『マドリード戦記』 人物紹介と用語集
『マドリード戦記』を見てもらって嬉しく思っています。
本作は、惑星パラという地球ではない惑星の、500年前の歴史小説です。
これから戦争編に突入し、色々人名や歴史、用語などが出てきます。
「どういうキャラだったか読み返すのが大変」という事が起きると思い、いくつかこの世界独特の設定など改めてまとめてみました。
ちなみに作中「余談……」という事で出てくる、北の大陸、大陸連邦の事も記載してあります。
そこにはいくつかネタバレになる事もあえて記載してあります。というのも、この『マドリード戦記』は<(架空ですが)歴史小説>という見地で、「読む人は当然未来の人間で、歴史として結末は知っている」という前提です。つまりアリア様は今革命戦の真っ只中ですが、女王になることはすでに明言しております。その上で、楽しんでもらえたらと思って書いているシリーズです。
どうぞよろしくお願いします。
マドリード戦記 紹介
人物編
<アリア革命軍>
● アリア=フォン=マドリード=パレ
本作主人公のマドリード国王女。14歳の時、貴族評議会によって乗っ取られた国を取り戻すため革命を起こす。マドリード国王位継承第一位で、第23代マトリード王となる。ハイ・シャーマン? 国宝機である白の<ヒュゼイン>に搭乗し、その腕はエース級。
政治と戦略の天才で、その才能は幼少期から片鱗を見せ、王アミルの指示により徹底した帝王学や用兵術を学び、大陸連邦の研究を行い革命戦によってその才能を開花させた。ただしそんな自分の才能を嫌悪する事もある。普段は優しく素直でいたって真面目で、誰よりも国民や部下を愛している。そのため、戦場でも演説する癖があり、その演説は味方を魅了する。それが高じて後に「アリア教」というアリア絶対崇拝者たちを生むことになる。趣味は入浴。凜とした愛らしい美人だが、女らしい事は人を束ねる王として相応しくない、という考えを終生変えずドレスなどを着た事は生涯数度しかない。自分のことより国民が大事で、後にその彼女の思想がいくつかの不幸を彼女にもたらす……
後世『歴史上最高の女王』と呼ばれる。
● トジーユン=ミタス
『ランファンの英雄』と呼ばれ、諸国にまで勇名を轟かせる勇者。アリアの白紙委任の要請によって革命軍に参加する。巨大な戦斧槍を操り、白兵戦技ではクリト・エ大陸屈指の腕。武力だけでなく戦術能力や政治能力も高い。革命戦争ではあくまで客分将軍としてアリアに従う。196cmという長身だがゴツさは感じさせない。将軍ではあるが気さくで、年若ながら皆の兄貴株として慕われている。
後に『マドリード栄光の三元帥』の一人として歴史に名を残す。
● ナディア=カーティス
アリアの幼馴染で姉的存在。黒髪褐色で背が高い抜群のプロポーションを持つ美人だが、農奴階級のアダの出身で、アリア個人への(ちょっと過剰なくらい)愛情と忠義は強い。白兵戦も得意だが基本はアーマー乗りでエース・パイロット。アーマーの腕はクリト・エ大陸一と言われている。情報収集など間諜活動も得意で、戦術能力が高いが戦略や政略は範疇外。赤の<ヒュゼイン>に搭乗。『マドリード栄光の三元帥』の一人。
● ザール=フォン=ザナドゥ
アリアの兄弟弟子で共に導師ファルサムから政治、帝王学、魔術を学んだ。シャーマン・マスターで軍師であり参謀長。軍政面の最高責任者で、政治参謀的役割も持つ。クールでマキャベリズムに徹底する軍師で、アリアが正道や綺麗事に傾聴気味なのに対して必要であれば邪道な策謀も行う。ただ本質が腹黒いわけではなく、アリアが正道を進み易いよう邪道な面を一身に受けもつことを自分に課している、という面が大きい。そのため皆がその才能を認めつつも人望という点ではミタス、ナディアほど人気はない。白兵戦は苦手でアーマーも普通くらいにしか乗れない。『マドリード栄光の三元帥』の一人。
