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姫と女王の鎖

王城に着くや否やルリアたち一行は女王サンドラ2世が待つ謁見の間に急行した。


「全く、あの女王陛下の体力は化け物か」

セルディエフが小さな声で誰にも聞こえないようにつぶやく、隣を歩くルリアだけにその声は聞こえた。


その声はか弱く震えていて、これから起こるであろう女王の王族への冷たい仕打ちに恐怖しているのが分かった。


長い廊下を早歩きで女王直属の侍従に案内されながら進む。

すれ違う人はすべての作業を停止してルリアに向けて兵士は敬礼を、文官はお辞儀をと敬意を示す。

とても静かで、どこか冷たい世界。


死の淵をさまよった女王だからまだ立ち上がれる状態じゃないと思ってルリア一行は居住区画へ行こうとしたのに、待ち構えていた侍従長に「陛下が謁見の間でお待ちです」と半ば強制的に案内された。


「女王はたぶん、弱った自分を見せたくないんだ。今後も徹底的に国を支配できるように、弱みを見せないつもりだ」

セルディエフが誰にしゃべってるのか分からないくらい小さな声で、ルリアを一回つついてからそう話す。声はルリアを向き、身体はまっすぐ前を向いて、胸を張って歩いている。

虚勢という言葉の見本のように、見るからに肩をいからせている。


謁見の間は高位の侍従が左右に控えて頭を下げている。

中央に女王、左に大宰相と元帥、右に聖界トップのグリザリオ枢機卿が陣取る。国のすべてを掌握していると見せつけるように。


今入ったばかりのセルディエフ以外、他の王族の姿は無かった。


そして女王は口を開く…


「よくぞ、戻った…我が娘ルリア」

声はゆっくりと重々しく、ただ弱っているよいうより何か含みを持たせた印象を受ける。

その姿を見てルリアは「あっ」と声を出しそうになった。


毒にやられ苦しんだ顔はそのまま。顔色は緑色に近く、シワが顔と身体を縦横無尽に走る。生気の無い痩せてくぼんだ目から骸骨をも思わせる。

だがその瞳だけは輝いていた。


綺麗な少しカールした金髪だった髪は見る影もなく、一気に歳を取ったようにぐしゃぐしゃになっている。


「我が娘ルリア、こちらへ」


ルリアが女王の右横の席に着くのを見届けるとサンドラ2世はニヤッと含み笑いをしてセルディエフを見つめる。


恐怖で凍り付くセルディエフ。


「セルディエフ大公、何か余に言いたいようだな…?」

女王が口を開く。


何か意味深な問いに、セルディエフは何を言っていいか分からなくなった。


ご機嫌麗しゅうか?いやそれはないだろう。毒のことを報告するか?それともルリアを連れて出ていったことを謝罪するべきなのか?他の王族はどこに消えたのかストレートに聞くべきだろうか。


