Ⅷ
遅くなってすみません。
短いです。
「そうですよ、ディアナ様。1,2,3, 1,2,3,…。」
ディアナはアルフレッドと蓄音機から流れるワルツに合わせて踊っている。
始めてから一時間以上たつが、まったく上達しているように思えない。
ミスを指摘されて直しても、また別のところを間違えるため指摘される数は変わらないからだ。
王族とはいえども、今まで社交界に出たことのない内気な自分は壁の花が丁度いい。
ダンスに時間を割くよりも、礼儀作法やこの大陸内に存在する国の歴史を覚えることの方が重要ではないのだろうか。
そんなことを考えていたディアナはまたアルフレッドの足を踏んでしまった。
もうこれで6回目である。
「あ…。ごめんなさい、アルフレッド。それにしても、なんであなたはそんなにダンスが上手なの?」
「…ダンスとは体で覚えるものですからね。記憶喪失の私が踊れているのはそういう理由だと思います。ディアナ様も慣れればもっとお上手になりますよ。」
アルフレッドがにっこりとほほ笑みながら答えた。
彼がそんな風な笑顔を向けてくれるとき、ディアナの心は何か甘酸っぱいものでいっぱいになる。
父様もこんな風に笑う事がある。それと今のは同じようなものだが、アルフレッドの時だけこうなる理由がディアナにはわからなかった。
「ねえ、アルフレッド。私はもっと上手にダンスが踊れるようになる?」
再びダンスを踊り始めた時に私はアルフレッドに聞いた。
さっきアルフレッドが言っていたことが本当かどうか心配になったからだ。
「ええ、もちろん。でも、なんでそんなことを私にお聞きになったのですか?」
「このまま上手くならないのなら、歴史とか礼儀作法に時間を割いた方がいいのかな、と思って。」
「そうですね…。」
アルフレッド君の髪型のイメージがとある国の擬人化のマンガのオーストリアなんですけど、あれどうやって説明したらいいのかな…
誰か教えてください?
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