● クシャナ=フォン=レーデル
アリア革命軍参加している女性革命家。元子爵家令嬢だが貴族評議会によって爵位を失い家族も惨殺、一族だけでなく住んでいた村も大貴族たちの迫害を受け17歳で家族を失い、結果自ら反貴族武力組織を率いて別名<微笑みの魔女>と呼ばれた。見た目はおっとりとしていて優しい風貌の美人だが、貴族に対してはもっとも好戦的。アーマーと弓の使い手でどちらも超一流。酒が強く酒好きで酔っ払うとアリア愛しが高まりナディアと一緒にアリア愛玩行為を始める。ナディアに次ぐアリアの姉的存在。
● グドヴァンス=サドール
アリアの革命軍の民生担当で、その正体はマドリード国内のアダの大組織をまとめる長老的存在。アダたちを捜査しアリアの革命を手助けする。その結果アリアが王位について後マドリード国内でアダは開放される。文官としてアリアに仕え、後に国務大臣としてマドリードを支える。
● ミーノス=サムン
ナディア同様同郷のアダ出身の青年。マドリード国内に散らばるアダの民兵をまとめている青年でアリアから隊長に推されている。彼自身、アリアやザールには忠誠心が強いが、他の貴族の将校を苦手に思う一面があるがクシャナは例外のようだ。また、ナディアには「ミーノス兄ぃ」と呼ばれからかわれる。
● レイトン=フォン=ローゼンス子爵
ナムルサス公爵家の遠縁で、私兵団をまとめる。元々はナムルサス公に言われ、アリア軍を内部分裂させるために間者として傘下に入るが、アリアの聡明さに感化されていく。頭の回転が早く柔軟で、<アインストック>の指揮を任され様々な戦艦戦術を見せる。
● ユニティア=フォン=フォーレス
フォーレス伯爵家の孫娘で正統伯爵令嬢。貴族としての誇りを高くもっている。正義感は強く、アリアには忠誠を尽く気持ちは強い。元々の能力も高く、すぐにアーマー操縦や戦闘技術を習得した。上級士官の中で唯一、女性用軍服を着ている。
● サザランド=フォン=ウェールバルト伯爵
アリア派に名乗りを上げた伯爵で、クロイス合流の貴族私兵団の中で唯一本人が兵士を率い参加した。性格は貴族というより山師的存在で、これによって一族の名をたからしめようと考えている。豪快な大将肌の男で高飛車なところもあるが憎めない男になっていく。
<マドリード貴族評議会・国防軍>
● アミル=フォン=マドリード=パレ
アリアの父で22代マドリード王。アリアの才能を見抜きアリアに王位を託した。先見の明はあるが彼自身王としては凡庸でその自覚もある。そのためアリアに全てを託している。
● レミングハルト=フォン=サナル侯爵
貴族評議会筆頭で、アミルを傀儡にした張本人。激情家で傲慢な男だが、政治家として、政略家としては一級である。マドリードを荒廃させた張本人だが、彼には別に思惑が……
● クレイド=フォン=マクティナス伯爵
若い貴族評議会評議員で、貴族軍の司令官と首都シーマの警備責任者である。貴族評議会のナンバー2。筆頭伯爵家で軍才と政略眼を持つ切れ者で、レミングハルトに従いつつも絶対の忠誠は抱いていない野心家。ただし派閥としてはレミングハルトに属している。
● 国軍ペニトリー=フォン=グレース将軍
マドリード国軍の大将軍で、マドリード国軍10万の頂点にある。王家に対する忠誠厚いが、外国の侵攻を警戒し国防を守る将軍の職務として中立を宣言している。男爵。
● シュナイゼン=フォン=カラム
マドリード公国軍大隊長だが、政府から乞われ『貴族評議軍』に出向している代理の憲兵隊長。出身は騎士侯で下級貴族。齢24歳と若いが、その辣腕と剣術の腕は貴族評議軍の中からも高い評価を受け尊敬を受けている。盗賊取り締まり方だったが35年4月より「アリア殿下の逮捕」が職務内容に加わった。コーヒーと煙草が欠かせない。後のマドリード中将憲兵総監。
