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鉄竜の爪

今回実は、本日二度目の投稿です。かなり頑張りました。

前の回を見ていないという方は、そちらからご覧ください。

散開した後、リュートはまっすぐにザンドルフのほうへと向かった。


しかし、そこには当然帝国兵たちが立ちふさがる。いつまでも邪魔されては面倒なので、リュートは風の魔法で前方を一気に吹き飛ばす。


「ぐああああああッ」


吹き飛んだことにより前方は開け、進みやすくなる。それでもあとからあとから湧いてくるため、何度も何度も風をぶつけて前を開けさせる。


「僕の前に出ると、怪我するよッ!」


そうは言うが、当然帝国の軍勢があきらめるわけがない。


「ああもう、しつっこい!」


尚も前進すると、今度は帝国兵の方が二つに分かれてくれた。訝しむリュート。しかし、その疑問はすぐに解決した。


「せああああッ!」


一人の男が斬りかかってくる。それも、凄まじいほどの速さで。その男は、以前リュートがそのプライドをへし折った将軍、ワンバードだった。


死に物狂いで闇の魔剣を振る彼は、目が普通ではない。


「ここで挽回せねば、ワシは、ワシはぁ――ッ、きえええええい!」

「ああ、あの戦果で降格されたのかな?それともされかけてるとか?どっちにしてもご愁傷様」


自分がやったことであるのに歯牙にもかけないリュート。ワンバード本人は意識が正常ではなく、せっかくの魔剣を使いきれていない。血走った目で見ているのはリュートではなく、己の手柄をあげる事のみ。


「そんな状態じゃ、将軍以下の兵たちレベルまで格下げだね。お呼びじゃないよッ!」


闇を纏った剣は光を纏った手で止め、もう片方の手で渾身の一撃で腹を突く。理性を失った敵など、リュートの敵ではない。


かつての将軍は、今ではただの雑魚だった。


「さて、お次はっと……」


ワンバード以上の闘気を漲らせ、一人の女が目の前に立ちふさがる。その奥には、ザンドルフが見えた。


「ようやく会えましたね、ザンドルフ陛下」

「フンッ、俺のところまで来れるかな?まずは娘の相手をしてもらおうじゃねえか」


姫騎士として名高いリスターナ姫。かつて、城でリュートに炎の魔法を浴びせてきた女だ。彼女は間違いなく、ワンバードよりも強い。


魔剣である片刃の変わった形状の剣を構え、いつでも斬りかかる準備をしているリスターナ。


「いつかの決着をつける。私はお前に、勝つ!」

「いいでしょう、ですが、手短にお願いしますね!」


一気にぶつかる両者、剣と魔法がぶつかり合い、衝撃波が周囲を襲う。リスターナは笑っていた。自分が認める強者との戦い。強さを求めるが故の、強き者を切りたいという欲求。到底姫とは思えぬ感情だが、帝国で幼き頃から父の背中を見て育った彼女は、いつしか強さに執着するようになっていった。


その結果、今では将軍の席を任せられるほどの腕前となっていた。


以前リュートが侵入した際、彼女が世界最強の強さだと思っていた帝国をこけにして帰っていった彼に、リスターナはどこか尊敬にも似た感情を抱いた。


「だからこそ、今ッ、御前を斬ってさらなる高みへと昇る!」


気合十分に、炎の斬撃を浴びせようとする。縦、横、斜めなど、剣撃は休まることなく次々と繰り出される。しかしリュートも、それらすべてを躱し、受け流していく。


「あなたのような方は嫌いではないですが……今はご遠慮願いたいものです。――“水刀波”」


対の属性である水を鞭のようにしならせ、リスターナ目掛けて振る。リスターナは躱すも、髪の一部が切れてしまった。水の鞭でありながら、その切れ味はそこらの剣よりも上である。


