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出会い?

見知らぬ森で目覚めると俺の体におっぱいが生えていた。


 ちなみに言っておくと、俺は太っているわけではない。どちらかというとやせ型だろう。

だからこの柔らかさは俺に表現できるはずがない。

胸は正真正銘、生物学的に女性についているもののはずである。

目覚めてから考え事をしながら揉んでいたのだが揉まれる感覚も確かにあったので間違いなく俺の体の一部といえる。

 体の異変は胸だけではないことはもうわかっている。

それは言うまでもなく下半身。触って確認したわけではないが、あるはずの物が無くなっている。


「よいしょっ」


 手を胸から離し腕で勢いをつけて状態を起こす。起き上がった上半身の勢いを受けて髪の毛が横眼に映り肩に少し触れる。

 うん。どう考えても俺の喉からは出ないような、「よいしょ」の掛け声が聞こえた。

まぎれもなく俺が言ったのだが。

 自分の体に視線を移す。

 髪色は黒、長さは肩に触れるかどうか。衣装はなぜか上下とも紺色のスーツを着ている。ジャケットはボタンを留めていないため、はだけて下に来ている白色のワイシャツが見えており、そこには確かに胸のふくらみがある。

 下半身はパンツスーツとなっており、薄手なためか女性らしいボディーラインが確認できてしまう。

これはもう認めざるを得ないだろう。


見知らぬ森で目覚めると女の子になっていた。


「まじかよ。というかこれ誰の体?」


 当初は、何かの拍子に俺の体が女性に変化してしまったと考えていた。

 どこかのテーマパークで黒っぽい組織の物々交換を目撃し女性になる薬を飲まされた的な。

しかし、そういうわけではなさそうだ。旅行前の俺は髪を茶色く染めていたし、こんな紺色のスーツに見覚えはない。

 しっかりブラも装備しているし・・・

 ダメ押しとして今、俺は眼鏡をかけてない。小さいころから俺は視力が悪く高校を卒業するころには、0,1以下になっていた。にもかかわらず今は全く不自由なく遠くが見えている。

 正直、情報量の多さに目が回りそうなほどだ。


 改めて周囲を見渡す。

 すると、自分のちょうど背中がわ、横になっていた際には見えなかった場所にスマートフォンが転がっていた

立ち上がってスマホを拾う。

体はそれほど違和感なく扱えるようで、不自由なく一連の動作を行うことができた。

しいて言うならかかとが3センチほど上がったヒールが歩きにくかった。


「たぶん、この人のスマホだよな」


スマホの画面をタッチするとロック画面が表示される。

ロック画面には2月12日16時23分の文字があった。


「日本語だ。しかも日付も変わってない。」


このスマホの時間が狂っていなければ、俺の最後の記憶から、7時間ほどしかたっていないことになる。

日本人女性ってことはここが日本である可能性も出てくるのだが。


「うーん、この人のスマホじゃないのか。」


どの指で押してもスマホのロックは解除されないし、顔認証も反応しない。

当然のように回線はつながっていない。

できるとしたら、ライト機能と電卓、カメラくらいしかない・・・


「あ、カメラで顔確認できるじゃん。天才か」


こういうのは水面で顔を確認するのがお決まりだが、そんな定石はくそくらえだ。

すぐさまカメラを起動し、カメラの向きを変えるボタンをタップしインカメにする。


「え・・・」


スマホには、この女性の顔が映し出されていた。

整った鼻筋と、その下の血色のいい唇。切れ長の目とヒスイ色の澄んだ瞳。

輪郭は少し丸みがあり、少女の面影を残している。

思わずにやけてしまうほどの、美人な少女がスマホには映し出されていた。

スマホに映る女性の笑みに胸が高鳴ってしまう。

気を反らすように右肩についていた落ち葉を払う

「俺より少し年下ぽい。 ハーフ?」

その時だった。

 

