『マドリード戦記』 王女革命編 43 王の資格⑧
『マドリード戦記』 王女革命編 43 王の資格⑧
玉座で対面するアミルとレミングハルト候。
二人の最後の会話が交わされる。
銃声が、響き、倒れたレミングハルト候。
だが、アミルは王として、最後の役目が残っていた。
アリアの革命、最大の事件が待っている。
王宮の5階の一番奥に、謁見の間がある。
謁見の間がある関係で、このフロアーは天井が高い。
マドリード王城ハーツティス公式行事用の謁見の間は王城内苑部に作られていてこちらはかなりの大きさを誇っている。大貴族や上級軍人が一同に会し、外国王族など要人など迎えるのは内苑謁見の間のほうで、こちらは絢爛豪華な装飾と美術で彩られている。一方王宮にある謁見の間は国内用に作られたもので、こちらは身内用に使われる事が多く、大きさもさほど広くはない。もっともよく使われるのはこちらのほうだ。
不機嫌なレミングハルト候がその謁見の間に入ったとき……彼を不機嫌にさせている元凶は、暢気に自分の玉座に座り大窓の外を見ていた。
「1分1秒も惜しいこの時に、随分我侭をいうものだな、アミル!!」
アミルは王座に深く腰掛け、手の中のブランデーボトルを撫でていた。足元にグラスが二つある。
「18年……ずっと座ってきた私の席だ。マドリードを去るに至り感慨に深けさせてくれてもよかろう。もう、ここは私の物ではないのだから」
「3分と言ったのはお前だアミル。娘とも対面させてやっただろう、未練や泣き言はやめてもらおう」
「そうか。……そうだな、アリアと会わせてくれたことは感謝している。その感謝の気持ちとして、せめて二人だけで一杯酒を酌み交わしたいと思ってな。この国と別れをつげる気持ちの整理にも……」
そういうとアミルは立ち上がり玉座を降りると床に座り、グラスに酒を注ぎ始めた。レミングハルトはアミルと違い感慨も郷愁もなく、一直線にアミル目指して歩いた。
アミルは二つのグラスにブランデーを注ぎ終え、ボトルを置くとグラスを一つ取った。
「そう急ぐことはない。この玉座の裏にエレベーターがあり秘密通路に通じている」
「知っているよ」
王城ハーツティスは王家の住む宮殿であり、政治を取り仕切る政庁であり、軍事要塞でもある。実は秘密脱出通路は主な施設全てにあり、地下を通って空挺場の倉庫の一つに繋がっている。この事は王家の者とマドリード国宰相だけが知る秘密であった。アリアは知らない。その事を教える前に民間に逃れたため王女だが存在を知らない。
「在位18年、今日で私の王としての歴史も終わる。そして……約350年続いたマドリードの終焉に我らは立ち合っている。私の名前も、お前の名前もマドリードの最後の歴史を飾る事になったのだ。乾杯をするに十分な理由になるのではないか?」
「アリア殿下が無事続けてくれるよう願うのだな」
「いや……あの娘はマドリード王国など気にもすまい。王女という地位も、関係はあるまいよ。さっきあの娘が宣言した通り、アリアはマドリード王女の地位など関係なく王となる。別にマドリードを名乗らずとも新しい国をつくるだろう。もうマドリードという国は、終わったのだ。私たちの代でな」
レミングハルトはアミルの目の前まで来た。彼は不機嫌そうに、床に置いてあるグラスを取り持ち上げた。
「アリアの事は、このへんにしておこう。娘自慢ばかりをすると愚父だと広言しているようなものだ」
「もうじき3分だ。時間がない」
「お前には色々詫びる事がある。私は、お前を裏切った」
