表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/190

第三十話 武器形成

もうちょっとで一万ポイント。

そして、二章も終盤。

ここまで応援してくださり、ありがとうございます。まだまだ皆さんに楽しんで頂けるように更新を続けますので、よろしくお願いします!

「まずは三つ!」

(う、うん!)


 第二の試練が始まり、俺はヴィオレットと共に三本の矢を生成し、弦を引く。

 狙いを定め……放つ。

 紫炎の矢は、三本とも遠くの的に見事命中する。すると、すぐに次の的が生成された。しかも、最初と違う場所に、四つ。


 左の壁にひとつ。右の壁にひとつ。中央に二つ。

 残りは二十七。

 

「次だ!」


 四本の矢を生成し、弦を引く。

 次は、的の位置がバラバラだ。ただ矢を射ればいいというわけではない。矢を操作し、それぞれの的に命中させる必要がある。


 狙いを定め、放つ。

 まずは一番近い右の的―――命中。

 続いて左の的―――命中。

 最後に、中央の的―――命中。


「よし! 次は」

(見て、大きさが違ってるよ)


 次に出てきた的は、位置だけじゃなく大きさも違っている。だが、そこは火力を調整し、六つの的に矢を当て、突破した。

 そして、次は。


「動いてるな」

(む、難しそう……)


 残りの的の数は十七。

 出現した的は、七つ。

 それぞれが不規則に動いていて、ただ操作すればいいって話じゃない。しかも、壁のようなもので邪魔をしているのもある。

 ここは今までと同じで一気に放つより、数本ずつ適格に狙った方が良いな。

 

「まずは三本!」

(いくよ……!)


 紫炎の矢を三本生成し、手始めに大きい的に放った。

 途中で操作し、見事命中。

 次に、小さい的。左右上下と不規則に動くうえに、的が小さい。当てようとしても、途中で動いてしまって外れるだろう。

 けど、制限時間がないのが幸いして、より集中して矢を放てる。


(サポートは任せて……! わ、私が矢を操作するから!)

「ああ、頼りにしてる!」


 矢を放つ毎に、炎を操作する毎に、ヴィオレットとより一体化していくのを感じる。

 それに呼応するかのように、紫炎は力強く燃え上がり、気分が高揚していく。

 だというのに、どんどん集中力が上がっていた。

 

「いけっ!」


 残りの的を射るべく、紫炎の矢を放つ。

 当たる―――寸前に、運悪く的が壁に隠れてしまう。

 がしかし。


(逃がさない……!)


 ヴィオレットが操作することで、紫炎の矢は魔法陣に吸い込まれ、壁に隠れた的に見事に命中したようだ。残りの矢も、外れることなく全て的へ命中した。

 そして、次は。


「あれは」


 残りは十。

 次は、どんなものがくるのかと思っていると……十個の的が出現し、くるくると回転した。


「おー、すっごい回転だー」

「見てるだけで、目が回りそう……」


 さっきよりはシンプルだが、これはこれでなかなか難しい。


(……頑張る!)


 ヴィオレットも、大分やる気が上がっているようだ。

 

「ん? 弓が」


 ずっと形が不安定だった弓が……。


「お? ようやく形になったみたいだーね」

「あれが、ママの……綺麗だね」


 なにかが変わっていく感覚はあった。

 まさか、それが弓となって形になるとは。

 ずっと紫炎で生成された弓だったが、今はエメーラのように形が固定された。

 弦をかける部分。つまり両の弓筈と掴みの部分に紫炎の輪が生成されている。全体的に白銀色で、翼がそのまま弓になったかのようだ。


(これ。これが……)

「ああ。いける。この弓なら……!」


 自然と力が湧いてくる。

 俺は、すぐさま弓を構え、弦を引く。


(これは……的を)


 今まではなかった。弦を引いた瞬間に、掴みの部分にある紫炎の輪へ炎が収束する。そして、まるで逃がさないとばかりに視界に映る全ての的に紫炎の輪が重なる。

 これなら―――いける!


「これで終わらせる!!」

(全てを……射抜く!)


 弦を離すと、紫炎の矢が十本同時に放たれる。

 ずっと回転し続けている炎の的。

 本来なら、簡単に命中させられないだろうが……この攻撃は当たる。


「よっしゃあ!!!」

(や、やったぁ!!)

「お見事ー。十個同時に命中させるとは。僕もびっくりぎょうてんだー」

「パパ! ママ! さすがだよ!!」


 全ての的を撃ち貫いた瞬間、俺はガッツポーズをとり咆哮する。普段、物静かなヴィオレットも今回に限っては叫びをあげた。

 まあ、俺にしか聞こえないんだけど。


「やるじゃんか。それに、武器も固定された。どんどん闇の炎を使いこなしている証拠だ」

「えへへ。わたしとしては、ちょっと寂しいけど。やったね、二人とも!」

「う、うん。頑張った」

「っと。ありがとうな、ヴィオレット」


 ぽんっと、俺の中から出てきたミニヴィオレットを受け止め、静かに頭を撫でた。


「お? お馴染みの看板が出てきた」

「じゃあ、わたしが読むね」


 さて、いったいなにが。


「第二の試練突破おめでとう。だが、まだ終わりではない。次の試練が待っている。見事突破し、力を証明するのだ。さあ、進め。闇の炎の使い手よ。だって」

「さすがに次の試練で最後にしてほしいなー。僕、早く漫画読みたい……」

「もうちょっとだと思うから、頑張ろ?」


 ずっと床に倒れていたエメーラを、ヴィオレットは元の大きさに戻り、起き上がらせる。


「第一の試練が耐久。第二の試練が命中と操作。ということは、第三の試練は火力かな?」

「そうかもな。順当にいけば、の話だが」


 いずれにしろ。まだ試練は終わっていない。

 さあ、次に進もう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