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いきもの係りの仕事について

作者: 菱田哲

お盆休みの頃に思いついたように家族の了解も得ずにコメットという種類の金魚を飼いだした。

最初は3匹。そして翌日に2匹を追加した水槽は玄関の下駄箱の上にプクプクと酸素が弾ける音と耳障りなエアーモーターの音。今ではすっかり我が家の生活の音として加わった。


寝る前にスイッチを切り、朝起きるとスイッチを入れる。金魚達は早起きだ。

家族の誰でもお構いなく人気を感じるとひとまとわりになってパクパクを立ち泳ぎしている。

いきもの係りは僕なのに誰とも関わらずパクパクと。餌が欲しいのか?愛嬌を振りまいているのか?

こちらもいつの間にか習慣となり日課となると5匹の金魚達が日に日に可愛く感じるものだ。


その日の最初のいきもの係りのお仕事は金魚達のお待ちかねの餌をパラパラと水槽に撒く事から始まる。

5匹の金魚達が必死に餌を奪い合う姿を眺めながら水槽の中を覗き込むと粘土のカス?あるいは消しゴムのカス?のような金魚の糞の確認。専用のスポイトを持って水槽の中を突っ込んで追いかける。

その頃には金魚達は朝の食事を終えてそれぞれが勝手に尾ひれを優雅に揺らしながら泳いでいる。

僕は水槽の中に漂う糞が許せない性分。って事をいきもの係りとなりはじめて知った。

目につく糞は徹底的にスポイトで取る。模造で作られた偽物の水草をどかしてまでもスポイトで取る。

最近、気が付いたのだがその取り除く水量はどうやら2リットルほどのようだ。いきのの係りの仕事の最終作業は新しい水の追加なのだがそれがちょうど2リットルのペットボトル1本と決まっている事にいきのの係り就任5日目に気が付いていた。追加する水は水道水にカルキ抜きの為のハイポという透明な錠剤を数粒入れて金魚達の好む水質にしなければならない。いきのも係りとしては当然の基礎知識である。夜の内に水槽内水質管理の為に追加する水作りもいきもの係りの大事な仕事。2リットルのペットボトルってのはその金魚達の好む水作りに使う容器として使っていた偶然中の偶然。追加の水を水槽に足したらいきもの係りの仕事は無事に終了。爽快な気分にもなれる。


よっし!終わり!いきもの係りの仕事を終えようと水槽から離れようとする時に金魚達の泳ぎをもう一度覗き込む。食事を終えた金魚達の揺れる尾ひれの辺りから粘土のカス?消しゴムのカス?のようなものがぶら下がる。ったくお前達!あ~こいつらのお尻にオムツつけてやりたい。ペットショップの金魚グッズコーナーに金魚のオムツって売ってないものかって思う。金魚達のオムツ。100円ショップにあったら面白いって思う。



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