「その通りだアミル。お前は私との約束を破っただけでなく娘に現を抜かし性根を腐らせた! 娘可愛さに国政を過ったマドリード史上最大の愚王だ」
アミルとレミングハルトは幼馴染で、成人するまで兄弟以上の仲で育った。
二人はマドリードの権力と強欲に取り付かれた大貴族たちが牛耳る貴族評議会と貴族院に嫌悪し、それらを一掃する計画を立てた。そのためレミングハルトはバルド王国に接触しバルド王国と秘密軍事同盟を結んだ。一方若きアミルは10代後半から老父の先王に代わり王子宰相として国内の政治を切り盛りし貴族の力を抑え、富国強兵を目指し国権強化に努めた。共に時期を見計らい一気に軍事独裁政権を樹立させ強固なマドリードを築く事を目指した。さらにアミルはレミングハルトと強力な連携を作るためナサル侯爵家の親戚のトノクーレ子爵家令嬢クラリエスを妃に迎えた。同時期レミングハルトも結婚した。
二人は誓い合った。自分たちの子供たちを婚姻させ、より完璧な権力の牙城を築き上げ愚かな大貴族たちを廃し絶対権力を築ける……と。ナサル家に二人の娘が産まれた。後はマドリード家に王子が産まれれば、絶対権力が生まれ国を新しく作りなおすことができた。しかし産まれたのは娘だった。それがアリアだった。
最初の頃……鋭気逸るアミルは娘だったことに落胆した形跡がある。この頃はまだレミングハルトと一体だったのだろう。だが妻クラリエスの愛情でアミルは変わり、娘を愛するようになった。そしてその頃アミルはユイーチ=ロレンクルと出会い、そこで彼はアリアの才能を知った。
ハイ・シャーマンとして世に生まれた、約束された英雄の才能。
アミルは僅か4歳のアリアをレミングハルトに無断で王位継承第一位に任命し、彼女をユイーチと導師フォルサムに託してしまった。
アミルは変わった。
英気があり聡明だった若き王は、ただの父親になってしまった。軍備拡張より平和を求めるようになり、改革の志は後退し鋭気を失った。レミングハルトと意見の衝突が起こるようになった。
そんな時……レミングハルトに手を差し伸べた勢力があった。汚職と強欲と権力の座にしがみつきたい、彼が嫌悪し続けた貴族評議会だ。貴族評議会は自分たちが生き残り続けて権力の蜜を吸うためレミングハルトを若き首班に頂いたのだ。レミングハルトは変節した……というのは偽装で、彼はアミルとの当初の約束をアミル抜きで進めることとした。ただしマドリード王国を見限り、バルド王国との共存を選んだ。レミングハルトはマドリード王家を傀儡にするため、アミルを軟禁し、接触してきた貴族評議会を焚きつけ彼らを増長させ腐敗の芽を国土全域に広げさせた。腐らせ、貴族たちを躍らせて国内をボロボロにし、怨嗟を集めさせ、マドリードの国の膿という膿を出しつくさせた。そしてそれが頂点に達した時、バルド王国がマドリードを乗っ取りマドリードは新生する……。
アミルも、途中までは協力的だった。しかし第二王女クリスが生まれたとき、レミングハルトはマドリード乗っ取りが合法的には行われない現実を知った。アミルとレミングハルトが完全に切れた瞬間だっただろう。
レミングハルトはアミルを切り捨て、野望に向け独走した。
そしてマドリードは屋台骨まで十分腐った。そして限界寸前まで来た時、バルド王国の進攻より早くアリアが立ち上がった。そしてアリアの決起を事もあろうかアミルは知っていた。
