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思い出の福袋

作者: 桐原まどか



福袋。新年になると発売される、お楽しみ。最近は予め中身を見せていたり、金塊やアクティビティを売りにする物もありますね。

幼い頃はデパートで文房具の福袋を買って貰って、喜んでました。

けれど、これはそれらとは全く関係ない話…。


それはとある年末。

食品スーパーの惣菜部門に勤めていた私は、他のメンバーと一緒に、やれ年末商材の陳列だの、うま煮をどれくらい炊くか、特別に作るお寿司のオードブルの個数決めやらに忙殺されていました。

そんな中。

食品部門のチーフと本部バイヤー(仮名をFさんとしましょう)が「場所貸して」とやって来ました。

何を始めるのかな?

思っていたら、年始セール用の福袋準備。ただ…その、中身がね。

色々話し合う我々。

その横で食品部門の人が台車に載せて持ってくる…明らかに、売れ残り!

私が覚えているのは『らっきょう酢漬け』『みたらし団子のタレ』『韓国産?のふりかけ』『マレーシア産のクッキー』などなど。

見てて、私はげんなりしてました。

いくら千円(税込)だからって、新年早々『らっきょう酢漬け』はテンションだだ下がるわ…。しかもね!

その『らっきょう酢漬け』なんか『ピリ辛』とか三種類詰めてたんですよ!

新年早々、『らっきょう』三袋。

―多分、もう二度と買ってくれなくなるだろうな…。

そんな事を思いつつ、仕事をしていました。


さて、新年明けて、五日目。

朝礼で店長が世にも間抜けな事を言いました。

「福袋に入れた『みたらし団子のタレ』が賞味期限切れとの申し出がお客様からありました。お客様から申し出があった際には、速やかに返金対応を申し出てください」

私が思った事…「ふっ、所詮はこの店のやる事…」

これが福袋にまつわる思い出です。

新年の楽しみなんですから、素敵なものが入ってる方が良いですよね。

売れ残り処分じゃなくて、大盤振る舞い出来ないところが駄目なんだろうなぁ…。

ちなみに本部バイヤーのFさんは我関せずで逃げていたそうです。

彼がへんてこりんな物、買い付けて来るんですがね…。

いまも働いてるんだろうなー。

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