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理不尽な世界1

 

 ある夜、小さな村が炎に包まれた。

 

 日が沈み人々が寝静まったころ、突如、危険を知らせる鐘が鳴り響き俺たちは目を覚ました。

急いで窓を開けて外を見ると、真っ暗な夜空に複数の火の玉のような複数のオレンジの光が放物閃を描くのが見えた。

そして次の瞬間、爆発のような物音とともに正面の空が赤く染まった。

俺たちは飛び出るように宿を後にした。


 俺たちが到着したとき、あたりは炎に包まれていた。

 そこにいたのは、一匹のオオカミ。ねじれながら前方に伸びた大きな角と前足の長い爪。これらは、この地域に生息するオジロツノオオカミに酷似していた。

しかし、その体躯は優に4~5メートルはあり、全身が赤い炎に包まれ尾は二股に分かれていた。

 特異魔獣だ。

通常の魔獣や動物が特殊な条件下で変化して生まれる魔獣だと一目でわかった。

特異魔獣は突然変異のようなもので強さが推し量りにくい。


 狂暴性も増しているのか現在も、魔獣は周囲の建物に手当たり次第に火炎弾をはなっていた。


「レオン、これ倒せると思うか?」


前方に全身が隠れるほどの大盾を構えたミガルが問いかけてくる。


「いや、これはどう考えても倒せないでしょ! 」


俺が答えるより先にラライが答える。

ラライはミガルの盾に隠れながら、氷魔術を放っている。


「ラライに賛成だね。」


キースが片手剣を構えながら答える。


 たしかに、これを倒すのは厳しい。明らかに格上だ。

 本来、有効打なるはずのラライの氷魔術も熱量に負けて蒸発している。

しかし、幸いなことに、村人たちは即座に避難を開始していた。

三十分も時間を稼げば魔獣の興味から村人を外すことができるだろう。


「倒すことはあきらめよう。みんな、村民が避難するまでの時間だけでも稼ぐぞ!」


おれの意見に真っ先にミガルが答える。


「さすがレオンだ。ここで逃げちゃの「黒鳥の翼」の拍が落ちるってもんだ。なぁ、二人とも」

「まぁ、ここで村人を守ったとなれば、Bランクへの昇格材料になるかもしれねーしな」

「ええとも、いいわ、やってやるわよ」


こうして、冒険者パーティ 黒鳥の翼 の防衛戦は幕を開ける。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 戦闘を開始して5分が経過した。


 ガーンと大きな音を立ててキースの片手剣が刀身の半ばから砕ける。


「クソ! 剣が砕けた! もう火炎弾をはじけないぞ」

「すまん。俺の盾もあと一発火炎弾を防げるかどうか。」

「うそでしょ。予定よりは遥かに強いんですけど!」


 戦い初めてすぐに分かった。見誤ったと。

 自分たちの力を過信した。

だれも脱落せずに魔物の攻撃を防げているのが奇跡と呼べるほどに力量さがあった。

魔獣の主な攻撃は火炎弾と前足による攻撃、頭部の角での薙ぎ払い攻撃と単調ではあったが、巨体から予想できないほどの移動速度と攻撃の質量は何度も防御可能なものではなかった。


「レオン! こっからどう防衛する?」

「私、限界まで魔術を使うから、倒れたら運んでよ!!」

「俺も魔術の援護に回るが、魔力は長く持たねーぞ!」


みんな、必死に戦っている。

でも、このままでは全滅する。

ひしひしとそのことを感じた

でも、今ならまだ離脱できる。

だが、だれも口に出さない。

なぜならそれは村人を見捨てるということだと分かっているから。

しかし、時間は残されていない。

今決めないと・・

パーティリーダーの俺が言わないと・・

ここで退いたら間違いなく魔獣がまだ避難できていない村民のほうに向かう。

そうなれば、村人は壊滅するだろう。

でも、今逃げないと仲間を失う。

もう、逃げるしかない。


2年前にパーティを結成した。

3人とも俺がスカウトしたメンバーだ。

半年前にCランクパーティに昇格した。

俺たちならAランクに届くかもしれない。

そうなれば、たくさんの人を救える。

この選択は間違ってないはずだ。


いや、これは本心じゃない。


俺はただ・・3人を失いたくない。

まだ、みんなと笑っていたい。冒険を続けたい。

だから・・


「・・にっ・逃げよう・・・」


そう口にしたとき、

震える俺の声をかき消すように大きな声が重なった。


「あと、20秒持ちこたえてください!」


 俺を含めた全員が声の方向を見た。

俺たちから十五メートルほど離れた広場の入口に一人の女性が立っていた。

見たこともない、奇抜な黒い衣装を着た女性。

振り上げられた右手で後ろの建物がカゲロウで歪むほどの魔力が放され、魔術が組みあがろうとしていた。

初投稿です。

文章伝わりにくかったら申し訳ありません。

ぼちぼち書いていくのでよろしくお願いします!!

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