レミングハルトの中でアミルは裏切り者の腰抜けと変わった。もうそこに友情はなかった。そしてどういうわけか、アミルはレミングハルトに逆らわなくなった。その事も、レミングハルトは憎々しかった。あの若き日の誓いと友情をアミルは一方的に捨てたのだ。
アミルは言った。「アリアが生まれたからだ」と。
今のアリアの活躍からみればアミルがアリアに期待した理由も分かる。若干14歳にしてアリアは天賦の才と強いカリスマを持ち覚醒した。聡明で卓越した政治手腕を持ち、情に流されない鋭い戦争の天才だ。レミングハルトが長年かかったマドリードの腐敗貴族の打倒をあっさりやってのけている。
伝説の英雄にしてマドリード開祖クエス=フォン=マドリードの再来……いや、その才能はアリアのほうが上かもしれない。クエス女王が覚醒したのは18歳、アリアは14歳以下だ。クエス女王は多くの大貴族から擁されていたのに対しアリアはほぼ独力だ。(むろん二人が生きた時代が違うが)
本来正義に燃えた若きレミングハルトの理想とアリアの理想は共闘できたかもしれない。しかし年月がレミングハルトの立場も思想も変えた。レミナングハルトは権力と陰謀の袋小路に陥り、アミルはアリアという輝く存在を創り上げた。二人は真逆の方法をとった。もう帰れない……。
「私はお前に詫びても詫び切れぬ。お前を取り返しのつかない悪人にしてしまった」
「感傷はいい。そう思うなら最後まで付き合ってもらう。バルドはいい国だぞ、アミル」
「それは滅びの道だ、レミングハルト」
「では滅びに乾杯しよう」
「そうだな。乾杯しよう。滅び行く時代遅れの我らの行く末に」
二人は軽くグラスを当てた。
そして一気に飲み干そうとしたアミル。その瞬間、レミングハルトはアミルのグラスを叩き落とした。
「…………」
「毒酒を酌み交わすつもりはない」
そういうとレミングハルトは自分のグラスも投げ捨てた。
「残念だ。せめて一緒に死ねばこれまで犯した罪を注ぐことができたであろうに」
「お前の考えなど全て分かっている。お前が神妙に従っていたのもこの機会をずっと待っていたのだろう? 生憎私はお前のようなロマンチシズムに酔った馬鹿ではない」
「お見通しか」
「毒杯で過去を一掃するという点、思考方法は同じようだがね」
レミングハルトは肩頬を釣り上げ笑った。
貴族評議会員や大貴族たちは自分の意志で毒酒をあおり自殺したわけではない。レミングハルトが毒を盛って殺したのだ。あの愚かなで根性のない連中が自殺する勇気などあるはずがない。レミングハルトが巧妙に手配して死なせたのだ。
アミルの毒の入手先はおそらく潜入したアリア軍からだろう。<グアン・クイム>の機動鍵が奪われたと知った時、あの技師たちがアリア軍関係者であると察した。
「こんな茶番に付き合ったのはな、アミル。お前の希望を打ち砕くためだ。お前など無力で生きる価値などない。全ての贖罪の清算するため、生きつづけて貰う」
「もう諦めろレミングハルト。一度しか言わぬからよく聞け。大人しくアリアに降伏するがいい。私が口を利く。共に隠退し静かに暮らそう」
「お前と隠退だと!? それは悪夢以外の何物でもない」レミングハルトは一笑すると、背を向けた。
「もう何も言うまい。我々の時代は終わった」
アミルもゆっくりとレミングハルトの後を追い歩く。だが、三歩ほど歩いたところでアミルは傷の痛みを訴えその場に蹲った。これにはレミングハルトもついに苛立ちを押さえきれず感情のままアミルを蹴り上げた。アミルは倒れ、激しく咳き込む。
……玉座の裏にあるエレベーターを使うしかないな……!