「それでこそ、倒しがいがあるのだ!」


狂気にして妖美、そんな言葉が似合う笑みを浮かべた彼女は華麗に躱しつつ接近を続ける。


「さあ、もっと私に見せてくれ、お前の力を、全力を!そのすべてを受けて立つ!」


気合と共に一閃、これをリュートは白刃取りの用法で受け止める。


「女性にしてはパワーもある。その上この錬度はさすがです」

「御褒めに頂き感謝する。ですが、それは終わった後にしていただきたい」


剣は炎を纏っているために、かなりの熱を持っている。そして、その炎を生み出す魔力は帝国将軍のもの。熱耐性は十分にあるリュートの手は、少しずつ焼き焦げている。


「アッツ!……しょうがない、久しぶりにあれを使わせていただきます」


剣を離し、大きく後方へとジャンプする。そしてアイテムリングから取り出したのは、黒く輝く、こちらもまた片刃の大剣。無銘の剣だが、それでも切れ味は抜群だ。


「いくら身体強化していても、この剣の重さには耐えられませんよ?」

「……面白い。お前も剣を扱うというのなら、なおさら勝ちたい!」


忠告めいたことを言ってみるが、リスターナは逆にさらに闘気を漲らせている。


幾筋もの剣閃が重なり、火花が舞う。王族特有の黄金色の髪が不利乱れ、銀のマントがはためく。


鈍い音が何度も鳴り響き、今、二人だけの剣舞が行われる。そして、次第に形勢が不利になってくるのはやはりリスターナのほうだった。


地力で劣るリスターナは、何度も斬り合ううちに筋力の差で押され始めていっている。


「くう……“業火の嵐(マグマ・テンペスタ)”!」


以前にも見た、周囲に激しくマグマをまき散らす魔法を、今回は至近距離で発動した。これでは、少なからず彼女自身にも被害はあるはず。それでも決行した彼女の覚悟の大きさがうかがえる。


「それはさすがにまずい!」


危険を察知したリュートは大きく上にジャンプすることで回避すると、上から水流をおとす。冷やされ、固まっていくマグマ。そしてそのままリスターナを巻き込んでいく。


「くうッ……」


激しい水の流れに対抗できず、流されていくリスターナ。何とか立ち上がると、目の前にはリュートがいた。


すぐさま刀身を向け、その体を貫こうとするも、リュートに手を掴まれて身動きが取れなくなる。


「くッ、離せ!」

「そう言われても、離したらまた斬りかかってくるじゃないですか」


それよりも、と言葉を続け、リュートは顔をリスターナに近づける。そして小声で、ずっと疑問に思っていたことを伝える。


「……ずっと疑問だったんですが、あなたはもしや、剣が合っていないのでは?構えからして、槍などだと思うんですが」

「――ッ!?黙れぇ!」


図星を突かれ、激昂するリスターナ。その隙を狙って腹に一撃拳をぶつける。


「ガフッ……まだ、まだぁ!」

「まだ意識があるとは、耐力もなかなかのものですね。ですが――――“眠り雲(スリープ・ミスト)”」


強制的に眠りにつかせる魔法でもって、ダメージを負っていた彼女は簡単に眠りについた。リュートはゆっくりと体を地面に横たえる。


「どうせなら、ちゃんとした装備の、本気のあなたと戦いたかったですよ」


最後に一言、伝わらないとわかっていても、どうしても伝えたかった。


そうしてすべての将軍を潰し終え、残るはザンドルフと、帝国兵(雑魚)たちのみとなった。


「さて、これでようやくあなたと戦えます。お待たせして申し訳ありませんでした」

「いや、むしろありがたいさ。リスターナもよく時間を稼いでくれた。おかげで――――」


ザンドルフは己の左腕をくるんでいた布をとる。そこには、リュートも驚きのものがあった。


「おかげで、これ(・・)の準場は完ぺきになった。この、新型魔導兵器“鉄竜機爪”のな!」


彼の左腕は、人間のものではなくなっていた。竜の腕を模した鉄のフォルムは、いくつもの魔導器具によってつくられている。大きさは彼本来の腕の三倍ほどであり、大きな管が背中に続いている。