頭にいくつものセリフがめぐり、最後に行きついた答えを口にだす。

「ご回復誠におめでとうございます。陛下の復活を何よりも喜んでおります」


「はっはっは…そなたらしい嘘に満ちた答えよな。そなたの知りたいことが分かるぞ、いいだろう教えてやろう」

いきなりの大声でセルディエフはびくっと跪いたまま震えている。


「王族は余が病魔にやられている最中、あたかも死んだかのように振る舞い、政治を掌握しようとした。その動きに参加した28人を謹慎、政治から追放した」

この言葉にルリアも心が傷んだ。仕組んだのはルリアでもあるから。


「宰相ラズリオは摂政としてルリアを助け、政治の代行をした。その功績から彼に財務大臣を命じた」

これはルリアにも意味が分かった。宮内大臣よりも財務大臣は高位の職に違いない。でもこれは王族との繋がりを絶つということと、ルリアからも遠ざけることを意味する。


ルリア唯一とも言える理解者、もうラズリオには簡単に会えない。


「そしてセルディエフ大公、そなたはルリアを連れまわし、命の危険に晒した。この意味、分かるな?」

女王がゆっくりと、わざという。


「どんな罰でも覚悟しております!」

セルディエフの震える手、垂れる冷や汗、しかし声ははっきり明瞭そして堂々と。

ルリアはセルディエフの勇気に感服し、内心、頑張れとも応援している自分に驚いた。


「街を救うためとはいえ我が娘を鼓舞の道具にしたことは極刑を持って処分するべきと考える」

女王の言葉を聞き、セルディエフは観念したようにうつむいた。





「…しかし街の陥落を免れたことも事実。以上から城内で無期限謹慎とする」

女王は20秒ほど置いてそうハッキリと伝えた。その沈黙には「ルリアに近づくな、次は無い」ということ意味があることはセルディエフにも伝わった。





ルリアは女王が倒れて以来、1か月ぶりくらいに自室へ戻った。何もすることはなかった。


それからまた更に1か月が何もなく経過していった。


ルリアは行事があるとき以外自室に引きこもった。いや、外に出させてもらえなかったと言うほうが正しいかもしれない。


10月になった今、涼しさを通り越して寒さが部屋を襲う。舞踏会で形式通りの発言を除けば世話係のシシーと家庭教師のリンデン以外、まともに誰とも会話していない。


ベッドに転がりこみ、あれこれ考えた。帰ってきて女王の謁見から何があったかを頭に整理しながら。


ラズリオの後任で新しく宮内大臣になり、ルリアの教育係りに任命されたのはエリヴォフという名の平貴族出身、もっと言えば女王の完全な息のかかった人物だ。


王族たちは身分と領地と名誉を保障されつつも政治からの事実上追放された。王城にいる王族は政治権力の一切を奪われて失意のままさまよう亡霊となった。


ルリアが引きこもっていた1ヵ月の間に「戦勝祝賀会」が開かれてサンドラ女王は功労者としてジクセン王国とプロセリオン王国を招いた。


戦いには確かに勝ったが両国の最高司令官が敵のリヴァイア騎士団の司令に簡単にやられているので面白いわけはない。

だいたい陰謀の首謀者ジクセンにとって、女王が生きているというだけでも脅威だ。


だが2カ国は援軍を申し出たという建前上、両国は参加を断ることもできない。

祝賀会の席で毒に刻まれた女王の顔をみたジクセンの使者は凍りつき、最大の弱みを握られた。「もしジクセンがノーランドに不利なことをすれば陰謀を公にする準備がある」と裏で使者にそっと女王は伝えたのだった。



ルリアは以前にも増して厳しい監視下に置かれるようになった。


女王はただの8歳児だと思っていたルリアがセルディエフにそそのかされたといえど、あれほど政治に絡む活躍して、あれほど国民から支持されるとは思わなかったのだ。


だからこそ"秘密の摂政"としてルリアに任命されていたラズリオを栄誉の昇進をさせて遠ざけ、ルリアが女王のライバルになり得るものはすべて消した。


ルリアは自分の唯一の子であり王位継承権を持つ人だし、それに塔にでも閉じ込めてしまったら内外から変な噂が立ちかねないから鎖で繋がれたりすることはなかったものの、自由を奪って政治の道具にするつもりのようだ。


