」

「...それでそういう所が好きでもあるんだよ」

そう言うとムルトは服から手を離し、顔を肩に乗せてくる

「...そっか」

なんとなくだが

ムルトの背中に手をまわし抱きしめてやる

逞しい体なのに寂しさを抱えた背中にそうしてやらなければいけないような気がした

そしてそれに呼応するようにムルトも背中に手を伸ばす

「なんでお前みたいなやつをさ」

力を入れられとうとう背中が壁から離れる

ムルトがミーアのあごに手を当て口が


...ん?

「好きになったんだろうな」

ワッツ!?

「何しようとしてんだ!?」

キスする寸前で手をスライディングさせる

「?キスだが?」


「なんでやねん!」

頭を叩くとスパーンといい音が鳴る

「なんでそういう空気になってんだよ!」

「お、お前がそういう空気にしたからだろぉ!?」

「知るか馬鹿!知ってたまるか馬鹿!」

俺も迂闊だった...まさか、コイツにそっちの気があるとは

「お前なぁ!絵面やっべぇぞ?

これおっさんと見た目男が絡み合ってんだぞ?

世の女性のそういう趣向をお持ちの方でも割と人を選ぶよ?」

「お、おっさん...」

「自覚なさそうだから言っておくけど君は割と老け顔だからな?」

ダンディーと言えば聞こえはいいが俺と同じ年で20離れていそうな顔つきと言われればこの酷評に納得もつくだろう


「てか、見た目男って...

確かにお前は傷だらけだし日に焼けて黒いし筋肉がつきすぎだけどさ」

と言うや否や首元から手を服の中に入れ動かす

「!?

何やってんだっ!」

このまま黙ってまさぐられるままにいるミーアではない、反撃する...が

「おうおうちょっと待ってろ」

片手で両手の自由を奪われる...あれ?さっきから思ってたけどこいつ強くない?

強くなったのか?これがパーティー制度とやらの賜物?

「んー...お、これだこれだ」

目当ての物を見つけたらしくぐいぐい引っ張る

「!ちょっそれは!」

心当たりがあるミーアは拘束されながらも体を捻り抵抗する

抵抗むなしく目当ての物が首元からするすると出てくる

「ほら!俺の思った通り


胸でかいじゃん」

目当ての物はサラシであった

「...。」

「リブちゃんがあの年であれくらいでかいしさ、もしかしたらお前がこれ巻いてる理由は胸でかいからかなって考えててさ」

ミーアが死んだ目を浮かべる中、ムルトは大真面目な顔で推理を披露する


「この胸で女っ気ないってのはないぞ、ミーア!」

誇らしげな笑みを浮かべる


その時

「うああぁぁあぁああ!!ムルトさん!!!

それ以上、ミーアさんに暴力振るうのは止めてくださーい!!」

突然、ドアが開き訪問者があらわれる


「え?」

「ん?」

「あ」

両手を上に押さえられた女のサラシが解かれ、その上に男が馬乗りしている

そこに多分勘違いしているであろう青年がやって来た

この事実にミーアはいち早く飲み込んでいた

そうなれば、とる行動はただ一つ


「いやいやいや、違うからね?

これは友人同士のただの悪ふざけの延長戦だからね?

いやまぁ、片方に下心はあるけどこれには一切関わりないからね?」

「え?...あぁ...いや...」

突然、捲くし立てられても青年は理解できない

寧ろ怪しみ後ずさりを始める

少ししてようやっと現状を理解したムルトも加勢する

(そうだ!ムルト、お前からも何か言ってやれ!)

「大丈夫だ!「まだ」何もしてはいない!!」

「ムレミアさああぁぁぁん!!総長が隊長にぃい!!!」


ここで思い出す

この友人は昔から言い訳が下手で何かと誤解をうけやすい人であることを

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