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桃は食ふとも食らはるるな  作者: 海原ろこめ
第一章「桃の香りを嗅ぎ、梨の皮に目印をつける」
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さようなら。クソ王子

 今度は王子様ごっこか? これはごっこ系ドッキリだ。こうして、ターゲット側である私がわざわざドッキリの種類分けをしているのはなぜか。


 それは、何をされたのか、ドッキリの内容を整理して忘れずに記憶しておくためだ。いつか、歳桃に同じものをやり返してやると心に決めているのだ。


 ごっこ系ドッキリとは。端的に言えば、歳桃が唐突に何かの役になりきった状態で話しかけてきて、私を無理矢理巻き込んで振り回しまくるものだ。


 この手のドッキリは、ただでさえ面倒くさい性格である歳桃がもっと面倒くさくなる。


 そのため、その相手を強制的にさせられる私のイライラ度はやや高めだ。


 しかしまぁ、いくら嫌いといえども、挨拶を無視して返さないのは、礼儀知らずになる。


 私は歳桃を下から睨みつけた。歳桃は180㎝で、私は158㎝だ。


 ヒールなどで身長をかさ増ししたり、何かの上に乗ったり、歳桃がいる場所より高い場所に移動したり。ズルでもしない限り上から睨みつけることはできない。


 ズルはしたくないのでしない。この身長差が憎いと感じながら私はおもむろに口を開く。


「さようなら。クソおう


 歳桃が口にした、こんにちはプリンセス、に対して、さようならクソ王子。皮肉しか込めていない挨拶を返してやった。気分がいい。


 いや。やっぱり、気分が悪い。

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