「もう優しくはせんぞアミル! さっさと立て!!」
強引に引っ張り上げようとするレミングハルト。そのレミングハルトの腕を、アミルは強く握った。レミングハルトは振り払おうとしたが、どこにこんな力があるのか全く動かない。
レミングハルトとアミルが、掴み合うような形で止まった。
アミルは、哀しそうな表情を浮かべる。
「我らの時代も終わりだレミングハルト」
「何を言う――」
その時……一発の銃声が謁見の間に響いた。
「…………」
「先にいって待っていろレミングハルト」
レミングハルトの口から血が吹き出し、そしてその場に崩れた。左胸に穴があき、そこから夥しい血が流れていく。アミルの手には、小さな短銃が握られていた。ナディアが毒と共に自殺用に手渡していたものだ。
レミングハルトは数秒間、アミルを睨んでいた。そしてポケットから小さな回転拳銃を取り出したが、彼の力はそこで尽きた。銃も床に落ち、そのまま崩れるように倒れ込んだ。
レミングハルト=フォン=ナサル侯爵……死亡。
「……すまぬな、レミングハルトよ。この上は安らかに眠るといい」
アミルは、息絶えたレミングハルトの横に座り込むと、手に持っていた短銃の弾を確認した。自殺用に用意された単発短銃でもう弾はない。銃を捨てた。
しばらく……レミングハルトの傍で、アミルは座っていた。
やがて人の気配を感じ、アミルが顔を上げると、そこには見知った金髪の女が立っていた。テレサだった。
アミルは疲れきった顔でテレサを見上げた。
「レミングハルトは死んだ。君も自由だ。好きにしたまえ」
「テレサロッサです。アミル王」
「君の名か? よい名前だ」そう答え顔を落としたアミルは、しばらくして何かに気付き、顔を上げた。その顔には驚きがあった。
「テレサロッサ=フォン=ナサルか?」
「そうです陛下。そこに横たわっているレミングハルトの娘です」
「……なんと……そうであったか」
そう答えたアミルの顔は、これまでとは別人のように顔に生彩が甦り驚きが表れていた。
……レミングハルトは自分の娘を伽に出していたのか……!?
侯爵令嬢となれば王女に順ずる大貴族の大令嬢で貴人であり、いくら王相手とはいえ夜伽の相手など卑賎な役目をするような身分ではない。だがレミングハルトは自らの娘すら政争の道具として使った事になる。レミングハルトが欲したのはアミルの子種だ。それがあれば彼はその子を擁立しマドリードの権力を完全に手にする事ができるし男児であればアリアを脅かす存在にも為りえる。長子より男子に相続権が強かった時代だ。アミルもレミングハルトの意志は知っていたし彼のために多くの女性と夜を共にしてきたが、それでもまさか自分の娘を差し出しているとは思いもしていなかった。
それほどまでにマドリードが欲しかったのか……それともお互いの子を婚姻させるという昔の約束をこのような形で果たすことでアミルに何かしら訴えたかったのか……アミルにはレミングハルトの執念のようなものを感じずにはいられなかった。
そういえば15年前……レミングハルトの屋敷で何度もナサル侯爵家姉妹と遊んだ記憶が甦った。確かにその時、一人の娘は「テレサ」と呼ばれていた。今顔を見ると、その幼女の面影はしっかり残っている。どうしてこれまで気がつかなかったのか……。
しかし、その驚きもすぐに消えた。
「テレサロッサ侯爵令嬢。私には君にかける言葉がない。数々の無礼、申し訳なかった。だがもう忘れよ、テレサロッサ令嬢。もうじきアリアがここに来る。アリアに保護を求めよ。平凡だが幸せな人生を送るがよい」
そういうとアミルは毒の入ったブランデーボトルに手を伸ばした。テレサに降伏を勧めたのはアミルなりの愛情だった。アリアなら、この不幸な令嬢の命など取る事はせず、普通の女性として幸せを与えるくらいの度量はあるはずだ。
もはやアミルのするべきことは全てやった。後は迷惑をかけぬよう死ぬことが彼の仕事だ。生きていては、アリアに迷惑をかけるだけだ。
だが、テレサロッサは素早く動くと、アミルからブランデーのボトルをそっと奪い取った。
「アリア様は、私をお許しにはなりません」
「それはない。アリアは大貴族を嫌っているとはいえ罪のない貴族子女を殺すような人間ではない。安心して降伏しなさい」
テレサロッサは頭を振った。そして、アミルにとって驚愕の一言を口にした。
「私はアミル王の子を宿しております」
「なん……だと」