<その他>
● プレセア=ヴァーム
アルファトロスの代表。永世中立の国是を破りアリアに便宜を図り革命軍を後押しする。個人的にもアリアを気に入っており、アルファトロスとしては行過ぎた過度な支援を続ける。アリアに魅入った『アリア教信者』だが、一線を張り油断のできない策防家でもある。女装癖や男色はないが、女性言葉で喋る。
幼少時より神童で、7歳の時科学都市デラトリスの科学技術員の目に留まり科学技術部に引き取られ、英才教育を受けた後9歳の時交換留学生としてアルファトロスに渡る。そこで科学技術を研究する傍ら、16歳より自ら<クラン商会>を設立し、僅か数年で一財産創り上げ、同時に20歳の時アルファトロスの政治局に出仕し、22歳の時代表選挙で代表に就任する。
● スワマン=セージ
ヴゥームの秘書官。冷静でやや毒舌だがヴァームの能力については信頼している。
● フィル=アルバート
大陸連邦最大の公国ソニアの王子で<白銀の騎士>の異名を持つ天才パイロットにして天才軍人であり天才政治家。惑星パラの歴史上最高の天才と呼ばれ、大陸連邦にてアリア以上のアーマー運営と作戦能力を持つ。恐らく……いや間違いなくこの時代最強の男。
……余談の中で頻繁に出てくるのでここで紹介するが、彼自身は北の大陸、大陸連邦の人間で『マドリード戦記』には登場しない。(しかしアリアにとってフィルは人生を変えたある種の師匠的存在であり、後に宿敵となる)
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<地理>
● マドリード
本作メイン舞台となっている国。クリト・エ大陸の東中央にある国で、科学都市アルファトロスと隣接している。基本は農業主軸の国で、46の大貴族が内閣である貴族評議会を作り、王が裁可を下す専制国家。国土はクリト・エ大陸の中で二番目に小さい。
● アルファトロス
クリト・エ大陸に二つある科学都市国家。スレ・クル湾に面し、海上貿易と、飛行石に帆を張った飛行船の空上貿易で栄える経済都市で商業と科学開発が盛ん。人口は約40万。都市の中央に、<タワー>と呼ばれる約80mの巨大ビルがあり、この建物にこの科学都市の知能というべき『科学技術処』と『自治政治局議会』と自治政府直轄の商業局、それに関係する民間会社などが入っている。パラ歴2077年に都市国家として成立、以後国王ではなく、議会によって選ばれた<代表>が政治と経済の全権を持つ。<代表>は基本終身任期だが、辞退することはできる。
● クリト・エ大陸
惑星パラの南半球にある大陸。(大きさはオーストラリアの1.5倍くらいです)
6つの国と2つの科学都市を有している。クリト・エ大陸は半戦国時代で、各国とも争いが絶えない。基本どの国も君主制を布いている。最大の国土を持ち、最大の脅威は大陸の西半分を支配するザムスジル帝国である。この帝国は後に大陸統一のため大戦争を起こす……(それが『マドリード戦記・女王編』です)
● 大陸連邦
北の大陸(ユーラシア大陸を一回り大きくしたくらいの大陸です)の8割を治める巨大国家。9つの大公国の連邦制度で、大きな舵取りは大公が集まり評議会を作り、その中から帝王を選出して政治にあたる。各公国それぞれ内治と法律があり、大統領制合衆国の形態にどちらかといえば近い。他に連邦議会があり、議会は貴族院と民政議院があり、一部議会制民主制度を用いている。科学都市は全国で26あり、科学技術はクリト・エより20年、民度は50年は進んでいる。クリト・エと違い、農奴であるアダや奴隷制度はない。また国によって違うが貴族特権もそれほど強くなく、貴族もそれほど威張っていない。