「おい」


突然、真後ろから声がして勢いよく振り返る。

が誰もいない。

「後ろじゃない。聞こえているんだろ」


脳に直接語りかけられている。いや、脳内で話しかけられている。


(どういうつもりだ。そして目的はなんだ。)

「あっ、この体の持ち主さんですか?」


思わず声に出して質問する。

確かに、既視感があると思ったら今の俺の声と全く同じ声がする。


(どういう目的で私の体を乗っ取ったのか知らないが、何かしてみろ、ただではおかないぞ。)


どうやら、俺が体を意図的に操っていると思ったのだろう。

 高圧的な態度に思わず身構えてしまうが、脳内で聞こえる声には少しの震えが感じられた。それもそうだろう。先ほどの質問からして、彼女も状況をわかっていないようだし、それなら気が付いたら知らない人間に自分の体を乗っ取られていたことになる。

強く出てはいるがかなりの動揺があるのだろう。

 俺だって彼女と対立したいわけではない。

不安な状況に、まさに一心同体の相棒が現れたようなものである。

ここは状況を探るよりもこちらの事情を理解してもらうことを優先するべきだろう。


 「いや、俺も気が付くと、この体で森の中にいたから何がなんだかわからないんだ。最後に覚えているのは日本の○○駅にいたことでそれ以降は全く思い出せないんだけど」

(日本?!)


会話が途切れて少しの間ができる。

ん?てっきり日本語を話していたから伝わると思たのだけど、日本を知らないのだろうか。


(つまり、あなたもなぜ私の体にいるか分からないということですか?)

「はい、ここがどこかもわかりません。」

(・・・・・・)

「多分、オーストラリアじゃないかな? とか、」

(・・・オーストラリアに心あたりでもあるんですか?)

「オーストラリアに行く飛行機にのるために○○駅に向かったので」


 それから俺はわかる範囲で自分の知りえる情報を話した。何月何日に飛行機に乗って、何日かけて、どこをめぐる予定だった、などなど

 俺が話している間、彼女はすべてに「はい」と、ぶっきらぼうな相槌を打っていたが最後に一つ質問をしてきた。


(あなたの背丈、髪色、年齢と2月12日の駅での服装を教えてください。)


 俺自身に関する情報は役に立たないと思って省いていたが、これが何かヒントになるのだろうか。


「身長は170CMで髪色は明るめの茶色、年齢は21歳。当時の服装は、えーと青いパーカーに白いシャツとこげ茶色のパンツだったはず。足首が見えるくらいの。あと、紺色のキャリーバック。こんな感じ。」


また少しの沈黙。


(ありがとうございます。○○駅での記憶以降は一切覚えていないということに間違いはないですね)

「はい、覚えてないです。やはり、あの駅で何かあったんですか?」


 しかし彼女も少し落ち着いてきたのか、俺が意図的に彼女の体を乗っ取ったのではないと理解してくれたのか口調が丁寧なものになっていた。

これが彼女の本来の口調なのだろう。

よく澄んだ声色と丁寧な口調はスマホで確認した彼女の顔と合致しているといえる。

 これほど、意味の分からない状況にしては、冷静さを取り戻すのが早いような気がする。まるで日頃から怪奇的な現象に向き合っているような印象を受けてしまう。


(なるほど・・・・大体わかりました。)


俺の質問を無視して彼女はそう言った。

大体わかったと。 

こんなわけのわからない状況の何がわかったのだろうか。

 まだ俺は彼女からの情報を得られていないが、彼女は自分の知りえる情報と俺の情報から何か答えを導き出したということだろうか。


「なにがわかったんですか?」


その質問への回答は俺の想像をはるかに超えたものだった。


(まず、ここは地球ではないです。)

「はい!?」


そっ、そそそそ、そんばなかな!!

伝わりにくかったら申し訳ありません。

ぼちぼち書いていくのでよろしくお願いします!!

評価いただけると励みになります!


心の中での会話を()で書いているけど、もっといい方法ないかな

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