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『マドリード戦記』  作者: JOLちゃん
大陸連邦留学編
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マドリード戦記 大陸連邦留学旅行編21

マドリード戦記 大陸連邦留学旅行編21



模擬戦始まる!

先行し突き放すナディア。

一方アリアは前方の陣営の中。


しかしそれも全て二人の作戦だった。

ついに二人が動き出す!


***


 午後14時……ついに模擬戦闘ゲームが始まった。


 20機のアーマーが模擬戦場に突入する。出発点はそれぞれ違うからすぐには格闘戦に入らない。コースは障害物のある外苑部二周し、その後は全域を利用した混戦となる。


 なので、正攻法としては最初に二周し、行動の自由を得た後まだ周回を巡っている後続に襲い掛かるのがもっとも効率がいい。各連邦軍4機と<マクラリーノ>、そしてナディアの<ベレッサ>は他のアーマーなど気にも留めず、全速で外周部に入り走る。



 出発地点もよく、メンテナンスも行き届いていたナディアの<ベレッサ>が先頭を取り、その後を連邦軍エース、ヴィクトレア=コスモ少佐の新緑にカラーリングされた<ザハルート改>、そして<マクラリーノ>が続き、その少し後に通常カラーの<ザハルート>、ミノール男爵家の<コロバス・レイ>が続き、その後ろにアリアの<ベレッサ>がついた。ここまでが先頭集団で、他はアリアの10~15mほど後ろで団子になっている。



 最初は皆様子見だ。旗の取り合いは起きない。

 だがお互いよりいいポジションを取ろうと、各機動かしあっている。


 その中で、ナディアは完全に独走状態で先頭を維持した。<ベレッサ>の高い機動力もあるが、並の操縦能力ではない。機体は最高速が出せてもそんなトップ・スピードで操縦できるような人間はいない。ここは障害物コースで、コースは目まぐるしく変わる。普通それらを避けつつ後続もいる状態で最高速など出せるはずがない……というのが常識だ。その常識を、ナディアは軽々と破ってみせた。この想定外の展開に会場はどよめき立つ。


 が、ナディアのすぐ後ろを一機のアーマーが追従する。ヴィクトレア少佐の<ザハルート>だ。この二機が先頭を走り、その後<マクラリーノ>が続き、その後ろの先頭集団の団子になっている。



「やるなぁ……ナディアの姉ちゃん! ぶっちぎりだ!」

 思わぬ結果にガルゼンフは立ち上がった。

「そりゃああの程度はやるでしょう」

 ヴァームは驚かない。

 見て分かったが、確かに<ベレッサ>は優れた機動力を持ついい機体だが、二人が普段乗っているヒュゼインのほうが遙かに速く大きい。それに比べればあの程度の速度などなんということはない。




 ……しかしアリア様は突出しない。作戦があるようね……。



 アリアは先頭集団の中にいる。そして他の機と違い自分の位置を何度も変え巧みに動き回っている。

 一歩前に出たくても出られない風に見え、同型だがナディア機より操縦は劣る印象を受ける。


 だがこれは擬態だ。

 アリアの腕ならこの先頭集団を抜け出しナディアに並ぶ事はできるはずだ。




 一周目はどの機も仕掛けなかった。


 二周目に入ったとき、後続組がまず動き出した。まず近くの相手の旗取りが始まった。そして前方組も、隙を見て旗を取る動きが始まった。


 二周目が半分を過ぎようとするとき、ついに動くアーマーは10機となった。優勝候補と目されるヴィクトレア少佐の<ザハルート>と<マクラリーノ>、そしてナディアの<ベレッサ>は旗取りに加わらずコースの先頭を進んでいる。



「成程」

とヴァームは呟いた。ヴァームはアリアの意図がなんとなく分かった。

「最初に仕掛けるのはアリア様ね」


 ヴァームが予見した通りだった。


 後1/4となった時、アリア機の動きが突然速くなった。そして前方を走る二機の旗を一瞬のうちに奪い取ってしまった。 


 これまで並よりやや上くらいの腕と思われたアリア機の突然の動きに前方で団子になっていた集団が動揺した。<ザハルート改>一機を除いて。



 それからアリア機は一気に加速する。

 アリアは観客たちが思わず見惚れてしまうほど巧みな操縦を披露した。その腕は先程公開された大陸連邦軍のアクロバット操縦に引けを取らない。


 こうしてアリアに注目が集まった隙を突き、まずナディア機が二周目を終えた。そして<ザハルート改>がその後に続き自由となる。


 ナディアはすぐに反転し、後続組に襲い掛かった。

 後続組は元々アーマーにそれほど慣れていない一群だ。そして連中は前方の決まったコースしか走れない。自由に動けるナディアの敵ではない。


 ナディアは瞬く間に3機の旗を奪い取った。


 この活躍に、会場は一気に盛り上がった。



 が……本番はこれからだ。





マドリード戦記 大陸連邦留学旅行編21でした。



ということで模擬戦真っ最中です。

まずはアリアたちの作戦勝ちで順調に戦績を伸ばしましたが、大陸連邦のエース機はまだ残っています。

これの後、両エースの衝突となります。

機体性能はほぼ同じレベルですから、腕と戦術の見せ所ですね。

なんだか久しぶりのアーマーのドッグファイト描写です。

実は戦記モノで政治と戦略戦術中心のマドリード戦記でアーマーの戦いの描写はそんなに多くないんです。これが「蒼の伝説」だとアーガス君はアーマーのパイロット英雄なのでアーマー戦描写が多いんですが、アリア様は女王なので。でもこれからもなくはないです。


ということで模擬戦編は次回、エース対決!


これからも「マドリード戦記」をよろしくお願いします。

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