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<用語>
● アーマー
<人型汎用機動兵器>の事。人型をした機械の戦闘用搭乗機で、サイズは3~8m前後とばらつきがある。胸部もしくは頭部に当る位置に操縦する人間が入り動かす機動兵器である。対人用&対アーマー用に巨大な剣や槍、盾、または爪を装備。その他巨大な火砲やレーザー砲、粒子砲なども搭載している。一部のオリジナル・アーマーは対ビーム兵器用のビームコーティングやバリアーを有するものもある。
アーマーは、はるか大昔一度滅びた『栄光の人類』が残したロストテクノロジーで、それを発掘し、改良などを加え復元し、ようやく使用していたため、歴史は古いがその性能を発揮できるようになったのはパラ歴2200年以降の事。
アーマー自体はパラ歴2000年頃から戦場での使用されていたが、基本高貴な者の身分を現すものであったり指揮官のステータル・シンブルで活躍はほぼ単機のみで戦争の主体となることはなかったが、パラ歴2320年頃大陸連邦にてトリエ・アーマーの研究と同時に戦争の一翼を担うようになる。クリト・エ大陸ではアリアが初めて集団戦での運用を確立させる。
● オリジナル・アーマー
『栄光の人類』のロストテクノロジーの多くをそのまま使用したアーマー。主に動力や武装など『栄光の人類』当時のものを利用している。性能はピンきりだが、多くは高性能。主に王族、軍指揮官などが身分の誇示するためのものだったが、やがて戦場の華となる。多くの名機はオリジナル・アーマーである。国宝機や王族専用機はワンオフ物が多い。
● トリエ・アーマー
大陸連邦アーマー科学技術者トリエ=ロドウィンによって、現科学力をもってエルマ粒子をエネルギー源としたトリエ・アーマー第一号タファスの開発に成功、量産化にも成功した。その後開発が進み、ガノン、ゲドムと量産されていった。それら現代アーマーの総称を<トリエ・アーマー>と呼ぶ。性能はオリジナル・アーマーに劣るが生産力は段違いで、大陸連邦の戦争は瞬く間にアーマー主軸の戦争にと変化していった。特にパラ歴2338年制式採用されたゲドムは高い汎用性と手軽なカスタム性でオリジナル・アーマーに近い性能を有し、長く主力アーマーとして活躍する。尚、パラ歴2351年、予算度外視のワンオフながら、ついにオリジナル・アーマー最高傑作機ギャム・フィンを凌駕するナイバードが作られ、以後オリジナル・アーマーの発掘して改良する歴史に幕が下りる。
● エルマ粒子
アーマーや飛行船など動かしている特殊な粒子。圧縮して高速発射すればビーム粒子砲として使用できる。また、盾状に成形出力すればバリアーにもなる。また大きな物を動かす動力源として使われる。エルマ粒子のもう一つの特徴は、大気中に粒子濃度が上がればエルマ粒子以外の科学燃焼反応を著しく低下させる。そのためアーマー(や戦艦)が主軸となった戦場において火砲、銃は無用となり戦場から消えていくこととなる。
● ヒュゼイン
マドリード国の王族専用オリジナル・アーマー。<白機>と<紅機>がある。全長7mと、大型機に属する。オリジナル・アーマーとしての完成度は高く、世界でも五指に入る性能、戦闘力を持っている。ビーム粒子砲が主力兵器。<白機>はアリア専用、<紅機>はナディア専用機。
● アージェンス
クリト・エ大陸の貴族、軍で広く使われているオリジナル・アーマー。主に軍の指揮官機として使われている。全長5mで、手に大きなランスを持っている。長く広く使われているため小改良が加えられているケースが多い。(アージェンス改、ローゼンスも改良機)