ルリアは女王にはっきりと"敵"として認識され、目に見えぬ鎖で縛られた。同時に姫の影響力を失った王族達も厳しい立場に置かれた。


ルリアのすべての行動はエリヴォフを通して女王に報告される。いつ着替えていつ食事に行ったか、いつ誰と会話したかすべてだ。


唯一のプライベート空間は自室だけ。まるで牢獄だ。




何もせずまた一日が終わろうとしている。ベッドの中でリヴァイア騎士団との戦いを思い出す。確かに怖かったし当初は二度とこんなことしたくないとも思ったが、

今となっては2ヶ月前のあの戦いが懐かしく感じられる。


親であり女王であるサンドラ2世は元々独裁的に政治をやっていたし、姿がああなったとは言え中身は健在なようだ。

貴族はとにかく、民は平穏に暮らしていると思う。何も不足は無いはずだが、何か足りなかった。その何かが分からない。


日々過ぎ行く。何もせず。

そろそろ雪が降る季節かな。そんなことを思いつつ、ルリアは横にシシーがいた事に気がついた。


「あれ?シシーいたの?」

きょとんとルリアが尋ねる。


「ノックしまして、『いいよ』とルリア様のお言葉を頂いたから入りました」

きょとんとしたシシーが答える。


ああそうだったかな。もうどうでもよくなって適当に返事していたのを思い出した。


近頃ずっとひとりで考えることが多くなった。シシーとの話も面倒になり、会話が遠のいて、今じゃ必要なことが終わったらシシーはとっとと外へ出るのが常になっている。


でも今日はすぐ外に出ていかず、なぜかベッド横に控えているのだった。


「シシー、なぜ控えているの?何かあったの?」

ルリアは聞く。


「いえ、お邪魔でしたら失礼させていただきますが、あまりにもお疲れのような顔をしていらっしゃいましたから、何かできることはないかと思い…でも私ができることと言ったら、他愛の無いお話だけですけど」

そう言って立ち去ろうとするとルリアはシシーのスカートを掴んで引き留めた。


「まって!」


こうして二人は久々に会話を交わすのだった。


まともに他者と会話するのも久々のような気がする。

それだけに本当に他愛のない話でも楽しかった。



「…っと、その王城務めの役人レントゲンというのは、元々レムレシア帝国にいたのね?」


「そうなんですよルリア様、彼は絶世の美男子なんですが、女性より馬のほうに恋をするともっぱらの噂でございまして。あ、そろそろお眠りになる時間ですね、私はこれで失礼します」


使用人が姫の私室に夜通し居続けるのは何かと噂されても嫌だし、エリヴォフがしゃしゃり出てくるかもしれない。話を切り上げてシシーは帰っていった。


パタンと扉が締まり、ルリアは寝ようとベッドに再度転がり込む。そして思った。


「レントゲン…?これはあの医療機器と同じ名前だわね。この世界は現世の世界と似て…」

はっとルリアは飛び起きる。ここは異世界で聞いたことない国名や人物が出てきて、地球とは全く違う世界に来たのだと思っていた。


でも名前の傾向は似てるどころか地球と同じだ。これは偶然じゃないんじゃないか。



名前には必ず由来がある。親から受け継いだ名前だったり、その元は土地の名前だったり偉人とか神の名前だったり。


前世の、つまり現世の地球で過ごした時の記憶にある名前が出てきた。歴史を辿ればふたつの世界に関してヒントが得られるかもしれない。


冷や汗がたれてきた。よく考えれば気球やらロケットやら、自分の前世で通用した理論がここでも使える。見た目はおとぎの国のようないかもに西洋という感じの建物が並んでいるが、別に魔法が使えるとかそういうこともない。ふたつの世界の共通点は多いのだ。


むしろ共通していないのは国の名前とかそういう一部だけじゃないのか?


ロウソクに火を付けるや片っ端からここにある本という本を集めて読んでみた。特に歴史の本を。


ルリアは前世で理系を進み、大学も理系。歴史はあまり興味無かったのだが、もしかしたら共通点を見つけられるかもしれない。高校1年までの歴史の知識をフル動員して歴史書と格闘を開始する。


私が前世の記憶を持っている理由とか、そういうのもわかるかも…


前世の記憶が夢なのか、今まさに夢を見ているだけなのか、ここは枝分かれした別の世界?分からない。だけど分かるかもしれない!