「ちょっとちょっと、それはさすがにオーバーテクノロジー過ぎやしないですか……?」


この時代にはあまりにも不釣り合いな魔導技術にさすがのリュートも冷や汗を流している。ザンドルフはその腕を自慢するように突き出し、意気揚々と語り始める。


「俺はこれまで、龍神の神子が何故竜の魔力を持っているのかを研究していた。最強の兵器を造れるんじゃないかと思ってな。貴様に巫女は連れていかれたが、それまでのサンプルと、“ウロボロス”からの技術提供のお陰で何とか形にまでは持って行けた」


玉紀は確かに、何度も実験的なものを受けたと言っていた。それらの結果が出たということだろうか。


「ワイバーンの心臓から竜の魔力を摘出し、それを保存することを可能とした俺たちは、そこからどうやって人間の体内に入れるのかを考えた。結果として、この腕に魔力回路の動力源を取り付け、第二の心臓を作り出すことが出来たんだ。今の俺は、最強種、竜の力を有しているのさ!代わりに体の半分を色々弄っちまったが、まあしょうがねえ。強くなる代償と考えれば、大したことじゃない」


己の腕に見惚れながら、恍惚とした表情で話すザンドルフ。それに対し、リュートはドン引きしていた。


(ってことはあの人、自分の体の半分を改造しちゃったってことですか?うわぁ……流石に引くレベルの強さへの執着心)


そこまでするということはそれほどシルバー仮面が憎かったのだろう。しかし後悔はないため、リュートもそこまでさせてゴメン、と言う感情は浮かばなかった。


「それが玉紀を傷つけて得た結果と言うのなら、破壊しておくべきですね!」

「やってみろやオラァッ!今回はてめえが負けるんだよ、怪盗シルバー仮めぇぇぇえええんッ!」


リュートは黒い大剣を、ザンドルフは大きな鉄の腕を構え、一気に駆け抜ける。爪と剣がぶつかり、轟音が鳴り響く。つばぜり合いのように両者一歩も引かず、押し相撲のようになっている。


「カハハッ、そのようなただの剣で、俺の“鉄竜機爪”に対抗できると思っているのかよ!」

「確かにこの剣は、魔剣のような鋭さも、魔力回路もない。ですが、そのフザけた腕を叩き潰すだけの力はあるんですよ。そういうあなたの腕こそ、色々と稼働しすぎてオーバーヒートするんじゃ?」


流石に機械であり、熱を持って動き続けている。よくあれを動かせるなと感心するが、ザンドルフは当然のように答える。


「心配はいらねえさ。こいつは冷却機能もちゃんとあるんでな!」

「それは便利ですね!」


ガキイン――という音が鳴り響き、二人の腕と剣は離れる。互いに巨大な獲物を振り回しているというのに、重さを全く感じさせないほど軽快に武器を振る。


距離をとっては再度剣と爪を合わせ、爪が切り裂こうとすると剣で防ぎ、剣で叩き潰そうとすると爪に弾かれる。一進一退を繰り返すという、リュートの相手としてこれまでの中でも上位に入る手強さだ。


「そろそろ、こいつの真の力を見せてやるぜ」

「それは楽しみですね」


リュートとしても、竜の力を再現したという武器の真骨頂を見てみたいという気持ちはある。本来はこの隙を狙えばいいのだろうが、ザンドルフにチャンスを与えることにした。


ザンドルフは懐から拳大のカプセルのようなものを取り出し、鉄竜機爪の中心にはめ込む。すると稼働していた魔導具の動力部がさらに激しく動き、何かが起こりそうな気配をにおわせる。


「……この魔力、まさかホントに?」


腕の中から感じられる魔力の種類に、リュートもまさかと言う表情になる。ザンドルフが鉄竜機爪をリュートに向け、その手のひらに当たる部分に穴が開き、中から筒のようなものが出てきた。それは、あるものを連想させる。