オリジナル・アーマーとしては中の下。
● ナイアザン
大陸連邦の隊長用オリジナル・アーマー機。全長5m。アージェンスとは別系統だが、大陸連邦、クリト・エ大陸西部(ザムスジル帝国)では共に広く使われている。革命戦後半、アリアも10機だけ入手し、親衛隊機として使用する。長槍の他、左腕に一門ビーム砲を内蔵している。
● ガノン
初代トリエ・アーマー、タファスの進化型。全長4m。大陸連邦初代制式トリエ・アーマー。白兵戦用に巨大な爪を持ち、左腕にビーム砲を内蔵している。アリア軍の主力アーマーで、後にクリト・エ大陸で広く使われる。
● ギャム・フィン
大陸連邦の大国ソニアの王族機。世界にたった一機しか存在しないオリジナル・アーマー最強機でフィル=アルバートの愛機。全長6m。白銀にコーティングされた美しいオリジナル・アーマーで、ビーム主体とし、6門のビーム粒子砲に加えビームソード、ビームシールドを有している。最大の特徴は残像すら見せる加速力と拡散粒子砲。その出力によって短時間だが空中戦も可能。あまりに高性能すぎて誰も扱え切れなかったが天才フィルと英雄アーガスだけが乗りこなす事ができた。
(『マドリード戦記』では登場しないが、余談で出てくるのであえて記載する)
● ゲドム
トリエ・アーマーの金字塔というべき傑作機。パラ歴2338年開発、制式。オリジナル・アーマーに匹敵する性能を持ちながら各パーツ取り外しが出来、武装も色々カスタマイズできる。全長4m~5m。生産性と汎用性が非常に高く、カスタム・ベースとして広く使われる。大陸連邦が消滅するまで制式アーマーの座にあった。クリト・エでは唯一マドリードが輸入し使用する。
(『女王編』にて。『革命編』でも余談で出てくるのであえて記載する)
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● 飛行船
ロストテクノロジーによって浮力を得た飛行石を利用した空中船。これにエルマ式エンジンをつけることで飛ぶ。船によっては風力を受けて進む飛行帆船も存在する。これに火砲、ビーム砲などを搭載したものが戦艦として使用される。飛行船の登場はパラ歴2100年頃からまずは商業用として発達した。飛行石は、それぞれの地方に存在する空島の石を切り取り加工して作られる。マドリードに空島はない。小さいものは20mくらいの商船から、180mもある大型船も存在する。鉄製から木製まで色々。
● 純エルマ式戦艦
飛行石をほとんど使わず動力源をエルマ粒子式エンジンのみを使用してできた飛行船。ほとんどは鉄張りの設計で、風や気流の影響をあまり受けず、高速と高い防御力を有する。この時代(『マドリード戦記・革命編』)でこの軍艦を所有しているのはクリト・エ大陸ではアリア軍だけ。大陸連邦でも30隻前後しかない。第二次世界大戦から第三次世界大戦にかけて劇的飛躍を遂げ、第三次世界大戦では全軍の主力戦艦は純エルマ式戦艦となる。
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● シャーマン
魔法使いの事。基本は自然の力を操る幻獣と契約し、小さな赤い水晶……魔晶極石を媒体とし魔法を発動させる。いかに上級の幻獣と、数多く契約できるかで使える力は違う。そして、五大属性のうち3つ以上の上級幻獣と契約できた人間をシャーマン・マスターと呼ぶ。ただしシャーマン・マスターは全世界で30人ほどしかいない。また、クリト・エ大陸は北の大陸に比べシャーマンが圧倒的に少なくシャーマンの存在は稀。
(『マドリード戦記・革命編』で出てくるシャーマン・マスターはザールだけ。アリアはシャーマン・マスター並でシャーマン・マスターではない)
