境界線
夕方に差し掛かろうという時間帯
まだまだ光の強さを落とさない太陽が
容赦なく我が家を照らしてきます
暗い室内と
眩しすぎる庭
その境にはっきりと映る
一直線の屋根の影
春の柔らかな日差しが懐かしい
夏に染まった世界は
どこもかしかもパッキリと区切りが見えますね
涼しいか暑いか
快適か不快か
白か黒か
光か影か
曖昧さの消えた外を見ていると
洗濯物を入れることさえ億劫になります
ギラついてますね〜
それでも
洗濯好きとしては
今取り込んでしまいたい
出るか
快適な室温を守ってくれていた窓を開けて
カゴを片手に庭へ出ます
パッキリとわかれていた空気が混ざり合っていきますね
もったいない…
早く取り込んで入らなければ
せかせかと
汗をかかない程度に
洗濯物を取り込んでいきます
よし
あとは部屋へ駆け込むだけ
ほどよく熱の残る洗濯物にホクホクしながら
網戸に手をかけます
ふぅ…
退いてはくれまいか?
入りたいのですがね?
どうしてわざわざそこで寝てしまうのかね?
外の暑い空気に耐えている私の行手を阻むように
網戸にピタリと張り付いて
ながーく寝そべっている
可愛らしい獣様
いつもなら
網戸に手をかけた瞬間に
飛び逃げてくれるはずなのに
今日は
お腹を見せたまま目線だけ投げられました
退く気がないとおっしゃるのかね?
なるほど
冷気と暖気が入り混じっているまさにそこが
君のお気に入りスポットになったんですね
なんて
贅沢なんでしょうか
網戸というスカスカの境界線が
お気に召したようです
良かったですね
私が入ってから
寝転んでもらってもいいでしょうか?
とりあえず
一回入らせてください