「オラ、くらいなぁッ!」


筒から溢れる魔力の収縮砲。それは巨大な柱となって、高速の速さでリュートに迫る。


「やばッ」


この威力はさすがにまずいと感じたリュートは、すぐさま避ける。目標に当たらなかったその砲撃は、リュートの後ろにいた帝国兵たち、つまりザンドルフの味方に直撃した。


死体は残らず、全てが焦土と化した後ろの大地。その光景が、今の一撃の威力を物語っている。


「カハハハハ、どうだ、俺の最強の技は!名づけるなら、そうだな……“鉄竜の息吹”とでも言おうか?」


確かに込められた魔力は竜の魔力そのものだった。そして見覚えある筒のフォルム。


「これらはお前がぶっ壊した“ガルガント”や“ウルスラグナ”の技術を取り込んでいる。魔力の保存方法も、この研究から出た副産物だ。まさしくこの兵器こそ、帝国の全技術の結晶ともいうべきもの、負けるわけねえんだよ!」

「だから、負けるんですよ!」


再び重なり合う二人の武器。轟音をとどろかせるも、今度は先ほどまでと違っていた。ザンドルフの巨大な爪が、リュートの大剣を掴んでいたのだ。ミシミシと言う音が聞こえてくる。無理に引きはがそうとすれば、それだけ大剣のダメージが大きくなっていく。下手に動かせないでいるのだ。


そして――


「オラァッ!」


全力で気合を入れる。すると大剣が完全に粉砕され、バラバラになった。これはたいして使用経験のない大剣ではあるが、それでも形には気に入っていたし、使い勝手もよかった剣だ。壊されるとそれなりに怒りが湧く。


「ちょっと気に入ってたのに……よくも壊してくれましたね。あなたの武器も粉々にしてやりましょう!」

「カカッ、出来ねえんだよ。オラ、“鉄竜の息吹”!」


またもや懐からカプセルを取り出し、鉄竜機爪に装填する。再び発射される巨大な竜の息吹(ドラゴン・ブレス)。先ほどと同じく躱せない速さではない為、難なく躱す。しかし、その先でもまたもや魔力の砲撃は放たれてきた。


「連射もできるの!?」


避けても避けても絶え間なく発射してくるザンドルフ。一撃一撃に込められた魔力から、どれだけのドラゴンが殺されたのかと思うと、なんともいたたまれない。


「って、今はそんなことを言っている場合じゃないか。何とかあれを止めさせないとね」


走り続けることで躱しているが、それでも連射が終わることはない。土埃と土石が舞い散る中、リュートは軽快に走り抜ける。やがて算段が整ったのか、リュートは進行方向をザンドルフ本人に変え、直進する。


当然そこでもさらにリュートを狙い、撃ち放たれる。当たったのかどうか、しかし、魔力は拡散し、巨大な爆発を起こした。


爆風の中で上に行く()を見つける。すかさず“鉄竜の息吹”を撃つと、今度こそ()を消し飛ばす。


「クク、カハハハッ!最後はあっけないものだったな!これで俺の恨みも張らせたというものだ!」

「それは残念でしたね。僕はまだ生きているのですが」

「――――何ッ!?」


背後から、頭にこびりついて離れない、あの声が聞こえてきた。振り向こうとするも、鉄竜機爪をがっしり掴まれており、身動きができない。顔を動かすと、あの腹の立つシルクハットが見えた。


「てめえ、なんで生きてやがる!」

「簡単な事。あなたが消し飛ばしたのは僕の影であり、そちらに意識が向いた瞬間に移動しただけですよ。そんなにうれしかったんですか?全く気づきませんでしたね」


嘲るように言う彼に、ザンドルフを顔を真っ赤にして怒りを表す。まさしくその通りだからだ。普段であれば彼も気づいただろう。しかし、今の彼は新兵器の威力にまるで子供のようにはしゃいでいた。絶対に勝てるという余裕や、これまでの積もり積もった恨みもあった。つまり、普通の精神状態ではなかったのだ。


