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ついに入国!!

森を出て、ウンディーネに教わった方角をまっすぐ歩いて、途中で(本人曰く)ジョギングをして、日が暮れる前にはそれが見えてきた。


「お、見えてきた!アレがシュベリア王国、かな?」


今リュートの目の前には、目的地であるシュベリア王国の門と城壁が見えている。


外側は魔獣の侵入を防ぐための大きな外壁があり、それらがずっと先の方まで続いている。相当大きな外壁だということがわかる。残念ながら街の風景は見えないので、入ってからのお楽しみだ。


「よしッ、いよいよ入国だッ!…………ん?なんだろう、見られてる?」


いよいよ中に入れると意気込んでいたリュートだが、周囲の視線が自分に集中していることに気が付いた。


この門には冒険者や商人など、様々な人間が通る。今、彼らの視線はすべてリュートに向けられているのだ。


「なんだろう?まあいいや。門番さん、入っていいかな?」

「……へッ?……あっは、はい!あの、証明証などは……」


呆けていた門番の兵士は、リュートに声をかけられたところでようやく我に返ったようだ。自分の職務を全うしようとするが、やはりどこか様子がおかしい。


「証明証?持ってないけど……ないと入れないの?」

「なっなら銀貨一枚出してもらえれば……」

「ああ、銀貨ならもってるよ。……これでいいかな?」


ウンディーネから選別として貰った金を、さっそく使う時が来た。袋の中から銀貨を1枚取り出し、門番に手渡しする。


「はい、では……ようこそ、シュベリア王国へ!」








「へぇ~、これが国の中かぁ。結構賑やかなんだな~」


リュートにとっては初めての王国に、少しばかり感動しつつ、風景を楽しんでいる。


すれ違う人々や店の販売人などは、やはりリュートを見て立ち止まる。女性たちに至っては、頬を赤く染めて、呆けているほどだ。


しかし、リュートは全く気にしていない。ここまで来ると、さすがのリュートも思い出した。自分の顔は、普通ではないほどの美青年であったことに。ずっと自分の顔など見ていないし、これまでは会話のできる相手と言えば姉兼先生のウンディーネぐらいだったため、すっかり忘れていたのだ。



そのとき、リュートの目にあるものが映った。それは地球では「りんご」と呼ばれているものだった。


リュートを見て呆けている店主であろうおばちゃんに近付き、声をかけてみる。


「おばちゃん、それってなんていうんです?」

「……あっああ、これかい?これはアポルの実って言うんだよ。甘くて美味しいんだ。一個銅貨一枚だから、よかったらどうだい?」

「じゃあ二個ください。銀貨しかないので、お釣り、お願いします」


そう言ってリュートは銀貨を払い、銅貨8枚とアポルの実を2個もらった。


「そうだ、おばさん。冒険者ギルドってどこにありますか?」

「おや、この国は初めてかい?ギルドならこの道をまっすぐ行けばすぐにつくよ」

「本当ですか?どうも、ありがとうございます」


快く教えてくれた店のおばちゃんに礼を言い、リュートは再び道を進みだした。その後ろでは、おばちゃんが顔を赤くして悶えていた……。


「このアポルの実、見た目はりんごそのものだけど、味はこっちのほうが美味しいな」


シャクッというみずみずしい音が心地よく、味も爽やかで糖度も高い。間違いなくリンゴよりもおいしいと言えるモノであり、その値段の安さに改めて驚く。


店のおばちゃんに言われたとおり、まっすぐ進んだ。道を歩く途中途中でいろいろなヒトが自分を見て必ず振り返るか立ち止まり、呆けるかのどちらかをするが、リュートはそんなことは気にしない。


十分ほど経ったころ、ついに到着した。それは確かに大きく、立派な建物。



「ついに着いた。ここが冒険者ギルドかぁ」


今回は結構細かくしたつもりなのですが、どうだったでしょうか?


次回はついに冒険者ギルドです。楽しみにしててくださいね!

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