薄明かりの中、ルリアは読みあさる。なぜ気がつかなかったんだろう。前世の記憶を持つという不思議が、日常に溶け込んで当たり前のようになっていた。


どうせ今は女王の監視のもと何もすることがない。自分の前世の記憶の謎を解き明かすいい機会かもしれないし、そうしている間に女王の圧力をかわせる方法も思いつくかもしれない。


---


完全な寝不足だ!


トントン、と扉が丁寧に叩かれる。誰か来た。


「ルリア様、お召し物を…」


着替えの時間だ。もうこんな時間が経ったのか。久々に徹夜したと、どこか満足感に浸る。


「入って」

そうルリアが言うとぞろぞろいつもの従者が召使を連れてどやどややってくる。


入るや否や従者たちはびっくりした。学者の部屋のように、数は少ないものの本が床に散らかっている。何があったんだろうと顔を見合わせる。

「あの…片付けたほうがよろしいでしょうか」


「うん、やっといて」



着替え終わり、朝の面倒な食事を終えてこれまた面倒な礼拝を済ませると次は家庭教師がやってくる。


家庭教師のリンデンは気心許せる人物だったが、勉強が面白いかどうかとは別だ。現世の日本だろうとここだろうと、勉強だけは共通して辛いものなのだった。


それでも今日のルリアは少し楽しみがあった。


「リンデン先生、お願いがあるのだけど、それと質問も」


宗教と古語の授業を一通り流して聞いてからルリアは切り出した。


「はいはい、なんでしょう」

珍しく質問があったから、リンデンは内心わくわくして片目眼鏡をくいっと手で押さえ、声が心なしか跳ねていた。


「王城の図書館にある歴史書を、なんでもいいから古くても新しくても、…とにかく持ってきてちょうだい。あ、でも私が借りたということは内緒にするのよ」


(おお、姫様!ついに学問に目覚めましたな。これは私も頑張らねば)

「良いですとも、さっそく明日から持ってきましょう。それで質問はどのような?」

普段落ち着いているリンデンも今は興奮しているのを隠さないで言う。


「我が国と周辺の国の歴史に興味が出てきて、ホラ、この前攻め込まれたでしょ?私はまだ姫だけど、いずれは立たなきゃならないから知っておかないとね。それで、我がノーランドはどうやって出来たのかなって、いや、なんとなく興味を持っただけよ」