「アミル王は避妊を心がけておいででしたが、その点ご期待に添えず申し訳ありません」
「……私の……子か……」
「アリア様にとって、これほど嫌な存在はないでしょう。そして貴方が子を欲していない事は存じております。政争の道具になる事は明確……何より、王妃様への裏切りにもなる。貴方は父レミングハルトのため色々自分を殺されてきました。貴方にとって一番の大事はアリア様。そのアリア様を苦しめぬ事こそ貴方の願い。どうせ産んでも誰からも愛されない子であれば産む価値はありません」
そういうとテレサはブランデーボトルを掴み上げ、瓶に口をつけ一気にブランデー……毒酒を飲んだ。
すぐに強いアルコールのため咽たが、それでも毒が回るには十分の量を飲んだ。すぐに彼女は吐血し、その場に倒れた。
倒れたテレサを、アミルは抱きかかえる。
「……せめて……誰かを……愛して……死にたかった……」
「テレサ殿」
「……お慕い申し上げております……アミル……陛下……」
テレサはそういうと、静かに目を閉じた。しばらく苦しそうにしていたが、やがて静かになった。
アミルは一人残された。しかし、もう心は決まっていた。
アミルは最後の力でテレサをレミングハルトの横に並べ、親娘同士手を握られる。時間がない。もうアリアがすぐ傍まで来ているはずだ。
このまま生きていては、アリアを苦しめるだけである。
もう、アリアに伝えるべき事は伝えた。
テレサロッサ=フォン=ナサルの強烈な生き様を見た後だ。ここで逡巡していては彼女に笑われるであろう。毒酒はテレサが倒れた時大半は床に流れてしまった。この少ない量で確実に死ねるかは分からない。アミルはレミングハルトが持っていた回転式拳銃を取ると、その銃口をこみかめに当てた。
「アリアよ。すまぬな……しかしこれで私は死ぬ。お前は自由だ。そして、お前こそ誇るべきマドリードの王だ」
アミルはそう呟くと、目を閉じた。
アミルは引き金を引いた。
そして銃声の後、命の炎を失った王の屍が前に倒れ込んだ。偶然か、それとも最後の願いであったか、アミルの体はテレサの遺体の上に倒れた。それはまるで彼女優しく覆いかぶさるかのように……。
こうして、マドリードの最高権力者二人とその縁に連なる一人の女性は、それぞれ重なり合うように死んだ。レミングハルトにとっては意外な結末だが、アミルにとってはレミングハルトと共に死ねた事は満足であったに違いない。共にマドリードを強国にかえるという幼き頃交わした約束は、こんな形で果たされた……。マドリードはアリアの代で王国から帝国に変わり、パラ史を彩る最強の帝国に生まれ変わる。
アリアがこの謁見の間に到着したのは、これより15分後の事だった。
『マドリード戦記』 王女革命編 43 王の資格⑧でした。
今回、ちょっといい区切りがなかったので長めになりました。
まぁ、こうなるしかないわけですが、こんな形で父王アミルと宿敵レミングハルト候はアリア様の人生の舞台からの退場となりました。
父王アミルが自殺する……というのはずっと触れられてきたことですが、やっぱりいざそのシーンとなると激動を感じます。
もし自殺していなければ、アリア様は政治的に困った立場にもなります。
「父親殺しの女王」はどうしても批判を受けますからね。
もっとも、アミル自身ずっと前から自殺する気で、救出されて余生を過ごすということは微塵も考えていません。そう考えると、実は色々政治家としては聡明だったアミルは、自殺することがアリアに対する最大の愛情であることを知っていたんですね。
テレサ令嬢の生涯こそ、死んだレミングハルト候の野望のひとつであり、彼女の死こそレミングハルト候の敗北を表すものでした。多分、彼女はアミル王を愛が大きかったんだと思います。意自分を政治の道具としてしか考えていない父親レミングハルト候が、愛情深い父親だったとは思えません。彼女もまた政治の被害者で不幸な令嬢でした。
ちなみにあくまで仮に、ですが……もしテレサがアミルの子を産んで、それが男児だった場合……確かにアリアは苦労は始まります。ですが、もしかしたらアリアの悲劇は起きない可能性もあります。そして後の歴史も大きく変わったかもしれません。
そう考えると、本当歴史の面白さを感じます。
今回は、革命を描く上で一番重要な回でした。
これでアリア様の革命勝利は確定しました。
もっとも……平和が訪れるにはまだ事件があります。
ということで、これからも「マドリード戦記」を宜しくお願いします。




