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くぅき  作者: ジョウビタキ子


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音






何も感じない






実感が湧かないけれど


どこかでは理解できるんでしょうか


言葉で聞いてもピンとこないのに


目に映すと受け止めきれないものが溢れます


けれど


すぐにストンと胸の中が元に戻って


やっぱり


何も感じない自分に戻ってしまう


この


繰り返し


お茶を飲んで


お菓子を食べて


話をして


でも


時々物思いにふけって


じっと眺めて


声を思い出す


吐き出したい何かがあるけれど


吐き出すほどでもない


何を考えているのが正解なのか


どう感じることが正解なのか


香りと煙がうっすら残る部屋で


それぞれが何気ない話を続けて


時間が来て


帰る時になっても


やっぱり何かが抜け落ちているような


けれど溜まり続けているような


妙な感覚が付きまといます











「家にね、帰ったら寂しいのよ。音がしない」












音


音


音


今までしていた


音がしない?


足音


吐息


服の擦れ


寝返り


どれもごく僅かな音ですが


そう


そうかもしれませんね


家に帰って


音がしない


そこになって


ああ


そうなんだねと


理解していくのかもしれませんね



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