歴史に興味が出たとか、学問に目覚めたように、リンデンを喜ばせるようなことを言っておいた。


実際歴史は知りたいのだし、部屋から自由に出られない身になってしまったし、城内での貴重な手足ともなる重要な人物だからいい思いをさせておいて損はない。


「我が国はですね、レフレク王が天から授かった剣を大地に突き刺し…」


「それは建国神話でしょ。それは私も知ってるわ。私が知りたいのは本当の歴史。私達はどこから来て、どこへ向かうのかとか…」

我ながら堅苦しい哲学者みたいなセリフを吐いてしまったなとルリアは思うのだった。


「ええ…実は恥ずかしながら私も知らないのです。私も伝説を聞かされて育った身ですからいやはや…。神話と歴史が一緒くたになることはどこでもあることなのです」

恥ずかしそうにリンデンは頭をかく。知らないことを知らないと言える初老の男。ルリアはそこにも好感を持っている。


「分かったわ。じゃあ図書館の件はお願いするわね」


「はい是非とも。しかしルリア様、こう言ってはなんですが私は図書館の本を読みあさっている身です。つまるところ、図書館には神話以外の建国物語がありません」


「それでもいいの。別に建国が知りたいわけじゃなくて、古今東西、いろんな歴史の知識が欲しいのよ。分かった?」


「はい、承りました!」

リンデンはシワの刻まれた顔をほころばせ、笑顔で出て行った。


=====


監視の中の堅苦しい夕食が終わり、何もないのに疲れ切って自室に戻る。昨日まではベッドに直行していたルリアも今日は机に向かって本を読み始めた。


今回は歴史書以外もマナーの本だとか服飾の本も読んでみた。無駄に知識がたまるようだ。これを活かせる日はいつ来るのか、そもそも来るのかも分からないが。


前世の記憶がふと蘇る。自宅でたまたま点けたテレビで特集をやっていたのを思い出した。

拘置所に収監されている人に密着するやつで、ただ彼らの日常を写してナレーターが好き勝手解説していた。

番組によれば囚人は何もやることがなく本を読みまくる人が出てくるらしい。中には悟りを開いてまるで宗教人のようになる人すらいるとか。


ルリアは今の自分と照らし合わせて苦笑いした。姫も囚人も変わらぬものなのだと。


トントン、とノックが聞こえる。ルリアはいつも通り「いいよ」と言って本に集中した。


さて、収監者の面会希望は誰かなっと。まあどうせシシーだろう。彼女以外、この時間に来ないから。


シシーは部屋中央のシャンデリアの火を消していつも通り部屋の世話をして、それを終えるとその場で一礼して立ち止まる。

これはルリアに呼び止められれば残って話し相手をし、20秒くらいして何も言われなければそのまま立ち去る。いつの間にかできた二人の暗黙の約束だった。


「シシー」


「はいルリア様」

ルリアの呼びかけに反応してシシーはランプの光がほのかに灯るベッドわきに歩いてきた。


「シシー、私を誘拐してみない?」

ルリアがそう言うと、シシーは呆気にとられて一瞬回答に困ったような顔をした。


「ごめんごめん、私ここから出られないから、出てみたいのよね。外に」

薄暗い部屋で窓のほうをルリアは悲しげに眺めて言った。


「私は…」


「シシーごめん。あなたは王城に雇われた従者でしょ。だから私のじゃなくて、女王のしもべなんでしょ。できないこと言っちゃってごめんね」

ルリアは当てつけもあって意地悪言ってしまったが、自分が憎らしいと思った。


「私はルリア様の従者です。確かに、私はルリア様をお外にお連れしたり、そういうことはできません…それでもルリア様以外にお仕えしている人はいません」

なんて健気なのだろう。具体的に何もしてくれなくても、この言葉だけで励まされる。ルリアは心底シシーの存在に感謝した。


ルリアはこうしていつの間にか眠った。



あくる朝、楽しい楽しい勉強の時間がやってきた。


まさか勉強が楽しいと思える日が来るとは。もはや末期症状かもしれない。


「さぁ楽しい勉強の時間ですぞルリア様、ささ、さっそく始めましょう」

ハイテンションなリンデンがふんふん言いながらやってきた。小脇に重そうな本を何冊も抱えている。


ちょっとは興味がわいたがやっぱりつまらない古典と宗教の授業、特にあの忌々しい聖典の暗誦をなんとかクリアして勉強の時間が終わった。

さてこれからだ。ルリアはリンデンが持ってきた歴史書を読み始めた。


「ねぇ、これ何日か借りていいでしょ?今ここですべては読めないわ」


「よろしいでしょう。勉強のためとあらば私は何も咎めません」

そういうと丁寧にお辞儀をしてリンデンは退出していった。



また一日が終わる。しかし一日ごとに充実度が上がってきているような気がしてきた。


ルリアが呼び、シシーがまたベッド脇に来る。


「そういえば、城下で不思議な大道芸人が現れたという話があるんですよ。なんでも、後ろから火を吹く筒を使って空に向かって投げつけて、空中で大きな音を出すそうなんです」


ルリアはその話にピンと来た。どう考えてもシュバイツに違いない。

「へぇそれはすごいわね。面白そうだわ、なんとかしてその人に会えないものかしら」

少し興味があるという風に装って何となくルリアは答えた。実際は今すぐにでも街へ降りていきたくてしょうがない。


「んー…」

ルリアは少し考え、そして閃いた。10日後にある舞踏会で…あまり気の進まない方法だし、うまくいく保証もないが、他に手が思いつかない。


ルリアは決行に向けて策を練り始めた。


つづく

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