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98話 親交パーティのその後

「はぁ、今日は嫌な奴にあったわね。これでまた闘神祭でも会うって考えたらぞっとするわ」


 親交パーティの帰り道、リア様がため息を零しながらそうおっしゃる。嫌な奴とは十中八九あのクレストとかいう皇子のことだろう。


「大丈夫ですよ。その時は私がなんとかしますから」


「なんとかって? 婚約者のフリでもしてくれるの?」


「クロノさん、大胆になりましたね」


「ち、違いますよ! 近づけないようにするってだけです!」


 どうしてそうなるんだよ! それにガウシアも調子に乗って加勢してきやがるせいで余計にリア様も勢いづいていらっしゃる。


「フフフッ、仲が良いのね」


「あっ、そう言えばセシル会長ってどこにいらっしゃったのですか? 会場で全然お会いしませんでしたが」


「うん? 情報収集に決まってるじゃない」


 何を言っているの?と言わんばかりの態度でそう言われる。


「そもそもあのパーティは親交を深めるってのは飽くまで建前で、生徒同士の探り合いがメインなのよ。もしかして知らなかった?」


「し、知らなかったです」


 そんな目的があったのか。全然気が付かなかった。だが、今思えば確かに騒いでいる者が多い中で一部の者はまじめな顔をして話し合っていたような気もする。


「しょうがないわね。寮に戻るまでの間で教えてあげるわね」


 そうしてセシル会長による闘神祭談義が始まる。


 まずは、有望チームについて。


「優勝候補は聞いた感じだと三校ね。私達の学園、メルディン王立学園も一応その三校のうちの一つに入っているわ」


「まあ、主催国だから流石にそうでないとね」


 クリスが何故か誇らしげにそう言う。


「次にガウシアさんの母国であるゼルン王国のアルラウネ学院ね。生徒会長を務めているヘルミーネ・アーレントが有名なところね」


「ヘルミーネですか。懐かしいですね。昔、よく遊んだものです」


 ガウシアが遠い目をして懐かしむ。こういう母国を想った時の悲しそうな顔を見ると、ここに来た理由は黒の執行者に会うためだとは言っていたが本当なのだろうかと思ってしまう。


「最後に第一帝国学園。グランミリタール帝国の第一皇子のアレス皇子殿下と第二皇子のクレスト皇子殿下が筆頭ね。炎のアレス、氷のクレストって言えば有名よね」


 全然知らない。何それ。


「そうですね。魔神族との戦いにも参加してかなりの功績を挙げた双子の天才ですよね。かの1位のヒルトン様のお子様でもありますし」


 へえ、あいつらあの方の子供だったのか。苗字まで聞いたことが無かったから知らなかった。というかあの時の俺はほとんど気を失ってたしな。


「私はちょっと苦手だけど」


 婚約者と言ってきたクレストにはリア様も思う所があるのだろう。顔を歪ませている。


「第一帝国学園は今年、凄い能力者たちが勢ぞろいらしいわ。なにせ、出場者として勝ち抜いたのが全員一年生だからね」


「へえ。じゃあ私、第一帝国学園の時に出る」


 セシル会長の言葉に興味を持ったのだろう。ライカが出場したそうにする。ライカに関しては今回の闘神祭においてハンデがある。その中の一つとして1試合しか出られないというものがあるのだ。


 できれば強い所と当たった時に出たいと思っているのだろう。


「良いわよ。せっかくだし、1年生対1年生にしましょうか。私じゃ足手まといになりそうだし」


「そんなことないですよ。ライカが強すぎるだけですから」


 俺は少し沈んだ顔をしたセシル会長を宥める。最初はポジティブだと思っていた会長だが、最近こういう弱い一面を見せるようになった。1年に負けたことがよっぽど堪えたのだろうか。


「それに会長がいなかったら私達は周りの学園に後れを取ることになっていましたし」


「リーンフィリアさん、クロノくん。ありがとね。ダメだね、一番先輩なのにこんなに弱気じゃ」


 それから、闘神祭の話から盛り上がった雰囲気のまま俺達は寮へと戻るのであった。


 

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