大陸連邦やザムスジル帝国では、特にシャーマンだけ集めた戦闘部隊も存在する。
● ハイ・シャーマン
<歴史の寵児>と呼ばれる特殊な存在。逆説的だが、ハイ・シャーマンは非常に優れたシャーマンの才能を持ち、多くはシャーマン・マスターに覚醒する。それだけでなく白兵戦やアーマー操縦に優れた才能を持ち、政治、軍事について卓越した能力を有する。その才能故、歴史に登場したハイ・シャーマンは一人の例外もなく勝利の英雄として歴史に名を残す伝説の存在。見極めは魔晶極石なしに魔法が使える事、<王覇>と言われるオーラを発し、そのオーラに充てられた人間を屈服させ、人の殺気や感情に敏感に反応し、第六感能力が覚醒する……と言われている。一番の特徴は、ハイ・シャーマンはハイ・シャーマン覚醒の自覚が明確にある事だといわれている。これまで世界で一人だけが覚醒すると言われてきたが、ほぼハイ・シャーマンとしての能力を持ちながら自己覚醒のない<半ハイ・シャーマン>が存在する、と分かったのは後にも先にもこの時代だけである。歴史研究家の中では<半ハイ・シャーマン>とは呼ばず<デア・ハイ・シャーマン>(<準ハイ・シャーマン>という意味)と呼称したりする。
尚、特異な能力と苛烈な人生を送る反動か、ハイ・シャーマンは晩年必ず『英雄膠原病』と言われるハイ・シャーマンだけがなる多臓器不全を起こす原因不明の膠原病で命を落とす。もしかしたらもっとも明確なハイ・シャーマンの見極めは、その死かもしれない。
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<余談……>
※ ネタバレも含んでいますので気になる方はここからはスルーして下さい。
● 『蒼の伝説』
大陸連邦のハイ・シャーマンの英雄アーガス=パプテシロスと天才フィル=アルバート二人の軌跡を描いた長編戦記小説。
『マドリード戦記』と同じく作者はジョン=ペンドルトン。
同時代の大陸連邦で起きた
<大陸連邦分断戦争>第一次世界大戦(パラ歴2337年~2340年)、
<英雄群雄戦争>第二次世界大戦(パラ歴2346年~2348年)
<崩壊戦争>第三次世界大戦・前期(パラ歴2352年~2354年)が舞台。全世界統一国家フィルニスト帝国樹立までが描かれている。アリアは第二次世界大戦で、アーガスとフィルの宿敵として登場する。
細かい人間を入れるときりがないので人物は重要なキャラだけにまとめさせていただきました。
アーマーのことやアーマーの歴史などは、本作中にも一応いれているのですが、こうして整理したほうが分かりやすいですね。
多分、本編をよく読んでも分かりづらいのは北の大陸、大陸連邦に関することかな、と思って今回大陸連邦の紹介や、フィル=アルバートの紹介は入れてみました。フィルさんは本編には一度も出てきませんが、アリア様に色々影響与える人物になるのと、惑星パラの歴史上「誰もが当たり前に知っている偉人」なので説明を入れてみました。
最後の『蒼の伝説』は、オマケです。厳密には『マドリード戦記』とは関係ありません。
ただ、北の大陸連邦の歴史を知る上では必要な説明でした。『蒼の伝説』は、『マドリード戦記』の姉妹作なのです。こちらのほうも、いつか書くと思いますが……説明文にある通り、長いのです……20年近く、英雄アーガス君とフィルさんを追って描かれた超大作……いつかけるかワカリマセン(笑)でも、ほぼ同時代の物語であると知ってもらえれば、今後『マドリード戦記』を読む上で一つの補助になると思います。
『蒼の伝説』は、初稿は出来てる作品……完結までぴしっと終わっている作品なんですが、とにかく長い……(笑)そのうち、頑張って書きます。
今後とも、『マドリード戦記』をよろしくお願いします。