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プロローグ
――むかしむかし。
世界に厄災をもたらした魔王がいました。
――魔王は森を焼き、水を枯らし、生き物を殺しました。
――世界を滅ぼそうとする魔王を倒すべく、"勇者"が名乗りを上げました。
――"勇者"のもとには5人の仲間が集まり、志を共にしました。
――彼らは力を合わせて立ち向かい、見事魔王を倒すことができました。
――そうして、世界は平和になりました。
めでたしめでたし。
彼らの活躍、そして偉業は、そんな昔話に、英雄譚になるはずだった。何世代にも渡って語り継がれ、いずれは御伽話として誰もが知るような空想話になったかもしれない。
しかし、魔王が倒されてから僅か200年後、既に彼らを正当な英雄として扱う者はいなかった。
かつて世界に平和をもたらした英雄たちは今、怪物の姿をしている。彼らの名称は「英雄」ではなく「呪源」だ。
彼らは自我を失い、森を焼き、水を枯らし、生き物を殺し、そして呪いを振り撒いている。
もし、これから英雄譚が作られるのだとしたら、その"英雄"たちを斃した者の名前が刻まれるのだろう。