「ここまで過剰に動かし続ければ、さすがの魔導兵器ももちませんよ。連射には限界があるということも知っておかなければ」


リュートは鉄竜機爪を持つ手の力を込める。オーバーヒートによって冷却が追い付かないほどの熱を持つ魔導器具は、もはやガラクタ寸前。リュートの元々の身体能力に、魔力をかなり全開で放出し、身体強化を施す。


メキメキと音を立て、異常な強度を誇るこの鋼鉄の爪もひしゃげていく。


「や、やめろォォォオオオオッ!!」

「これは、あなたには必要ないものです」


ついに、鉄竜機爪が破壊された。ザンドルフの叫びもむなしく、連鎖的に崩壊していく鉄の爪は、ザンドルフの心境と同じだろう。


「て、てんめえええええええッ!」


炎の魔法を盛大に浴びせようとするが、既にそこにはリュートはいなかった。声は、彼の頭上から聞こえた。


「それではこれで終幕とさせていただきます。これまでいろいろとあなたとはありましたが、もう終わりにいたしましょう」


巨大な魔法陣が現れる。その中央には、竜の紋章が。それはザンドルフだけでなく、周囲で見守っている兵士たちに届くまでの大きさとなった。


「オリジナル氷魔法――“儚く眠る雪の住人(スノー・リーバー)”」


魔法陣が地上へと接近し、やがてそこにいるすべてを通過して地面に到達する。陣が消えると、そこは見渡す限りの氷原だった。生物は全てがその活動を止め、氷像の中で冬眠状態となる。彼らは氷が解けるまで、目が覚めることはないだろう。


「自然解凍はゆっくりです。僕の寿命は長いですが、次にあなたと会えるのは、果たして何年後なのでしょうね……」


地面に降り立ち、リュートは空を見上げながら呟く。夜空の月明かりの下、世界は氷に覆われたかのように錯覚してしまう。一帯は冷気に覆われ、吐く息は白い。


そんな恐ろしく、美しい世界の中心で、帝国とリュートの戦いは終わりを迎えた。











***


戦場から少し離れた土地に、一人の男が座っていた。彼は、誰かを待っているように見えた。暗闇の中から誰かが歩いてくる足音が聞こえる。


「おっせーんだよ、ジジイ。これだから年寄りはヤダね」


青年は“滅竜の神器(ドラゴンスレイヤー)”の一人だ。どうやらここでずっと、帝国とリュートたちの姿を見ていたらしい。もう一人、ジジイと呼ばれた男もまた、“滅竜の神器(ドラゴンスレイヤー)”の一人。帝国に技術提供していた男、ムジャルタだ。彼は何かを肩に担ぎながら、気配を一切出さずに近づいてきた。


「黙れ。貴様が頼み込んできたからわざわざ危険を冒して捕ってきたのだぞ。危うく氷漬けにされるところだったわ」

「あ~ほんとだよな。龍神もとんでもねえ魔法を造りやがって。ここまで冷気が届いてるぜ」


肩を抱き、寒そうにする青年。それを見てフンッ、とバカにしたように笑うムジャルタだが、さっさとここを離れたいため、用件を済ませようとする。


「こいつだな、お前の言っていた奴は」

「あ~そうそう、こいつだよこいつ。なかなかいいんじゃねぇかって前から思ってたんだよね」


肩から降ろされたのは、人間だった。月光のもとに映し出されたのは、黄金の髪を持つ美しき戦乙女。


――――リスターナだった。



「さあて、こいつはどうなるのかねえ」


青年が、面白いおもちゃを見つけた子供のように、純粋な悪意を持って笑った。

いかがでしたか?かなり長くなってしまいましたが、これでようやく一区切りできそうです。後は戦後の話を少しやって、帝国戦争編は終わりですね。


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