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第五話 賑やかな家族

お知らせです。

大変申し訳ないのですが、次回の更新から不定期にさせていただきます。

理由は色々ありますが、ひとつあげるとすれば最近体調をよく崩すというところですかね。とりあえずは、頭痛とかそんな軽いものなのでご心配はいりません。


とりあえず、明日はがっつり休みます! 皆さんも、最近急に寒くなりましたので、体調にはお気を付けください! では!

 どれくらい屋敷内を探索しただろうか。

 まず言えることは、本当に広いということ。

 部屋の数が多いので、正直俺達だけで住むには広すぎる。そして、屋敷内だけではなく、外もかなり広いとということがわかった。


 まだ全て直接見たわけではないが、屋敷の裏手に湖のようなものがある。

 そこには小さな船場のようなものがあり、小舟が浮いていた。

 更にその奥に、森があり、山がありと……俺達の想像を軽く超える場所だということは確かだ。


「ん? ここは」

「わー、頑丈そうなドア。あはっ、かったーい!」


 ここまで普通じゃない扉やドアはいくつも発見してきた。どれもこれも封印されているかのように開けることができず、スルーしてきた。

 そんな時、次に見つけた鋼鉄のドア。

 試しに開けようとしてみる。


「開きましたね」

「どうやら地下に行くみたいだな」

「でも真っ暗でなにも見えない……やだぁ! こわーい!」


 本気で怖がってはいないのだろうが、甘えるように俺の腕に絡んでくるエルミー。


「こ、こら! 主にくっつくのを止めなさい!」

「えー? これは、親子のスキンシップなんだけどなぁ」

「リムエスも、どうだ? 俺を護ってくれているのは嬉しいけど。その姿じゃ、移動も大変だろ?」


 と、俺は手を差し出す。

 ここまで、リムエスは俺のことを護らんとミニサイズのまま一人で移動をしていた。だが、サイズがサイズなだけに歩幅が違う。

 俺達が、一歩踏み出すだけでリムエスは速足で移動することになる。彼女にとっては苦ではないのだろうが、こちらとしてはもう少し気を緩めても良いと思っている。


「ど、どういう意味ですか?」

「抱っこするんだよ」

「なっ!?」

「きゃー、お父様ってばだいたーん!」


 確かに、大胆な発言だけど。

 すでにヴィオレットやエメーラのことも何度か抱っこしている。炎と言えど、彼女達は女性。確かに、人形やぬいぐるみのように抱きかかえられるのは、恥ずかしいってところもあるんだろうけど。

 

「え、遠慮します! 自分はこのままで十分です!」

「でも、もっと近くに居た方が護りやすいんじゃないか?」

「しかし、抱きかかえられては即座に反応ができません!」


 まあ、一理ある。

 抱きかけられたままだと、正面の攻撃などには反応できるだろうが。背後からの攻撃には、反応が遅れるか、できないだろう。

 ……とはいえ、ここは戦場じゃない。そこまで気を張らなくても良いんだが。


「お父様、お父様」

「ん?」


 どうしたものかと悩んでいると、エルミーが声を潜めて呼びかけてくる。

 

「こういう時は、いっそ強引にやっちゃえ」


 ね? とウィンクをする。

 強引に、か。

 

「それも良いかもな」

「え? なにを―――ひゃ!?」


 俺が何かをしてくるんじゃないかと身構えるリムエスだったが、あっさりと抱きかかえられてしまう。そして、そのまま移動を開始した。


「……」

「さあ、お父様! 次へいっちゃおー」

「おー」


 完全に静止しているリムエス。

 どう反応したらいいのか思考が定まらないのだろう。そんな彼女をエルミーは、なにかたまらない感情を高ぶらせながら見ていた。


「―――はっ!? あああ、主!? 何をなさるんですか!? は、離してください!!」


 リムエスなら簡単に抜け出せるはずだが、強引に抜け出そうとはしない。

 抵抗、しているかのように動いてはいるが。

 

「まあまあ。これから長い付き合いになっていくんだ。これも夫婦のスキンシップの内ってことで。な?」

「ど、どう考えても夫婦がやることではないように思えるのですが!?」


 それは言われたら終わりだな、うん。

 傍から見たら、完全に可愛い人形を抱きかかえている青年にしか見えないもんな、俺。


「こ、こんなところ誰かに見られたら」

「あっ」


 周囲を気にしていると、現実となってしまう。

 別行動をとっていたヴィオレットとアメリアと遭遇してしまう。どうやら、ミウズの一人と行動を共にしていたようだ。


「リムエス……」

「あ、ちがっ。違うんです、ヴィオレット! これは、主がその」


 アメリアに抱きかかえられていたヴィオレットは、しばらくじっとリムエスを見詰める。

 対して、なんとか誤解をされないようにと言葉を考えるリムエスだったが、やはり思考が纏まらないようでまったく出てこない。

 

「羨ましい……」


 もともとふっくらとしていた頬がぷくっと膨れる。


「え!? ど、どこかですか? こ、こんなの恥ずかしいだけじゃないですか!?」

「嫉妬するヴィオレットさん……か、可愛い!」


 あ、またエルミーが興奮してる。


「モテモテだね、パパ」

「なるほど。これが世に聞くハーレムというものなのですね」

「ど、どこからそんな単語を」

「漫画です。ミウ様から、参考書のひとつとして提示されました」


 やっぱりそうか……。

 その後は、恥ずかしがるリムエスと交代でヴィオレットを抱きかかえることに。恥ずかしがってはいたけど、離れたら離れたで、こちらをちらちらと見てくるリムエス。

 そんなリムエスを興奮した様子で見るエルミー。

 更に、それを少し離れたところからニコニコと笑顔で見守っているアメリア。そして、いまだに俺の中から出てこない緑炎の妻子……。


 本当、にぎやかになってきたな。

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